後藤 仁(GOTO JIN)の絵本便り

後藤仁公式ブログ2~日本画家・絵本画家 後藤仁の絵本原画制作、展覧会便り。1968年生まれ。東京藝術大学日本画専攻卒業、後藤純男に師事。「アジアの美人画」をテーマに日本画を描き近年は絵本制作に力を入れる。日本児童出版美術家連盟、絵本学会、日中文化交流協会会員。


後藤 仁 公式ホームページ

「後藤 仁(GOTO JIN)のアトリエ」 べーっだ!
 

 日本画・絵本作品や金唐革紙作品の貴重な画像や解説が、たくさん掲載してあります。当ブログとともに、お楽しみ下さい。よろしくお願い申し上げます。   

       日本画家・絵本画家  後藤  仁 

後藤仁公式ホームページ「後藤 仁(GOTO JIN)のアトリエ」



                   *          *



☆私の「絵本」をご紹介していただく皆様へ☆

  「絵本」を、機関誌・情報誌・ホームページ・ブログ・フェイスブック・ ツイッター・YouTube等でご紹介していただけるのは、作家として誠に有難いのですが、「絵本」の中身の公開は、著作権で国際的に制限されています。場合によっては、法的措置の可能性もあります。(表紙のみのご掲載は問題ありませんが、その場合でも、作品名・作者名・出版社名の表示をして下さい。)
 拙作絵本の中身のご掲載をご希望の方は、私へ一言ご相談下さい。私達作家は多くの経費・労力を払って「絵本」等の作品を制作して、それで食べていますので、ご理解の程よろしくお願い申し上げます。  

  日本画家・絵本画家、日本児童出版美術家連盟会員  後藤 仁



●著作権について詳しく知りたい方は以下の、一般社団法人 日本書籍出版協会 公式ホームページ「お話会・読み聞かせ団体等による著作物の利用について」、 福音館書店 公式ホームページ「著作物の二次的使用について」、 公益社団法人 著作権情報センター 公式ホームページをご覧下さい。


一般社団法人 日本書籍出版協会 公式ホームページ 「お話会・読み聞かせ団体等による著作物の利用について」  
  
http://www.jbpa.or.jp/guideline/readto.html
  
http://www.jbpa.or.jp/pdf/guideline/all.pdf  (PDFデータ)

福音館書店 公式ホームページ 「著作物の二次的使用について」
  http://www.fukuinkan.co.jp/help/info_3.html

公益社団法人 著作権情報センター 公式ホームページ
  http://www.cric.or.jp/index.html


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『大垣祭り』 ユネスコ無形文化遺産に登録決定!! 

 

 私の伯父で、からくり人形師の後藤大秀が制作した「からくり人形」が乗せられて披露される、岐阜県大垣市の『大垣祭り』〔大垣祭の軕(ヤマ)行事〕が、昨年、「国重要無形民俗文化財」に指定され、12月1日、「ユネスコ無形文化遺産」に登録決定いたしました。その他にも、伯父は、愛知県半田市の「亀崎潮干祭の山車行事」のからくり人形修復等も手掛けています。  

 2009年には、後藤大秀が「全国山・鉾・屋台保存連合会 人形関係修理技術者」に認定され(全国で3名のからくり人形師のみ認定)、その技術の確かさが公の機関によって保証されました。

 伯父の「からくり人形」が活躍する『大垣祭り』 『亀崎潮干祭』の魅力が、日本中・世界中に広がっていくのはうれしい限りです。毎年5月に岐阜県大垣市で『大垣祭り』が開催されますので、ぜひ見に行って下さい。

 

 日本画家・絵本画家 後藤 仁

 

 

からくり人形・能面展

名古屋市博物館「後藤大秀 からくり人形・能面展」にて 後藤大秀と後藤 仁(2007年8月撮影)

 

大垣祭り 相生山「神主友成」

大垣祭り 相生山「神主友成」(後藤大秀 作/1995年撮影)

 

 

【今回、ユネスコ無形文化遺産に登録された中で、後藤大秀が復元制作・修復を手掛けた山車】

 

●からくり人形 復元制作

 大垣祭の相生山 「神主友成」「住吉明神」「尉」「姥」

 大垣祭の愛宕山 「武内宿禰」「神官人形(狂言師人形)」

 大垣祭の浦嶋山・布袋山 「采振り童子」

 大垣祭の布袋山 「倒立唐子人形」

●からくり人形 修復

 大垣祭の菅原山、榊山、愛宕山、神楽山(三輌山)

 半田市 亀崎潮干祭の東組宮本車

 

 なかでも、大垣祭の相生山「神主友成」復元制作では、昔の人形は過去に紛失していた為、古い写真一枚と古老の証言のみを基に全てを一から制作したので、この場合はほぼ完全創作と言えます。

 

 

大垣市 公式ホームページ : ユネスコ無形文化遺産「大垣祭の軕行事」紹介動画を公開中!

ユネスコ無形文化遺産 山・鉾・屋台行事「大垣祭の軕(やま)行事」

http://www.city.ogaki.lg.jp/0000002628.html

 

大垣観光協会 公式ホームページ : 大垣・西美濃観光ポータル水都旅

大垣まつり

http://www.ogakikanko.jp/event/ogakimaturi/

 

大垣地域ポータルサイト西美濃

大垣まつり特集2016

http://www.nisimino.com/nisimino/tokusyu/ogakimaturi/#&slider1=12

 

 

【ニュース報道】

 

首相官邸:「山・鉾・屋台行事」ユネスコ無形文化遺産登録に当たっての総理メッセージ

http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/discource/20161201message.html

 

外務省:「山・鉾・屋台行事」のユネスコ無形文化遺産代表一覧表への記載決定(外務大臣談話)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/danwa/page4_002549.html

 

外務省:「山・鉾・屋台行事」のユネスコ無形文化遺産保護条約「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」への記載についての審議結果

http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_003981.html

 

NHKニュース:山車が登場する33の祭り ユネスコ無形文化遺産に登録決定

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161201/k10010790831000.html

 

FNNニュース:「山・鉾・屋台行事」33件の無形文化遺産登録を決定 ユネスコ

http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00343282.html

 

朝日新聞ニュース:山・鉾・屋台行事、無形文化遺産に登録決定 ユネスコ

http://www.asahi.com/articles/ASJD10P5GJCZUCLV01B.html

 

毎日新聞ニュース:無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」登録を決定 ユネスコ

http://mainichi.jp/articles/20161201/k00/00m/040/114000c

 

産経ニュース:「山・鉾・屋台行事」登録を正式決定 和食、和紙などに続き国内21件に

http://www.sankei.com/life/news/161201/lif1612010007-n1.html

 

時事ドットコムニュース:無形文化遺産に「山・鉾・屋台」決定=18府県33件の祭り-ユネスコ

http://www.jiji.com/jc/article?k=2016120100044&g=soc  

 

 

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♡スリランカの子供達に「絵本」を贈ろうプロジェクト♡  

 

 船旅なのでかなり時間がかかったようですが、ようやく「絵本」がスリランカに届きました!!!無事に届いてひとまずホッとしました。

 後は、スリランカの子供達に有効に活用していただける事を願っています。

 

 日本画家・絵本画家 後藤 仁

 

スリランカのスランガニ基金(代表:馬場繫子さん)に届いた「絵本」とスタッフの皆様

 

スリランカ寄贈絵本

私の作画絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店こどものとも)、『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)、挿絵本『おしゃかさま物語』(佼成出版社)  

 

【今までの経緯】

 私は、2016年6月に3週間かけて「スリランカ写生旅行」に訪れました。その際に、日本でもよく知られたスリランカを代表する絵本作家のシビル・ウェッタシンハさんにお会いしました。(その時の模様は、このブログにも書いています。)

 シビル・ウェッタシンハさんが顧問を務めるボランティア団体・スランガニ基金が、スリランカの子供達に「絵本」を寄贈するご活動を長年されている事に共感しました。私もかねてより「絵本寄贈プロジェクト」を進めており、作画絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店)『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)を、東北の被災地をはじめとする日本中の学校・図書館・児童施設等に、今までで1000冊以上寄贈して来ました。その他、海外では、中華人民共和国やブータン王室 等にも絵本寄贈をして来ました。また今後、ネパールの被災地や熊本地震の被災地(私の親戚も地震に遭いました)等への絵本寄贈も考察しています。

 今回は、『スリランカの子供達に「絵本」を贈ろうプロジェクト』を計画しました。私が「絵本」をスリランカに送り、スランガニ基金のご協力でスリランカの子供達の手に届く予定です。日本児童出版美術家連盟(童美連)の絵本作家にも声をかけて、多くの作家の直筆サイン・メッセージ入りの「絵本」をスリランカの子供達に贈るという内容で、私は作画絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店)26冊、『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)1冊、『おしゃかさま物語』(佼成出版社)3冊、を寄贈しました。

 寄贈絵本をまとめて、8月8日にスリランカへ送付しましたが、この後も各地への「絵本寄贈プロジェクト」は継続して行きたいと考えています。

(ご注意:スランガニ基金では一般の方からの絵本寄贈を受け付けていません。ご支援をお考えの方は、基金の公式ホームページからアクセスして、寄付金という形でお願い申し上げます。)

 

【寄贈絵本目録】

私の作画絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店)26冊、『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)1冊、『おしゃかさま物語』(佼成出版社)3冊、計30冊。藤本四郎さん『ねずみのえんそく もぐらのえんそく』(ひさかたチャイルド)。浜田桂子さん『あやちゃんのうまれたひ』(福音館書店)、『おとをつくろう』(中西智子 監修/福音館書店)、『月刊かがくのとも わらう』(福音館書店かがくのとも)、計3冊。黒川みつひろ さん『絵巻えほん 恐竜たち』(こぐま社)、恐竜絵本シリーズ(小峰書店)、計10冊。高木さんご さん『せんたく ねこさん』(ひさかたチャイルド)、3冊。中嶋香織さん『おつきさま なにみてる』『おひさまさんさん おはようさん』(岩崎書店)、計2冊。嘉村靖子さん『おばけのだっこ』(タリーズコーヒージャパン)、『へんしん まるちゃん』『おでかけ まるちゃん』(ユニバーサルデザイン絵本センター)、計3冊。   総計52冊。

 

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 最近、妙に絵本関係の行事が重なり、私のアトリエの訪問客も多くて忙しいですね。最近の主な出来事を、この機会にまとめてみましょうか。

 

 2016年9月19日は「長野ヒデ子絵本原画展」(児童書店ハックルベリーブックス、柏市)があり絵本作家・長野ヒデ子さんのトーク・サイン会に客として参加。長野さんの講演風景をSM号スケッチブックに軽くスケッチしてみました。長野さんには、私が初絵本を出版した後の3年前位から、黒井 健さん、浜田桂子さん、小泉るみ子さんらと共にとてもお世話になっております。その前は長く日本画家・純粋美術作家、美術誌・画廊・百貨店関係者等との交流が主体で、絵本作家・児童書出版社との接点はほとんどありませんでした。ちなみに私の日本児童出版美術家連盟(童美連)の入会ご推薦者は、黒井 健さんと浜田桂子さんです。

 25日には、同書店で長野ヒデ子さんとNHKディレクターの岩田真治さんのギャラリートークがありました。岩田真治さんは、とても優れたヒューマンストーリー番組を手掛けられている方です。長野ヒデ子さんの絵本『ひらがなにっき』(解放出版社)と、NHK「ETV特集」の制作エピソードのお話でしたが、日本にも根強く残る差別・偏見についての深い内容に、多くを考えさせられるものでした。長野さん方の世代の絵本には、このような深い人間洞察に基づいた作品が多いのが良い所です。その後、皆さんでお食事をして、夜には映画「ある精肉店のはなし」(纐纈あや 監督、やしほ映画社・ポレポレタイムス社)を鑑賞しました。この映画は差別と食を主なテーマにしたもので、屠畜の衝撃的なシーンから始まる、人間の食意識を考えさせられる深い話でした。私はネパールでいけにえにされて首を切られた水牛と羊を見た事がありますが、人間はこうして他者の命をいただいて生きているという事実を、改めて考える機会になりました。日本画の「膠」も牛の軟骨等から作ります。そう考えると、あらゆる場所で他者の恩恵の元に人は生きているのだという事実を知らされるのです。そしてその大切な仕事を担っている方々への、差別や偏見の愚かさを知る事となるのです。

 今年は、映画「ラサへの歩き方」というフィクションとドキュメンタリーの間の佳作と、「ある精肉店のはなし」というドキュメンタリー映画の秀作を見る事ができて良かったです。

 

 9月30日、読売・日本テレビ文化センター金町「水彩画教室」講師の仕事を終え(気が付けば、柏の「日本画・美人画教室」と共にすでに10年間も教えています)、銀座の画廊・創英ギャラリー「7ベクトルの起点として」を拝見。美術予備校(立川美術学院)・東京藝術大学時代からの古い悪友の中村寿生と、文星芸術大学の教授・准教授たちのグループ展です。寿生(としお/あだ名のようにそう呼んでいます)は現代美術の村上 隆さんの後継者として、今頃世界を股にかけて大活躍しているかと思いきや、案外こじんまりと地方私立美大准教授・講師などに納まって、取手市で田んぼを作ったりしながら田舎暮らし風を謳歌しているが、まだまだこれからやってくれる器の人間であると期待しています。

 

 10月2日は「松戸まつり」を少し見て、松戸文化ホールのブラジル人作家のラウラ・カルバーリョさんの「ギャラリートーク・ワークショップ」に参加。たまたま前日、文化ホールの「松戸市小中学生観光絵画展」を見た後に、イベント準備中のラウラ・カルバーリョさんに出会い、これもご縁と出向いたのです。ブラジルの色と日本の松戸の色との違いについてのトークは、外国の方ならではの視点が垣間見えて、面白かったです。

 

 10月14日は、再び「長野ヒデ子個展」(Pinpoint Gallery、南青山)におじゃまし、長野ヒデ子さんとスリランカ旅行のお話等をしました。長野さんが中国の方にもらったという「冬虫夏草」を2匹いただいたので、家でスケッチした後、薬膳スープにして食べました。モンゴルの超堅いチーズもいただきましたが、生では堅すぎてなかなか食べれないので、焦げるほど焼いてから少しずつ食べました。

 

 10月31日には、日本著作者団体協議会(著団協)の研究会に参加しました。「著団協」というのは絵画・絵本・デザイン・文学・作詩・映画・演劇・写真・マンガ等の日本を代表する著作者団体21団体が共同開催する集会で、各団体の理事や部長クラスの方々が参加します。日本児童出版美術家連盟(童美連)からは、きたやまようこ さんが今まで務めて来られた役割を、力不足なのですが私が引き継いでほしいという事で、1年間、きたやま さんに付いて行って学びます。今日は、きたやま さんの都合が合わずに、しばはら・ち さんと一緒に参加しました。AI(人工知能)による文学作品制作の問題について、「日経 星新一賞」の選考委員もされたという日本児童文学者協会の東野 司さんが講義されましたが、とても面白い内容で、今後も創作者が注視していかなければいけない議題でした。

 

 11月1日、再び絵本作家・長野ヒデ子さんの講演会「かぞくと楽しむ絵本と紙芝居」が、松戸市民劇場ホールで開催されたので聴きに行きました。「子供の目線になるとは、人と人として子供に対等に向き合う事だ・・・」とおっしゃられた長野さんのお言葉が心に響きました。面白い中に深みのある軽妙な語り口は、私も学ぶ点が多々あります。

 

 11月8日は、日本児童出版美術家連盟(童美連)の会報誌「dobiren」No,45・2017年号の「も~っとあやしいアトリエ探検隊」の取材で、童美連会報部のタカタ カヲリ さんと福田紀子さんとすみもと ななみ さんが私のアトリエに来られて、日本画・絵本原画や多くの画材・資料を見ていただきました。掲載されるアトリエの見取り図は私が描きましたが、はたして良い記事になるでしょうか。「dobiren」は年に一冊の発行で、貴重な絵本作家の情報が満載された面白い冊子ですが、童美連会員しか見れないのは残念です・・・、つまり、童美連に入会すると見れるという事ですね。来たれ絵本作家、来たれ児童書イラストレーター!!

 

日本児童出版美術家連盟(童美連)会報部・アトリエ探検隊のタカタ カヲリ さんと福田紀子さんとすみもと ななみ さん。後ろは私の日本画作品。

 

 11月10日には、「新作絵本」の打合せで某老舗児童書出版社の編集者2名がアトリエに見えられました。出版社からの発表があるまで詳しくは言えないのですが、長い伝統がある絵本シリーズの来年度版の原画制作です。これから半年は制作が忙しくなりそうですが、おいおい経過をお知らせいたします。

 

 11月15日は午前中、デンマークのコペンハーゲンから来日された、IT University of Copenhagen 准教授の安岡美佳先生と、コペンハーゲン市の絵画・インテリア修復師のアナ・シモンセンさんが、私のアトリエに見えられました。今回の来日目的はデンマークの建築物から「金唐革紙 きんからかわし/手製高級壁紙」らしきものが発見され、その由来を調べられているそうです。金唐革紙製作の第一人者としても知られている私に、手掛かりを聴きたいという事で、3時間近く金唐革紙の資料解説をしました。

 その後、都心に出て、日本児童出版美術家連盟(童美連)の理事会に出席し、先日の日本著作者団体協議会(著団協)研究会の内容説明をしました。

 その後、童美連の創設者であり日本の絵本・児童書界に多大な功績を残され、先日、亡くなられた、太田大八さんを追悼する「太田大八さんをしのぶ会」が太田さん行きつけの蕎麦屋で開催され、童美連のベテランの方々30名位と出版社の方も何名か見えられました。出席者の中では私が一番若い方です。席の右には小泉るみ子さん、左に黒川みつひろ さん、正面に黒井 健さんという、すごい並びでしたが和気あいあいと話がはずみました。先日このブログにも書いた、黒井さんの絵本作品と私の絵本作品『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)「ザ・ホワイト・レイブンス 国際推薦児童図書目録2014」に選定されていたという逸話もこの時に話しました。童美連、現理事長の藤本四郎さんからは、「次の理事長は誰々(詳しくは言えませんが)にお願いし、次は誰々がいて、さらにその先には誰々と後藤さんがいるから心配しなくてもいい・・・。」などという酒の席とは言えご冗談が過ぎるお話も飛び出しましたが、童美連での役割も重くなる中、絵本業界の更なる発展の為にもますます責任感を持って行動しなければならないと思うようになって来ました。ただ、自分の制作と、来年からの東京造形大学絵本講師と、童美連の役目等とのバランスを取っていくのが、なおさら大変になって来そうですね・・・。

 その後、黒井 健さん、矢玉四郎さん他、ベテランの方数名に混ざって久しぶりのカラオケをしました。太田大八さんをしのびながらも、しんみりする事なく、お酒と若い作家との交流が好きだったという太田さんをしのぶ会にふさわしく、矢玉さんの尺八演奏等も飛び出しながら、面白い先輩方のお話と歌声に笑いが絶えない集まりとなりました。お別れに黒井さんと固い握手をかわし、家に着いた時は夜の12時をまわり、一日中、まるで政府要人のような過密スケジュールでした・・・。

 

IT University of Copenhagen 准教授の安岡美佳先生と、コペンハーゲン市の絵画・インテリア修復師のアナ・シモンセンさん。ご両人の手に持たれているのが、私が中心となり復元製作した「金唐革紙」の断片。私は作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)を持っています。

 

 11月25日は朝から、ちひろ美術館・東京の「赤羽末吉 中国とモンゴルの大地」展を見に行きました。ちひろ美術館の常任顧問で絵本学会会長でもあり、いわさきちひろ さんのご子息の松本 猛さんには、私も所属する「絵本学会」の集会で何度かご挨拶した事があります。赤羽末吉さんは いわさきちひろ さんと並んで、私が最も尊敬する日本の絵本作家です。『スーホの白い馬』『あかりの花』(福音館書店)『王さまと九人のきょうだい』(岩波書店)等の名作絵本の原画もあって感動。私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(君島久子 文、後藤 仁 絵/岩波書店)の原話が載っている民話集『白いりゅう黒いりゅう』(君島久子 訳、赤羽末吉 挿絵/岩波書店)の原画もありました。この「犬になった王子」は、宮崎 駿さんの絵物語「シュナの旅」の原話になった事でも有名で、「シュナの旅」は後にスタジオジブリのアニメ映画「ゲド戦記」の原案にもなりました。君島久子先生からは「シュナの旅」の制作時に宮崎 駿さんから直接ご連絡があった逸話や、往年の赤羽末吉さんや太田大八さんのお話を度々伺っており、お三方とのご縁を感じずにはいられません。赤羽さんの中国でのスケッチや写真も展示されており、この展覧会は必見です。

〔補足説明:中国民話研究の第一人者の君島久子先生は、赤羽末吉さんと『王さまと九人のきょうだい』(岩波書店)『あかりの花』(福音館書店)等、太田大八さんと『チベットのものいう鳥』『月からきたトウヤーヤ』(岩波書店)等、村山知義さんと『しんせつなともだち』(福音館書店)、初山 滋さんと『たなばた』(福音館書店)、丸木 俊さんと『ふえをふく岩』(ポプラ社)等、小野かおるさんと『天女の里がえり』(岩波書店)等々・・・、日本絵本史を彩る絵本画家との名コンビにて多くの名作絵本・挿絵本を書かれて来られた絵本界のレジェンドです。そして君島久子先生との最新のコンビが私、後藤 仁という事になるのです。〕

 その後、根津美術館の「円山応挙」展を拝見。円山応挙は伊藤若冲、長谷川等伯と並んで、私が高校生の頃から最も尊崇する桃山時代~江戸時代の絵師です。近年は三者の人気が沸騰し、かつてはゆっくり鑑賞できた根津美術館でも今は人だかりでした。しかし、やはり応挙の筆使いは神妙で、国宝「雪松図屏風」重要文化財「藤花図屏風」「牡丹孔雀図」等の花鳥画の他、「西施浣紗図」「西王母龍虎図」等の美人画も絶品です。今ちょうど根津美術館の庭園は、秋の紅葉に彩られていました。

 その後、日本児童出版美術家連盟(童美連)の「第7回 著作権勉強会2016 ─ デジタル絵本での契約書体験談」を恐竜絵本作家・黒川みつひろ さんの講義で開催しました。絵本界の最先端の状況を詳しく知る事ができて良かったです。後はいつもの店で一杯・・・。お別れに黒川さんと固い握手をかわし、久しぶりの美術館鑑賞もできて充実した一日でした。

 

ちひろ美術館・東京

 

根津美術館 庭園

 

 

 その他にも、NHK文化センター(NHKカルチャー)、読売・日本テレビ文化センター(よみうりカルチャー)、コープみらいカルチャーの日本画・絵画講師や、日本児童出版美術家連盟(童美連)の理事会、著作権勉強会(月1回)、著作権部・事業部部会への参加等があり、その合間をぬって自己の作品制作を行っていくというのですから、今でも十分大変なのです。

 来年は更に、八王子の東京造形大学まで毎週1回、往復5時間余りの通勤時間をかけて絵本講義(講義時間は約3時間)に行かなければならない予定で、童美連の理事へのご推薦などという噂も流れており、某児童書出版社の新作絵本の本画制作、福音館書店「こどものとも」新作絵本制作の進展等も重なって多忙を極める事でしょう。日本画オリジナル作品の制作も大切です。しかし、他者に必要とされているという事実は誠に幸せな事でもあり、気合も入るというものです。一層気持ちを引き締めながらも、ただ一つ一つを丹念に粛々とこなしていくだけです。

 

 日本画家・絵本画家 後藤 仁 

 

          

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 「スリランカ写生旅行」15日目、2016年6月20日(月)。朝食は昨日の残りのドドル(スリランカ版ういろう)を食べて、7時頃に宿を出発。「ポロンナルワ博物館」でチケット(遺跡入場券 3550Rs)を買います。毎日来ているので、開館時間の7時30分の15分前位には入れてもらえるようになりました。昨日と同じ受付スタッフでしたが、昨日、私がおつりの過払い分を正直に返した事がうれしかったのか、「今日の夜8時から、ポロンナルワでペラヘラ祭がある・・・。」と熱心に説明してくれます。そう言えば、昨日の夜も宿の外が夜遅くまでうるさかったのですが、その前夜祭のような事をしていたのかも知れません。

 「ペラヘラ祭」はキャンディでエサラ月(7~8月)に開催されるものが世界的に有名で、仏歯入りの舎利容器を乗せたゾウと多くのダンサー・音楽隊が町を練り歩くという大規模な祭りです。今回のスリランカ訪問でもペラヘラ祭をぜひとも見たかったのですが、この期間は世界中から観光客が押し寄せて、キャンディの宿代も高くなり予約するのが大変だと言うので、今回は残念ながらあえて静かに取材できそうな観光シーズンぎりぎりの季節(コロンボの雨季の終盤)を選んだのです。キャンディ以外でも主要都市でペラヘラ祭があるとはガイドブック(地球の歩き方)に書いてありましたが、キャンディ以外は詳しく記載されておらず、ポロンナルワのペラヘラ祭は全く未チェックでした。「情けは人の為ならず」とも言いますが、正直な心がこのような、ペラヘラ祭との遭遇という奇跡をもたらしてくれたのです。当初、この日も早めに眠りにつく予定でしたから・・・。また、ダンブッラからアヌラーダプラに行かずに、ポロンナルワに行き先を変更したのも実にラッキーでした。やはり私は、旅先での直感力と強運を持っているのでしょうね。

 夜のペラヘラ祭を楽しみに、今日もポロンナルワの遺跡巡り(3日目)です。まずは、「ガル・ヴィハーラ」に行き巨大な座仏像(高さ4.6m)を1時間30分ばかりF4号スケッチブックに写生します。描いていると今日も周囲に人だかりができました。座仏像を描き終えると、一人のスリランカの女の子がきれいな蓮の献花を持っているので、10分位かけてSM号に描かせてもらいました。

 次に「ランカティラカ」という巨大仏像が残る遺跡周辺を散策し、「ランコトゥ・ヴィハーラ」の高さ55m・直径55mというポロンナルワ最大のダーガバ(仏塔)を拝見しました。この12世紀に建てられたという巨大なダーガバを、F4号に1時間30分程描いていると、ここでも時々人が見に来ます。描き終えて、先程から熱心に見ていた親子にスケッチブックを見せてやりますと、「うちの子も描いてくれ」と言うので、ポップな洋服の女の子をSM号に10分程描きました。Danuji という名の7歳の女の子だそうです。スリランカの田舎地方の一般庶民の方々は、お隣の国インド人とだいたい性格が似ていて、人懐っこくて、おおらかな性格の方が大部分です。ただインド人より幾分シャイな人が多いようです。

 その後、町の反対側(南)の地域にレンタル自転車で移動し、「石立像」 「ポトグル・ヴィハーラ」を見物して遺跡巡りを終えました。これでポロンナルワの主要遺跡は全て拝見した事になります。大回りして広大な田んぼを見ながら宿に戻る途中、用水路で泳ぎながら水浴びしている多くの男女が手を振ってくれました。美しくおおらかな南国の情景です。

 2時頃に遅めの昼食で、「Dineth レストラン」のカレー、ジュース、ヨーグルト(計330Rs)をいただきました。

 

 一旦宿に帰り、シャワーを浴びて、夜のペラヘラ祭に備えてしばしお休みです。夕食は6時頃に軽くパンとバナナを食べました。

 

ポロンナルワ 「ランコトゥ・ヴィハーラ」の巨大ダーガバ(仏塔) 

 

 夜8時前、いよいよポロンナルワの「ペラヘラ祭」見物に出かけます。行列は「クワドラングル」から始まって、町の中心部を練り歩くと言いますので、まずは「クワドラングル」に向かいます。道の両サイドはスリランカ人で一杯です。外国の観光客は欧米人が数人いる位で日本人・東アジア人等は全くいません。

 「クワドラングル」に到着。「ワタダーゲ」の中で何かやっているので、階段を上がろうとすると、白い服を着た催事関係者らしき人に呼び止められました。カメラがどうのこうのと言っているので、「カメラを預けろ」と言っているのかと思って渡そうとすると、違うようだ。どうやら「カメラが本物かどうか確かめるために自分を撮影してみろ・・・」と言っているらしい。カメラに爆弾でも仕込む輩がいるようなそぶりである。その男を撮影して液晶画面を見せてやると納得したようで、カメラに「Security check」と書いたシールを貼られました。中での写真撮影は問題無いと言っているようです。「何て警戒だ・・・」と思いながら「ワタダーゲ」に登ると、電飾を付けられたゾウがいて、古代王族衣装を着た男性と僧侶達が儀式らしきものを行っていました。厳かな雰囲気の儀式を大勢の人々が見守っています。今夜はポーヤ・デー(満月の祝日)の翌日、月が誠に美しいので、遺跡と儀式越しの月を撮影したら素敵だろうと思って、少し人混みから離れて静かに2~3枚撮影(フラッシュ無し)していました。すると、一人の白い服を着た係の男がスーッと寄って来て、トランシーバーで話しています。「やばいな・・・」と思った時には遅かったのです。別の上役らしき白服の男が現れ、「Get out. (出て行け)」と言われました。スリランカで2度目の「Get out」です。私はただ静かに写真を撮っていただけなのに何て殺生なのだろうと思いましたが、仕方ありません。この儀式はスリランカ人にとって、極めて重要な祭祀なのでしょうから・・・。上がって来た階段とは逆の暗闇の方向を指差され「あっちから失せろ」と言います。「そっちの階段から・・・」と言おうとすると、「あっちから行け」と打ち消されました。白服は目も合わせず完全に私を不審者扱いです。

 2004年の「インド旅行」の際は、私の個展に来ていただいた駐日インド大使から、『後藤 仁さんはインドをテーマに多くの作品を描いている日本画家です。友人である彼に、旅の途中で何かあった時には良くしてやって欲しい・・・。』と英文で書かれた大使公印入りの文章をいただいていたので、何かのトラブルの時に見せたら効果的だったのですが、今回はそのような滞在国の権威者の証明書もありません。「この暗闇はどこに続くんや・・・」と思いながら、仕方なしに数10m先の暗い林に向かって歩いて行きました。意外にも林の中では2~3頭のゾウに電飾衣装を着せている最中で、人もチラホラおりました。人の流れをたどって行くと、フェンスの切れ間から外に出れる場所がありましたので、そこから公園の外に出ると、また外周を回って「ワタダーゲ」に向かいました。ただし、さすがに私と言えど2度目は「ワタダーゲ」の中には入らずに、その手前で行進が始まるのを待ちました。

 

 1時間程待っているとようやく行進が始まりました。露払いのムチの鋭い音がピシーピシーと鳴らされ、古代衣装を着たダンサーや音楽隊や旗・灯明を持った幾多の人々が行進します。ダンス(伝統舞踊)には様々な種類があり見飽きません。私は無数の見物客の最前線でひたすら撮影していました。本当なら目に焼き付けてスケッチをしたい所ですが、行進はどんどん進むので、そのようなゆとりもありません。カメラ撮影が精一杯です。鳴らされる伝統楽器の音と、踊り手の熱気と、灯明の炎のゆらめきが幻想的で、古代にタイムスリップしたかのような錯覚に陥ります。人々の行進に混ざってゾウも時々行進して来るのですが、2時間近くたった頃、メインのゾウ3頭が横に並んで歩いて来ました。中央のゾウの背中には舎利容器が乗せられていて、ここポロンナルワでは確か仏歯ならぬ仏髪が納められていると言います。敬虔なスリランカの老若男女が手を合わせます。私も合掌します。

 長大な行進に酔いしれている内に時間がどんどん過ぎて行き、気が付くとすでに夜中の12時近くです。ようやくペラヘラ祭の行進も終わりのようです。行列の最後尾辺りに付いて行くと宿の方向に向かいます。町の中まで道の両側は見物客で一杯です。しかし、私がいた公園内が一番明るくて撮影にも最適でした。人をかき分けて前に進もうとするのですが、警察が移動を阻止していてなかなか進めません。人が一時期に移動する危険を防いでいるようなのですが、スリランカの一般人の胸を思い切り突き返し怒号を発する様子を見ると、「日本ではありえないな~」と思いました。ここスリランカでは日本以上に、警察権力が絶大のようです。

 人混みの中、時間をかけてようやく宿にたどり着くとちょうど夜中の12時でしたが、宿のオーナーは入口を開けて待っていてくれました。いいオーナーです。

 

ポロンナルワ 「ペラヘラ祭」 美しく情熱的なダンサー達

 

ポロンナルワ 「ペラヘラ祭」 仏髪を入れた舎利容器を乗せたゾウ

 

 今日は些少のトラブルもありましたが、それをはるかに上回る素晴らし過ぎる、夢の古代王朝絵巻を拝見できて誠に幸せでした。このような偉大な伝統文化と信仰が現代に生きているスリランカに、尊崇の念を抱かずにはおられません。そして、このペラヘラ祭を日本画で「絵巻物」か「絵本」に仕立てると、さぞ良い作品になるだろうと思いました。

 頭の中で古代音楽と舞踊が交錯し、興奮冷めやらぬ中、少しずつ良い眠りに落ちて行きました・・・・。  

 

 明日は、ポロンナルワ、シーギリヤと並んで有名なスリランカの世界遺産・アヌラーダプラに移動します。その様子はまた次回といたしましょう。

 

 日本画家・絵本画家 後藤 仁  

 

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 私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』 (君島久子 文、後藤 仁 絵/岩波書店)が、Internationale Jugendbibliothek München/International Youth Library Munich/ミュンヘン国際児童図書館「The White Ravens 2014/ザ・ホワイト・レイブンス 国際推薦児童図書目録2014」に選定されていた事が分かったので、私が一番信頼をおいている福音館書店の担当者に頼んで、カタログの現物をドイツのミュンヘン国際児童図書館から取り寄せていただきました。2年前のカタログなので無理かと思いましたが、本当に届いたのでうれしいですね。岩波書店の絵本担当者によると、推薦図書になった事を私に伝えたつもりでいたと言うのですが、ネット上で自ら発見するまで全く知りませんでした。やはり作者は自作の動向をきちんと知りたいものなのです。

 

 先日の日本児童出版美術家連盟(童美連)「太田大八さんをしのぶ会」で、黒井 健さんがおっしゃるには、『ハナミズキのみち』 (淺沼ミキ子 文、黒井 健 絵/金の星社)が同じく2014年度のThe White Ravensに選ばれていた事を、私のHPかブログで知られたとかで、黒井さんも出版社もその事実を知らなかったと言います。

 岩波書店では毎年、ミュンヘン国際児童図書館に「絵本」の寄贈をしているそうですが、それでは金の星社の「絵本」は誰が寄贈したのか・・・、不思議な話でした。黒井さんも「後藤君の記事で初めて知ったよ。ありがとう・・・。」とうれしそうにされていました。やはり、どんなにベテランになっても、自作の動向は知りたいものなのだと思います。今後とも、出版社の担当の方々には、お手数でも、作家へのまめなご連絡をお願いしたいものですね。

 

 画像は、送られて来た「ザ・ホワイト・レイブンス 国際推薦児童図書目録2014」カタログの現物と、私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』の紹介ページです。

 

 日本画家・絵本画家 後藤 仁

 

●ミュンヘン国際児童図書館 公式ホームページ 「国際推薦児童図書目録2014」 ─ 犬になった王子 チベットの民話

http://www.ijb.de/spezialbibliothek/white-ravens-2014/single/article/japanese-japan-3/163.html

 

 

ザ・ホワイト・レイブンス2014 カタログ

 

ザ・ホワイト・レイブンス2014 カタログ─ 絵本『犬になった王子 チベットの民話』ページ

 

 

 

犬になった王子――チベットの民話

犬になった王子――チベットの民話 (2013/11/16)

君島久子、後藤 仁

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 「スリランカ写生旅行」14日目、2016年6月19日(日)。今日はポーヤ・デー(満月の祝日)、特に6月はポソン月のポーヤ・デーと言って仏教伝来を記念した重要な祝日なのです。朝食はパンとバナナで済ませて、さっさと宿を出ます。7時過ぎに「ポロンナルワ博物館」に着くと、開館まで周囲の公園を歩きます。博物館で遺跡入場券(3550Rs)を買って外へ出ると、おつりが500Rs多いような気がします。戻って係員の男性に告げると、「何を言っているんだ、俺は間違っていないさ・・・。見てろよ。」といった様子で面倒くさそうに電卓を取り出すと計算し始めました。すると、やはり500Rs多かったのです。係員は少々ばつが悪そうに、お金を受け取りました。スリランカの人はどうなのか分かりませんが、多くのアジア圏では、多過ぎるおつりを返金するようなバカ正直者は少ないでしょうから、係員は日本人の正直さを少しは好意的に受け止めてくれたかも知れません。

 この日は人が少ない早朝に、ポロンナルワ遺跡群の一番北端に位置する「ティワンカ・ピリマゲ寺院(北院)」の壁画を見る予定です。途中、「シヴァ・デーワ―ラヤNo.2」(ヒンズー教寺院)や「パバル・ヴィハーラ」という小さなダーガバ(仏塔)に寄りながら、「ティワンカ・ピリマゲ寺院(北院)」に到着。結構大きな寺院建造物の内部に入ると、素晴らしい仏教壁画に覆われていました。壁画は13世紀のもので、インドの仏像表現に多く見られるトリバンガ(三屈法・三曲法)という身体を3つに折り曲げる表現が使用されています。明らかにインドのアジャンター壁画等の影響が見られますが、インド壁画の濃密でシリアスな描き方に対して、かなり素朴な味わいのある雰囲気に変化しています。内部は撮影禁止と書いてあるので、SM号のスケッチブックに天人デワターを写生しました。大きなミツバチが近寄って来たり、トクモンキー(サル)が荷物を盗みに来るのが少し気にはなりましたが、レベルの高い壁画の模写に集中しました。15分程描いていると、監視員の男性が近寄って来て絵をのぞき込み「いいね~」というジェスチャーをして、去って行きました。スケッチ後もしばらく壁画をよく観察し、納得いったところで遺跡を離れました。朝から素晴らしい壁画に出会えて気分が良いです。

 次に、「ハスの池」という蓮の花の形をした僧の沐浴場跡を見物。中国西安・華清池で昔見た楊貴妃の沐浴場に少し似ています。池の脇で地元の絵描きが絵を描いて売っていました。H.A.PRIYANTHAさんという絵描きらしく、私のスケッチブックを見せてやって「私も日本の絵描きです。」と言うと、チョウチョウを描いた小さな絵をプレゼントしてくれました。「本当にいいのですか。」と問うと、「いいのさ。」という仕草です。”絵”には、国境を越えて共感できるという大きな魅力があります。しかし、人のあまり来ない遺跡のはずれで観光客に絵を販売しても、そう簡単には売れないでしょうから、日本も海外でも絵描きは大変ですね・・・。

 遺跡中心部に戻る途中で「デマラ・マハー・サーヤ」という崩れかけた遺跡を拝見し、その上の小山に登って見ると、ポロンナルワの遺跡群がよく見渡せました。次に目指すは「クワドラングル」と並ぶポロンナルワの見どころ「ガル・ヴィハーラ」です。

 

 時刻も10時過ぎとなりポーヤ・デーという事もあり、「ガル・ヴィハーラ」辺りはかなりの人出です。多くの露店も出て大きな祭りの様相です。外国人ツアー観光客はこの日を避けているのか逆に全くいないのですが、スリランカ人の参拝客・観光客が目白押しです。真っ白のおそろいの服は、参拝用の正装でしょう。重要な遺跡群の入口では警察にチケットを確認されますが、スリランカ人は無料のようです。中国等のアジア各国の多くで廃止される傾向にある外国人価格という習慣が、ここスリランカでは残っていました。

 私も一通り参拝を済ませると、巨岩に登り、「ガル・ヴィハーラ」の巨大な仏像2体をF4号にスケッチしました。涅槃仏は全長14mもあります。その横の7mの立像は、ブッダともアーナンダとも言われているそうです。1時間余り描いていると、人が10数人集まって来て、私の周りを取り巻いてワイワイ言っています。描き終えると、最後まで見ていた熱心な親子に、「どう、あなたも描いてみましょうか。」と声をかけます。現地の人に突然「描かせて下さい。」と言っても大抵は警戒されるか、恥ずかしがって断られるだけです。良いタイミングを見計らって声をかけるというのが、私が旅で身に付けた人を描くテクニックです。

 数人の親は先を争って我が子を描いて欲しいと申し出ました。ここでは3人の可愛らしい女の子をそれぞれSM号に10分ずつ描きました。子供は長時間のポーズに飽きてしまいますから、素早く特徴をとらえます。描き終えると、お礼にあめ玉を一つ二つあげます。インド、インドネシア、カンボジア等のかなり経済的に貧しい地域では、よくチップ(現金)を要求されますが、現在のスリランカは順調に経済発展も進んでいるようで、私が回った範囲では著しく貧困な子供達には出会いませんでしたので、この旅行中にスケッチ代を求められる事はなかったです。10数年前のインド旅行までは、子供達の生活の足しになればと、スケッチしたら少額の現金を渡していたのですが、インドで現地の大人に「子供に現金を渡したら、タバコを買ったりと悪い事に使うので、できたら親や老人に渡して欲しい。」と言われた経験があり、土地土地の事情も考えて行動しないといけないのだと思うようになりました。

 遺跡内では靴を脱いでいるので、巨岩を降りる時に思いっきり岩の出っ張りを踏んでしまい、少しかかとを痛めてしまいました。その後、4~5日間程痛みがありましたので、はだしは注意しないといけませんね。

 次に、「キリ・ヴィハーラ」という大きくて真っ白なダーガバ(仏塔)、巨大な仏像がそびえ立つ「ランカティラカ」を見て、午後2時頃、取材を終えました。

 昼食は昨日と同じ「Dineth レストラン」で、カレーとジュース2本(計350Rs)を食べました。

 

ポロンナルワ 「ティワンカ・ピリマゲ寺院(北院)」

 

ポロンナルワ 「ガル・ヴィハーラ」

 

 シャワーを浴びて休憩して、夕食はパンと露店で買った大きなドドル(ココナッツミルク、米粉、黒蜜で作った、スリランカのスパイス入り ういろう)を食べました。ドドルはとても甘くてねっとりとしています。

 食料に虫(アリや黒虫)が付かないように、常々部屋の中では、ビニール袋に入れてつるしているのですが、パンを食べた後の袋をよく見てみると、小さな穴が2つあいていました。どうやら黒虫がかじった跡のようです。あの虫は空中につるしている食べ物でも感知するのです。これは防ぎようがないな・・・と思いつつも、ビニール袋を二重にして、なるべく早めに食べ終えるか、リュックサックの中にしまい込む位しか方法はありません。この日の夜も2匹程の中型黒虫と奮戦しました。この宿は安くてオーナーも比較的親切で良いのですが、この黒虫だけは辟易します。お願いですオーナー、大規模な害虫駆除をして下さい。ただ、害虫だと決めつけているのも、人間のエゴなのですが・・・。

 

 今日は、美しい天人像やスリランカの女の子もスケッチできて美人画家として満足しましたので、明日に備えて早めに眠りにつきました。明日は予期せず「ポロンナルワのペラヘラ祭」に遭遇する事になります。その模様は、また次回といたしましょう。

 

  日本画家・絵本画家 後藤 仁

 

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 巨星堕つ・・・後藤純男先生の訃報が入りました。  

 

 私の日本画の師である後藤純男先生は、近年、旭日小綬章をご受章されたり日本芸術院賞・恩賜賞をご受賞されたり、東京藝術大学名誉教授ご就任、流山市名誉市民第一号選定など、数々の栄誉を立て続けに受けられる反面、私は常々、もう最期が近いのではないかという予感がしておりました・・・。  

 私は東京藝術大学の卒業生の中では最も先生にお世話になった者の一人であり、現在、私は人物画を得意としてはいますが、制作への姿勢や絵画の本質的な部分では、最も後藤純男先生の後藤イズムというものを継承している者ではないかと自負しています。
   

 先生が体調を崩されて北海道のアトリエに引きこもられてから、ここ10年近くは全く交流を持てずに、そのままになってしまったのは誠に残念ですが、先生がお元気だった頃にアトリエに呼ばれたり、取材旅行に同伴したリ、作品をご講評していただいたりした経験を糧に、今後もますます制作に励んでいきたいと思っております。  

 近年、日本画や絵本界を牽引して来られた大御所の方々が次々にお亡くなりになり、私達、中堅所がさらに文化を継承・発展させていかなければならないのだという使命感が強くなっています。  

 

 先生は生前、「自分は120歳まで生きて、絵を描きたいのです。」とよくおっしゃられていましたが、86年の生涯で、精一杯、制作に情熱を燃やし尽くされた事と思います。先生との楽しい一時を思い出すと目頭が熱くなりますが、絵描きとして実に幸せな人生だったのではないかと確信しています。  

 

 先生・・・心からご冥福をお祈り申し上げます。   

 

  日本画家・絵本画家 後藤 仁

 

 

後藤純男先生と私

「後藤純男先生 退官記念展」(1996年10月7日、東京藝術大学資料館) 後藤純男先生と私

 

 

北海道新聞: 後藤純男さん死去 日本画家 上富良野に美術館 86歳

http://dd.hokkaido-np.co.jp/entertainment/culture/culture/1-0328383.html

 

朝日新聞: 日本画家の後藤純男さん死去 日本美術院同人 http://www.asahi.com/articles/ASJBL5VPJJBLUCLV012.html?ref=rss

 

毎日新聞: 訃報 後藤純男さん86歳=日本画家、東京芸大名誉教授

http://mainichi.jp/articles/20161019/k00/00m/060/043000c

 

日本経済新聞: 後藤純男氏が死去 日本画家 http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG19H0J_Z11C16A0CC0000/

 

産経新聞: 日本画家の後藤純男氏死去 86歳  http://www.sankei.com/life/news/161018/lif1610180028-n1.html

 

時事通信社: 後藤純男氏死去=日本画家、東京芸術大名誉教授 http://www.jiji.com/jc/article?k=2016101800749&g=soc

 

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 「スリランカ写生旅行」12日目、2016年6月17日(金)。スリランカの旅も半ばを過ぎました。早朝、パンとマンゴーを食べると、少々のチップを宿に残し、30分ほど歩いてバス停へ向かい6時30分発のバスに乗り込みました。ポロンナルワには8時30分頃到着(バス代 90Rs)。ガイドブック「地球の歩き方」を参考に、ここでの宿は「サムドラ・ゲストハウス」(一泊素泊まり1000Rs、4泊したので計4000Rs。ホットシャワー・トイレ・ファン付エアコンなし)にしました。この宿はレストランも併設しているので、昼食は宿に頼みました。食堂は小さな中庭に面しており、ゆったりと休める雰囲気です。チキンフライライス(400Rs)を食べました。
 今日はポロンナルワのメイン通りをぶらつこうと思います。メイン通りと言っても、小さな商店や露店が100mほど並んでいるだけの小さな町です。少し大きなスーパーがあったので、自分用の土産を探しました。ゾウの模様のサロン(腰巻き)が面白いので500Rsで購入。日本でサロンをはいて出歩くのは少し勇気がいりそうですが、家の中では使えるでしょう。
 ここで両替の為に銀行に入ろうとすると、入口を警護した警察が「目的は何だ」と言いますので、「マネー・イクスチェンジだ」と言うと中に入れました。銀行内ではライフル銃のような大きな鉄砲を持った警察2人が、ずっと私に目を光らせています。私は入口付近のカウンターで両替をしろと言われて手続きをしていたのですが(奥にある通常のカウンターには入れたくないようです)、その間中、2m先の正面に銃を持った警察が立っていて私を警戒していました。もし私が冗談でも変な行動をとったら、この銃で心臓を射貫かれるのかと想像したらゾッとしました。スリランカの治安は比較的良いように感じるのですが、よほど外国人を不安視しているのか、その警戒ぶりは日本人の私からすると異常に思えるほどでした。この先もおいおい後述しますが、何度も警察・警備員の警告を受ける事になるのですが、日本に帰る時まで、その意図は理解できませんでした・・・。
 そんな事がありながらも、のんびりとした町の様子を楽しみながら、宿に戻りました。夕食は宿に「カレー」と「カード(水牛ヨーグルト)」を頼みました(550Rs)。予約した時間より1時間以上遅れて用意ができましたが、なかなか立派で美味しい料理でした。ただ、時間が遅れると後の取材に支障が出る場合があるので、次からは外のレストランで食べる事にしました。明日は朝から本格的にポロンナルワの遺跡を取材せねばならず、今から気合が入っているのです。
 夜になり部屋で休んでいると、あの私の嫌いな黒く光る虫が出ました。「初日から出て来たな~」と嫌な予感がしましたが、この後もこの宿での黒虫との格闘が続く事になるのでした・・・。

スリランカ旅行「サムドラ・ゲストハウス」 カレー、カード(水牛ヨーグルト)(計550Rs) スリランカ・カレーは美味しくて、中庭の緑が心地良いです。


 「スリランカ写生旅行」13日目、2016年6月18日(土)。(ちなみに、6月18日は私の48歳の誕生日ですが、スリランカで誕生日を迎えるとは不思議な感じです。)今日から3日間、ポロンナルワの世界遺産巡りです。宿の一日200Rsのレンタルサイクル(貸自転車)を3日間借りました。
 宿で朝食のパンとバナナを食べていると、日本で見た事もないような巨大で肥えた黒虫(日本にはいない種類)が出現し、追いかけましたが逃げられました。7時前に宿を出発して、公園を散策し野良ウシを見ながら「ポロンナルワ博物館」のチケット売場が開くのを待ちます。もっと早朝から取材したいのですが、チケット売場が7時30分からしか開かないので仕方ありません。チケット(遺跡入場券)は一日3550Rsでしたが、その時のレートで多少変動します(25米ドルは固定価格)。
 まずは「宮殿跡」を拝見。石造りの巨大な宮殿の残骸が立っています。ここを縄張りとする犬がしきりに吠えて来るのは厄介でした。次に最も中心的な遺跡群「クワドラングル」に向かいます。ここには、「ワタダーゲ」「ハタダーゲ」「アタダーゲ」「トゥーパーラーマ」等の11もの重要な建造物が集まっています。中でも「ワタダーゲ」が最も魅力的な形態をしているので、ここに標的を定めるとF4号のスケッチブックに写生しました。この日も極めて暑い日でしたが、曲線の美しさをとらえるのに時間を要しながら2時間30分位描きました。今回の旅では一番時間がかかりました。スケッチをしているとスリランカの人々が集まって来て、絵を見ながらワイワイと言い合っています。私はこんな状態にも慣れており、どんなに人が集まって来ても平気です。次に、「ワタダーゲ」のムーンストーン(寺院入口の半円形の石板、ポロンナルワではゾウ・ウマ・トリの3種類の動物が彫られている)を、SM号に30分位スケッチしました。
 スリランカにおいては、寺院(寺院遺跡)内では帽子をとり靴を脱がないといけません(タイ王国等の東南アジア圏の上座部仏教寺院ではよくある規則です)。ブッダを崇める敬虔な心から発せられた大切な決まり事なのですが、熱中症対策の決め手である帽子が全く役に立たないのは絵描きにはきつい所です。寺院付近では帽子を被れないので、酷暑の中、自転車の移動時以外、ほぼ一日中帽子を脱いだままです。
 「ハタダーゲ(仏歯寺跡)」の内部で写真を撮っていると、派手な衣装をしたチャラチャラした若者がしきりに私に何か言いながら絡んで来ます。ややこしい若者だなと思っていたのですが、後で思い返すとどうやら「ハタダーゲ」は遺跡とはいえスリランカ人が最も崇める仏歯寺の跡地なので、内部は撮影禁止のようなのです。どこにもそんな注意書きは見当たらなかったので気付かなかったのですが、現地人には当然の事なのでしょう。あのチャラい若者も実は敬虔な仏教徒なのでしょうね。
 「クワドラングル」内を計5時間位観察した後、「シヴァ・デーワ―ラヤNo.1(ヒンズー教寺院)」「集会場・閣議場」「沐浴場」を巡ります。「沐浴場」の向こうの小川では、現代のスリランカ人が本当に水浴びしているのが面白いです。今でもアジア圏では、川でお風呂を済ませる人も多いのです。「沐浴場」でコブラの見世物をしている大道芸人がいるので写真を撮ったらチップを要求されましたが、これも彼らの立派な仕事なので快く渡しましょう。その後、「ポロンナルワ博物館」を見学し、博物館裏の「Island Park」の遺跡を回りました。

スリランカ旅行ポロンナルワ クワドラングル「ワタダーゲ」

スリランカ旅行「ワタダーゲ」のムーンストーン


 午後3時頃になり、かなり疲労し、お腹もすいて来ましたので、この辺りで今日の取材は終わりにしました。メイン通りの大衆食堂「Dineth レストラン」でカレー、ジュース、ヨーグルト(330Rs)を食べました。ここのカレーは安いですが、なかなか美味しいです。パン類も売っているので購入し、宿で一休み。夕食はさっきの食堂で買った、エラワル・ロティ(カレー風味の野菜をクレープ状のゴーダンバ・ロティで包んだ軽食)とパンとバナナで済ませました。明日はポーヤ・デーという満月を祝うスリランカの祝日なので人出も多そうです。この日の夜も中型の黒虫数匹と格闘し、暑さにうなされながらも早めに眠りにつきました。

スリランカ旅行「Dineth レストラン」 カレー、ジュース、ヨーグルト(330Rs) 安いですがとても美味しい大衆食堂です。


 この後、2日間はポロンナルワ遺跡探訪の続きですが、その様子は次回といたしましょう・・・。

  日本画家・絵本画家 後藤 仁
 
 


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 私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(君島久子 文、後藤 仁 絵/岩波書店)が、Internationale Jugendbibliothek München/International Youth Library Munich ミュンヘン国際児童図書館(ドイツ) 「The White Ravens 2014/国際推薦児童図書目録2014」に選定されました。

 絵本『犬になった王子(チベットの民話)』表紙絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)


ザ・ホワイト・レイブンス2014The White Ravens 2014 Catalogue ザ・ホワイト・レイブンス2014 カタログ

ザ・ホワイト・レイブンス2014The White Ravens 2014 logo ザ・ホワイト・レイブンス2014 ロゴ




●ミュンヘン国際児童図書館「国際推薦児童図書目録2014」 ─ 犬になった王子 チベットの民話
http://www.ijb.de/spezialbibliothek/white-ravens-2014/single/article/japanese-japan-3/163.html


ミュンヘン国際児童図書館「国際推薦児童図書目録2014」 全ページ
http://www.ijb.de/spezialbibliothek/white-ravens-2014.html

ミュンヘン国際児童図書館「The White Ravens – It’s time for a change !」
https://ijbib.wordpress.com/2014/04/03/new-white-ravens/

ミュンヘン国際児童図書館「Meet the IYL at the Bologna Children’s Book Fair 2015 !」
https://ijbib.wordpress.com/2015/03/10/iyl-white-ravens-2015/
 国際的な児童書見本市・ボローニャブックフェア Bologna Children’s Book Fair 2015 に、私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)も展示されました。(記事は2015年のものですが、画像は2014年のものが使われています。)

ミュンヘン国際児童図書館 公式ホームページ Internationale Jugendbibliothek München/International Youth Library Munich
http://www.ijb.de/home.html


○その他、「The White Ravens 2014」に関する記事を、インターネットからピックアップして3つ掲載しておきます。

The White Ravens Catalogue 2014
http://modersmal.skolverket.se/albanska/index.php/materiale-mesimore/393-the-white-ravens-catalogue-2014
White Ravens 2014
http://revistababar.com/wp/white-ravens-2014/
国立国会図書館 東京子ども図書館「ミュンヘン国際児童図書館第3回ホワイト・レイブンス・フェスティバル参加報告」
http://www.kodomo.go.jp/info/child/2014/2014-065.html


 誰も私に言ってくれないので気付かなかったのですが、いつの間にか私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)が、このような国際的な推薦児童図書に選ばれていました。
 「The White Ravens ザ・ホワイト・レイブンス(白いカラス/白いワタリガラス) 」には、「めったに見られないような優れた作品」の意が込められているそうです。
 世界初にして世界最大の児童図書館として有名なミュンヘン国際児童図書館において、毎年、世界中の数千冊の児童書から、20人の専門家によって、革新的で芸術性・文学性が極めて高い作品である事を基準に、50か国以上、30以上の言語の200タイトルが厳選されるそうです。
 2014年度は私の作画絵本の他、黒井 健さんの作画による『ハナミズキのみち』(金の星社)や俵 万智さんの短歌・文による『富士山うたごよみ』(福音館書店)等、2015年度は上橋菜穂子さんの『鹿の王』(角川書店)等が選ばれています(2014年度の日本の児童書は8冊のみ選定)。
 2014年「ザ・ホワイト・レイブンス」掲載作品は、10月のドイツのフランクフルト・ブックフェア(世界最大の書籍の見本市)にて発表され、選出された全200作品は、2015年4月のイタリアのボローニャ・ブックフェア(世界的な児童書専門の見本市)で展示されたという事です。
 絵本・児童書の本場であるヨーロッパの推薦児童図書に、拙作が選ばれたという事は誠に光栄でうれしい事です。日本ではいまだに、質の高いとは言えない崩しマンガ的な絵本が全盛ですが、ヨーロッパでは本格的な芸術性・絵画性を持った絵本でないと全く評価されないと言います。今後も芸術性・絵画性の高い「本物の絵本」を目指して、切磋琢磨していきたいと考えています。

  日本画家・絵本画家 後藤 仁



犬になった王子――チベットの民話犬になった王子――チベットの民話
(2013/11/16)
君島 久子

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  「スリランカ写生旅行」の10日目、2016年6月15日(水)。朝起きて朝食のパンを軽く食べると、少々のチップを置いて、宿を出ました。この小さなホテル「フラワー・イン」のおかみさんは親切で、部屋も素敵で、良い宿でした。
 遠くに見える朝焼けのシーギリヤ・ロックに別れを告げていると、野犬が足にからみついて来ます。シーギリヤ村へ向かう途中でバスがやって来ました。7時20分頃乗り込み、8時10分頃、ダンブッラに到着しました(バス代 40Rs)。
 ダンブッラのバスターミナルから歩いて行くと、巨大な野菜マーケットがあります。朝の市場は活気付いています。なじみの野菜や珍しい南国の果物等がトラックに積まれて行きます。更に500m程進むと、今日の宿「ヒーリー・ツーリスト・イン」に着きました。1泊2000Rsでしたが、2泊すると3600Rsにまけてくれました。部屋はホットシャワー・トイレ・ファン付で申し分ないです。
 宿で一息つくと、歩いて800m程の所にあるダンブッラ石窟寺院に向かいます。日本ではまだほとんど知られていませんが、ここには素晴らしい壁画があるというので、楽しみにしていました。寺院の入口に超巨大な金色の大仏(ゴールデン・ブッダ)が鎮座しています。最新のガイドブック「地球の歩き方」では遺跡入場料1500Rsと書いてありましたが、現在は無料になっていましたので、そのまま石窟寺院まで階段を登ります。階段の途中に、たくさんのトクモンキー(頭がカッパのようなサル)の親子が群れていました。
 ユネスコの世界文化遺産にも登録されている石窟寺院は、私の想像以上に大規模で素晴らしい壁画群に覆われていました。第1窟から第5窟まであり、時代と規模がそれぞれ異なっているので、窟ごとに少しずつ違った雰囲気を味わえます。内部には多数の仏像が安置され、壁面にはびっしりと仏画が描かれています。ジャータカ物語(釈迦前世譚)やスリランカの歴史譚が主なテーマのようです。私が今まで見たアジアの壁画の中では、2004年のインド取材旅行でアジャンター石窟寺院に訪れましたが、その完璧なる美の極致「蓮華手菩薩像」等の崇高な壁画群に次ぐ規模と品質です。(私は残念ながら、いまだに中国の敦煌莫高窟を見れていません。近い将来必ず訪れようと考えています。)インドの壁画の影響を濃厚に受けているようで、かなりの類似点が認められますが、スリランカの仏像表現はずっと素朴で柔和な表情をしています。
 あまりに素晴らしい壁画群に目を奪われて、息も継がずに何時間も見とれていました。この日はとりあえず、目でよく観察して写真だけ撮って、明日本格的にスケッチする事にしました。
 
 遅めの昼食は、「SUNRAY INN RESTAURANT」のカレービュッフェ(600Rs)とトニックジュース(100Rs)を取りました。スリランカカレーはとても美味しいので、何度もおかわりしました。
 シャワーを浴びて、夕食は軽く、野菜マーケットの近くの出店で買ったグァバとパンをいただきました。食べる前に、グァバとマンゴーをSM号スケッチブックに軽くスケッチ。宿の廊下が賑やかなので部屋を出てみると、宿の子供が親と遊んでいました。シビル・ウェッタシンハさんの絵本を何冊か見せてやると喜んでいます。そこで、その5歳位の男の子、ONEL君をモデルにSM号に一枚描きました。
 夜、腕を見ると両ひじの内側10㎝四方 位に、気持ち悪い発疹ができていました。多分、石窟寺院内のコウモリの糞尿か何かのウイルス辺りが原因ではないかと思うのですが、ごく小さい多数のブツブツができて、そのブツブツのてっぺんが全て黒色になっています。日本でこんな発疹が出た事は一度もないのです。海外旅行では謎の病変が出る事がしばしばあるのですが、この症状は初めてです。多少痛かゆいのですが、それ以外は何ともないので、オロナイン軟膏を付けて様子を見ました。その後もなかなか治らず、日本に帰ってからもしばらく跡が残っていました(全治、約3週間)。

スリランカ旅行ダンブッラ石窟寺院 第2窟「マハー・ラージャ・ヴィハーラ」


スリランカ旅行「SUNRAY INN RESTAURANT」 カレービュッフェ(600Rs)、トニックジュース(100Rs)。 ビュッフェスタイルなのでカレーのおかわり自由です。美味しいので、何度もおかわりしました。

 旅行11日目、2016年6月16日(木)。早朝、パンとマンゴーを食べると、6時前にダンブッラ石窟寺院に向かいました。6時には寺院は開いていました。早朝は観光客もいませんので、壁画を改めて丹念に観察します。まずは、ダンブッラ石窟寺院 第3窟「マハー・アルト・ヴィハーラ」の9mの寝仏を、F4号に1時間30分余り写生しました。次に、第2窟「マハー・ラージャ・ヴィハーラ」で、仏塔・仏像・壁画群をF4号に2時間程描きました。最後に、第1窟「デーワ・ラージャ・ヴィハーラ」で14mの巨大寝仏を、SM号に1時間程描きました。スリランカのブッダの足の裏は真っ赤に塗られていて独特です。
 石窟寺院を出ると、入口のゴールデン・ブッダ(黄金大仏)に併設された大仏博物館(200Rs)を見学。結構な疲労を感じて、午後1時頃には宿に戻り、宿の近くの「SUNRAY HOTEL&EXECUTIVES PUB」で昼食を取りました。チキンフライライス(400Rs)、カード(水牛ヨーグルト)(200Rs)、クリームソーダ(100Rs)にサービス料を足して計770Rsです。カードとハニー(Treacle トリックルというヤシ蜜)がなかったようで、わざわざ外まで調達に行ってくれたようです。この辺り、スリランカ人は商売熱心でもあり、親切でもあります。
 素晴らしい壁画を拝見しスケッチでき大満足の私は、夕食のパンを頬張ると、明日の移動に備えて早めに眠りにつきました。

スリランカ旅行ダンブッラ石窟寺院 第1窟「デーワ・ラージャ・ヴィハーラ」 14mの巨大寝仏

 明日は、ポロンナルワに移動します。当初はダンブッラからアヌラーダプラに向かい、その後、ポロンナルワに行く計画を立てていました。しかし、ダンブッラでガイドブックを丁寧に見直していると、最初にポロンナルワを回ってからアヌラーダプラに行った方が、ポロンナルワでの駅までの遠さやコロンボまでの電車本数・移動時間を考えると断然便利な事が判明したのです。この突然の計画変更は、後日、ポロンナルワでの「ペラヘラ祭」との遭遇という奇跡を演出する事となり、私の旅先での強運を示す事になりました。一人での自由旅行には、このように自由にルート・日程変更ができるという利点もあります。
 この続きはまた次回といたしましょう・・・。

  日本画家・絵本画家 後藤 仁


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