11月11日(初日)と13日を観ての『金色の砂漠』キャスト別感想です。

ネタバレが盛大にありますので、まだ知りたくない方はご注意ください 。

 

そうこうしてる内に、週末が近づいてきました。

今週末は、いろいろ目白押し。

星組『桜華に舞え』東京大千秋楽(トップコンビ退団)

宙組『バレンシアの熱い花』 開演。

他にも、大切なミッションが。

怒濤の週末になりそうな予感…。

 

 

★柚香 光 (第一王女の求婚者 テオドロス)

 

ガリア(ざっくり言えば現在のフランス)の王子様。

 

末子のテオドロスは、タルハーミネの婿養子に入ります。

いわゆる政略結婚ですね。

「母国の利益のため」と割り切っている、テオドロス。

 

物語終盤、テオドロスの戦略ミスで、現政権は崩壊の憂き目に。

敗戦の責任をとるどころか、妻子を置いて実家(ガリア)へ戻ります 。

戦闘能力も政治力も低く、責任感も薄い、かなり酷い人物。

 

なのに、光ちゃんが演じると「イケメンだから許す」マジックがかかるというね…。

 

タルハーミネに膝枕してもらう姿とか、ナチュラルにリアル彼氏。

 

稽古場で、明日海さんが花乃ちゃんに膝枕してもらってましたね。(グラフ11月号)

光ちゃんの姿を見てて、羨ましくなったのでしょうか?

「かのまりは私のもの」と張り合って、マーキング?

 

男の子ですなぁ、明日海さん。

今はギィが入ってるから尚更かな?

明日海さんと柚香さんに挟まれて、嬉しい悲鳴ですね、花乃ちゃん。

 

柚香さんは95期(研8)

そろそろ、若手から中堅へと移行しつつある時期。

 

華とタカラヅカ的美貌が、群を抜いている柚香さん。

柚香さんのお芝居は、キャラグターの創り方もアドリブも目新しくてユニーク。

 

何をしても、人目を惹きつける柚香さん。

失敗さえ、「珍しいものが見れて得した気分」にさせてしまう。

圧倒的なスター性を備えています。

 

ただ、宝塚はスターシステムを採用している劇団。

個を滅して、真ん中を盛り立てることも求められます。

 

役や己のカラーを放出したり、消したりの加減がコントロールできれば、更に一目置かれることでしょう。

 

滑舌・発音・歌唱は、ずっと抱えてきた課題ですね。

声や芸事(才能)に関しては、努力すれば何とかなるとは限りません 。

努力を重ねても、効果が出にくい人もいます。

芸術やセンスの、興味深くて残酷な一面ですね…。

 

もし柚香さんが「努力しても反映しにくい人」だったら「もっと稽古しろ」で収めるのは気の毒です。

 

ただ、トップへ連なる道(路線)に乗っている以上、一定以上の水準を期待されるのは致し方ないこと。

 

苦手な事に取り組んだり、悩んだり…という経験は、意外と役立つと思います。

苦しんだ経験は、共感性を高め、寛容さを生み出す可能性が高い。

無駄な経験など、一つもありません。

 

仮に努力が結果に繋がらなくても、それはそれで活かす道もあると思います。

 

例えば、「その分野が得意な人にサポートしてもらう」という選択肢。

トップ路線以外の生徒にも光が当たる見せ場ができて、Win-Win の関係が生まれるかも。

 

とはいえ、出来る努力はし尽した上での話ですが…。

 

「登場しただけで、人の耳目を奪う」

 

舞台人・芸能人なら誰もが羨むであろう、圧倒的な華やぎをまとう柚香さん。

どのように成長を遂げていくのか、見守りたいと思います。

 

 

★水美舞斗 (砂漠の盗賊 ザール)

 

厳しい砂漠で生き抜くザール。

 

現王ジャハンギール(鳳月杏)によって滅ぼされた、前王朝の臣下の子孫。

世が世なら…というやつですね。

のちに、復讐に燃えるギィが率いる精鋭部隊の一人となります。

 

動きが俊敏で軽やか、かつ力強い。

短いながら、ソロ部分もあるナンバーを歌い踊る場では「うっま…!!」

 

いつも元気印のマイティですが、笑顔が少なく、精神的ドスの利いた風情。

忍びやSPなど「腕は立つが、あくまでも陰の存在」みたいな空気感を醸し出してます。

 

そして美しい…!

もともと美形ですが、『新源氏物語』(2015年10~12月)から舞台メイクが飛躍的に向上したように感じます。

 

スターの宝庫・95期(研8)の一角を占めるマイティ。

容姿も芸も、抜きん出た存在だと思います。

 

もちろん華もあり、人柄も良さそう。

お茶会に参加した事がありますが、穏やかで優しげな方でした。

 

おそらく場や機会さえ与えられたら、大活躍するはず。

花組へ異動してからの鳳月杏さんが、まさにそれですよね。

 

水を得た魚の如し…… いえ、むしろ遡上した魚が天に駆け上り、龍となる勢いを感じます、ちなつさん。(登竜門の語源より)

マイティも、鳳月さんと同じく、実力と美貌を備えた大器だと思います 。

 

元気印のイメージより、遥かに繊細な感性をもつマイティ。

たとえば、愁いを含んだ役柄なども似合いそうです。

 

マイティは、もっと評価されていい。

歌も芝居もダンスも高水準で、滑舌も良いマイティ。

しかも端正で、華もある。

こんなオールマイティなタカラジェンヌを起用しないなんて、宝の持ち腐れ。

 

マイティに課題があるなら、飢餓感をもつことでしょうか。

もっとアグレッシブな姿勢で臨んでもいいかも。

触れるものをなぎ倒すくらいの勢いでね。

 

でも、控えめで穏やかなマイティが……やっぱり好き♡

矛盾してて、ごめんなさい。

 

 

★花野じゅりあ (砂漠の盗賊 ラクメ)

 

じゅりあ姐さんは、ザールの姉。

世が世なら…のおひとりです。

 

じゅりあ姐さん、カッコイイんですよぅ…!

ショー『Melodia~熱く美しき旋律~』 の黄金郷の場面では、ピサロの部下役でしたよね。

あの時のダンスもキレッキレで、男役に負けず劣らずのダイナミズムを感じました。

花乃まりあ嬢が『All of Me』を歌う場面でも、艶っぽいダンスで魅せてくれました。

 

『金色の砂漠』のラクメは、女だてらに砂漠の盗賊のリーダー格。

豪胆で、人を見抜く眼力の持ち主のようです。

ギィの並々ならぬ様子をみてとり、生かすことに。

数年後、ギィと共に現政権を攻め滅ぼすまでに。

 

マイティと姉弟という設定もしっくり。

スゴツヨ姉弟って感じがします。

華やかで一騎当千の美形姉弟ですね。

 

特にじゅりあ姐さんは、誰と当たっても負ける気がしません。

さすが副組長。(それは関係ないか)

 

 

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