楠木建オフィシャルブログ「ケン日記」Powered by Ameba

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本を読むときは、線を引いたり付箋をつけたりいろいろと書き込みをしたりします。そのときに思いついたことや読んでいて浮かんだアイデアを書き込むわけですが、それ以外にも「イイ、イイ!」とか「何言ってんだ・・・」とか「イヤだねえ、これ!」とか「カッコイイ!」とか「出たー」とか「スキですなあ」とか「嫌いじゃない…」とか「それはないだろう・・・」とか、口をついて出た一言も書き込んでおくというのが僕のスタイル。で、読み終わったら線や付箋や書き込みを一通り見返して、必要があればノートをとったりしまして、その後はほとんどの場合本を捨ててしまいます(さんざん書き込みをしているので、ブックオフは買い取ってくれない)。

 

という話をあるところでしていたら、「書き込みをした本を売らないか」というご提案(?)をいただきました。あえて書き込みのある本を買い取り、その書き込みがあることを価値として売る商売があるらしいのです。

 

僕は原則的にそういうことはしないように決めておりましてお断りいたしました。「そういうこと」とはどういうことか。

 

それは「仕事という意識を持ってやったわけではないこと」で対価を得る、ということであります。本を読みながらの書き込みは僕にとって「仕事」ではございません。

 

ここで仕事という意識をもつとはどういうことかと申しますと、自分が「実質的な貢献をできる」と思ってやっている、ということであります。その大小はさておいて、僕は実質的な貢献ができない仕事は受けないという方針でやっておりまして、仕事としてやる以上、お客さまに実質的に貢献できるようにと心がけております。

 

もちろん最終的に実質的な価値があるかどうかはお客様が決めることであります。こちらが実質的な貢献をするつもりで仕事をしても、相手が「実質的に貢献してないよ」という場合、これは単に僕の力不足でありまして、ごめんなさい、としか言いようがないのですが、少なくともこちらとしては実質的な貢献ができるという見込みで、実質的な貢献をしようと思ってやっているわけです。

 

仕事の価値はお客が決める。その通りなのですが、その前に、そもそも何を仕事として提出するか、それはこっちが先に決めているわけです。何が仕事かはこちらが決める。ここのところの原理原則をいい加減にしておくと、結局のところロクなことにならないというのが僕の考えです。

 

古本屋さんに本を売ったり、買い換えるときに使っていたオーディオ機器を下取りに出したり、使わなくなった楽器を売るのは気になりません。そこに僕の関与によって付加された価値はそもそもないという前提の単なる「売却行為」だからです。

 

しかし、僕の書き込みがあるがゆえに売る、ということになると話は違ってくるわけで、こちらが「仕事」としてやっていないことにもかかわらずお代を頂くというのは僕の方針に反します。

 

もちろん僕にしてもカネが入るのは嫌いではありません。つーか、わりとスキ。ある程度、心と体にゆとりをもてる収入(=あまり値段を気にせずにスーパーでに食べたいものを買うとか、本屋で読みたい本を買える程度の収入)はぜひとも確保したいと思っております。ただし、「仕事」でないことで対価を得るというのは禁じ手です。もとより僕の書き込みに価値を感じて対価を払う人がいるとは思えませんが、万が一そういう人がいたとしても、「非労働所得」を得てしまうとその時点でプロではなくなってしまうような気がしています。

 

これがキャピタルゲインや配当のような「不労所得」となりますと話は変わってきます。僕は投資を積極的にやるほうではまったくありませんが、それでも僕がリスペクトしている友人の経営している企業の株は2社ばかり持っておりますし、僕がスキな方が起業したベンチャー企業にわずかばかりの投資をすることもあります。ただし、こういうのは「投資」行為でありまして「仕事」ではございません。僕はカネを出しているだけで、僕の行動や行為による付加価値は期待されていません。

 

上述の原理原則からして仕事としてはお断りしているものに、たとえば行政府の審議会や委員会の仕事があります。テーマや局面によって、まれに仕事ができそうなものはお引き受けしたことはありますが、ほとんどの場合、実質的な貢献をするということにならなそうなので辞退しています。

 

もうひとつは社外取締役の仕事。僕が会社の手伝いをするときは、基本的に「こういうようにしたらもっと儲かるのではないか」「こうういうことをしたら面白いことになるのではないか」と、ガンガン押していくスタイルでやります。

 

ところが読んで字のごとく、取締役の仕事は(特に上場企業の場合)投資家利益の立場に立って、会社の執行を「取り締まる」というものであります。これが僕にはまったく向いていない。

 

これまでにいくつかの会社の社外役員をやらせていただいたのですが、いつもの調子でやっていると「誰かこいつを取り締まれ!」ということになるのでした。

 

このブログをお読みのメディア業の方からときどき「こういうことを書いているのだったら有料のメイルマガジンという形式でやらないか」というお誘いをいただくのですが、これは基本的に仕事ではない趣味の文筆なので、そういうことはいたしません。

 

実質的な貢献ができるかどうか。これ(だけ)を基準にしていれば、まずまず健全な仕事生活を続けられるというのが僕の考えです。

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