出町ふたばの豆餅には合わない | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る


ドメーヌ・エレスツィン ジュヴレ・シャンベルタン ルージュ ヴィエイユ・ヴィーニュ 2002
購入日    2005年9月
開栓日    2005年11月4日
購入先    ヴェリタス
インポーター ヴェリタス
購入価格   3480円

ヴェリタスの女性ソムリエの辻さんが、直接蔵元から引いてきたワインと思われる。
辻さんとは一度電話でお話ししたことがあるだけだが、彼女のワインを選ぶ能力は、
基本的に信頼していいと思っている。
ことに1000円台の安いワインに関しては、何度も感心させられた。

失礼を承知で言わせて頂ければ、この人は直球で勝負するタイプの人ではない。
無名のワインで、まだ価格が品質に追いついていないものを、
自分の感性だけでピックアップしてくることを生業としているような人である、と思う。

わたしはブルゴーニュワインの争奪戦に参戦して、まだ1年程度の初心者である。
ここのブログには、ooisotaroさんという、自分の価値観をしっかりと持って、
傑作の森であるブルゴーニュの迷路を、確たる足取りで歩まれている達人がいる。

広い日本には、こういう方はおそらく相当数おられて、ネットなどで出てくる名だたるワインを
連日買い争っている、という事実がある。
もっとも、そういう方々が、皆々ooisotaroさんほどの感性の持ち主かどうかは、定かではないが。

わたしのような初心者は、今夜のワインのような無名の造り手の、しかも決して安くはない代物に
手を出すより、もっと評価の定まったドメーヌのものを多く体験する方が良いのかも知れない。
今夜のワインも何となく購入しただけなのだが、辻さんという人の感性を確認したかった、
という意味合いもある。
ある意味、怖い買い手であるかも知れない。

結果は期待に添うものであった。
開栓早々から芳しいアロマに感心するが、口に入れると酸味と果実味とタンニンがバラバラである。
まだまだ若い証拠だ。

それらが解け合って、まっとうなジュブレのテロワールを主張しだすまで、3時間かかった。
それでもまだアルコール臭は完全には消え去らず、多少金属的な音色は残る。

このワインには贅肉がまったくなくて、姿勢がとても良い。
造り手が非常に真面目であることが分かる。

将来このドメーヌは、稀少でカリスマ性があり、ブルゴーニュ・オタクから狙われる存在に
なれるだろうか?
そのためには、何か1つ他のドメーヌでは得難い個性を纏わなければならないのだろう。

ブルゴーニュ・ワインとは、かくも厄介な代物なのである。

今回のブログのタイトルには、どういう意味があるのか?
単なるわが家の今夜のおやつです。

[追記]
若いワインであったにもかかわらず、開栓24時間後にはもはや力はなかった。
半年ほど前にルードヴィック・ベランのACブルゴーニュ2002を開栓したのだが、
1日目では硬く、3日目が飲み頃であった。このワインとは対照的だ。
将来もしピークで開栓できたとしたら、ベランの方が高いレベルにあるような気がする。

これが畑の力なのもしれないが、若いワインというのはその潜在力を判断するのに
24時間くらいは必要じゃないか、と思ってしまう。

このワインの飲み頃はおそらく2年くらい先で、この価格は少し高いと思う。