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昭和の日本映画、とりわけ東映娯楽映画が大スキなわけですが、いろいろと観た挙句の結論として、僕の選出した日本三大美人をここにご紹介する次第です。

 

第3位 関根恵子

若かりしころの高橋恵子、すなわち関根恵子はスチールでみて「ああ、綺麗な人だな」というのとは次元が違います。映画で動くとその超絶美人ぶりに拍車がかかります。

 

というのは、この人の美しさ、専門用語でいうところの「関の美」は天然素材むき出しの躍動する美だからでありまして、映画で凝った設定や演技がなくとも、ただ歩いたり走ったり座ったり立ったり笑ったり怒ったり喋ったりするだけで、美がこちら側に飛び出してくるんですね、ええ。それだけ素材の美しさが超一流ということであります。その辺を歩いているとしたらそこだけ光って見えるというタイプ。

 

関の美。フツーにしているだけで美しい。

 

このアングルでこれだけ綺麗な人はちょっといない。

 

出演作では何といっても『TATOOあり』の関の美がシビれさせてくれます。男をダメにする女の役でして、男が関根恵子に言うセリフに「おまえは男をあかんようにする女や…」というのがあるのですが、これに対する関根恵子の答えが「あかんようになる男があかんのや……」。ま、そりゃそうなのですが、ダメになっていく男を見ていると「ま、関の美をモロに浴びれば廃人になるのも仕方ないな・・・」と同情します。

 

デビュー当時の『おさな妻』。斜陽の日本映画界にあって、倒産へとひた走る断末魔の大映(配給はダイニチ映配)が悪あがきでつくった超低予算映画です。もちろん面白くも何ともありません。それでも当時15歳の関の美で魅せに魅せます(22歳ぐらいにみえる)。関の美(だけ)を味わうため(だけ)に存在する奇作。個人的には1970年当時の東京山の手の風景が随所に出てくるのもまた愉しからずや。

 

お年を召しても関の美(というか高の美)は健在であります。

 

中年にしてこの美貌。

 

初老にしてこの美貌。さすが。天然物なのに腐らない。

 

 

第2位 梶芽衣子

関の美が天然露地モノの美だとしたら、梶の美は内面からじんわりと滲み出してくる美貌。梶の美の頂点が味わえる作品は、何といってもタランティーノも降参したという名作『修羅雪姫』。

 

『修羅雪姫』における梶の美。

 

立ち回りの切れはもちろん、体の芯から出てくる美しさを堪能できます。一言でいって、美の体幹が強い。

 

タランティーノの『キルビル』で翻案されたこともあって『修羅雪姫』ばかりが有名ですが、『銀蝶渡り鳥』も名作。梶の美とカッコよさに加えて、昭和の銀座の風景もふんだんに楽しめます。

 

僕の大スキな東映実録ヤクザ映画の大傑作『仁義なき戦い』シリーズでも、最高といわれる2作目『広島死闘篇』に梶芽衣子は重要な役どころで出ています。

 

『仁義なき戦い 広島死闘篇』における梶の美。女の情念。目つきが最高。

 

現代劇でも、『女囚さそり』シリーズのカッコよさといったらありませんね、ええ。とにかく主人公が喋らない。ま、時代が時代だったので映画としてはちょっとあれですが、梶の美を楽しむためと割り切って観れば最高です。

 

『さそり』シリーズにける梶の美。このまなざしだけを味わうためだけにある映画。衣装がキレキレ。このスタイリストはイイ仕事をした。

 

僕は「癒し系」といわれるタイプが大キライなのですが、梶の美はそれと対極にあります。とにかく凛としていて一本筋が通っている。隙がない。大美人であることは間違いございませんが、それ以上にご本人の性分というか人となりから出てくる美が強烈です。

 

わりと素の状態での梶の美。このナチュラルな緊張感が最高。

 

 

第1位 藤純子

代表作『緋牡丹博徒』シリーズ、「緋牡丹のお竜」こと矢野一家二代目矢野竜子親分を演じる藤純子の固有美、すなわち藤の美は、昭和日本の奇跡としか言いようがございません。映画としても『緋牡丹博徒』シリーズは東映任侠路線のイイところが全部詰まっています。

 

「緋牡丹のお竜」の梶の美。人をして心服、心酔させる心意気。緋牡丹博徒シリーズの描く世界は男女共同参画社会の理想ともいえる。

 

「緋牡丹博徒」のヤマ場の殴りこみでの立ち回り。その動きと表情を見ていると、この世にこんなに綺麗なものがあるのか……、という気持ちになること請け合い。

 

単純に顔の美しさでいえば、藤純子は完璧な美人というわけではありません。ちょっと変わった顔立ちで、顔の輪郭も正統派美人ではない(ただしこのころの女優としては顔が非常に小さいため和装をしても現代的で映える)。昔の言葉でいうファニーフェイスに近い。向こうから歩いてきたら、関根恵子や梶芽衣子のほうが綺麗だと思うでしょう。

 

ただし、です。関の美が天然そのままの美だとしたら、藤の美は徹底的に練り上げられ作りこまれた美。顔の美しさだけでなく、表情、発声、立ち居振る舞い、着こなしからちょっとしたしぐさに至るまで、すべてが統合されて生まれる美。しかも、当時の東映製作陣が総力を結集して創りあげた「緋牡丹のお竜」のキャラクターを、高倉健、鶴田浩二、菅原文太、若山富三郎、待田京介、西村晃、山城新伍、小池朝雄、清川虹子、丹波哲郎、はたまた片岡千恵蔵から嵐寛寿郎に至るオールスターの助演陣がこれでもかこれでもかと引き立てまくりやがった末に立ち昇る美であります。つまりは、二重の意味で綜合芸術としての美、これが空前にして絶後、再現不可能、余人をもって替えがたい藤の美の本質でありますまいか。

 

この表情……!

 

関根恵子にそっくりな超絶美人はごくごくまれに存在するのですが(現代日本において1名の生存を確認済み。顔が骨格が似ているからか声も酷似)、このころの藤純子に似ている人は存在し得ない。そこに映画の中だけで大輪の花を咲かせる緋牡丹の美しさがあるわけです。

 

久しぶりに緋牡丹博徒シリーズ全8作を観て思いました。藤純子は日本の宝。旭日小綬章と紫綬褒章を受けていらっしゃいますが、今からでも遅くはありません、日本国は即座に桐花大綬章と文化勲章を与えるべきです。同時に人間国宝とし、立ち回りにおける藤の美を無形文化財に指定すべき。天皇陛下にお目にかかる機会があったら(ないかな?)、必ず直訴しようと思っています。

 

お竜さんと健さんの名場面。

 

これぞ藤の美。合掌。

 

結論:日本に生まれてよかった!

 

 

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