メロメロパーク
2010年10月04日(月)

小説 猫と女 第四話

テーマ:小説 猫と女
前回までのあらすじ。

猫を探しに突然女がやって来た。
いきなり僕の部屋に上がり込む女。
冷笑を浮かべ、僕を見下す視線。
しかし、そんな視線に言いようの無い心地よさを感じる僕。
この女は、はたして暴力的なビデオに出演していた女なのか。
僕は女を、女として意識し始めていた。



猫と女 第一話

猫と女 第二話

猫と女 第三話


新見美和は僕の上にまたがり、僕のものを飲み込んだ。
始めてそうなったとき、僕はそれだけで果ててしまった。
そのとき、新見美和は僕のことを蔑むことも無く、優しく抱きしめてくれた。
これで何回目なのか。
新見美和は当たり前のように僕の部屋にやって来て、僕と体を重ね、冷蔵庫を開けて何かを食べて、帰って行く。
時には食べ物と酒を携えてやってくるときもあった。

猫は何度も僕の部屋に戻って来ては、新見美和が連れ帰り、そしてまた戻って来た。

その度に僕は、新見美和に弄ばれる。

いや、僕は快楽に恍惚とし、新見美和が現れるのを心待ちにするようになっていた。
猫のおかげなのか?僕は心から猫に感謝していた。
新見美和の行為は、いたってノーマルだった。
すべての行為が新見主導で行われる以外は。

それはキスから始まり、全身を愛撫される。そして一つになる。
僕はただじっとしているだけだった。
新見がアダルトビデオに出演していたという疑惑は、もう抱いていなかった。
しかし、僕はあることを期待していた。
新見美和に、痛めつけられながら、果てることを。

その日。僕が帰ってくると新見美和は既に部屋にいた。猫を抱いて何か話しかけているようだった。
キッチンにはスーパーの買い物袋が二つ置いてあった。

僕は美和の様子が何か少しおかしいと思った。
よく見ると、

美和は、猫に話しかけながら、泣いていた。

「ねえ、知ってる?」

「何ですか、美和さん?」

僕はいつだってこうだ。彼女を呼び捨てになどできなかった。いつもさん付け。
ほんとうに、情けなくなってしまう。しかし、それが心地よかった。
彼女は涙を隠そうともせず、頬に伝うがままにして、僕の方をみてこう言った。

「猫って………」

猫は美和に頭を撫でられ、ぐるぐると喉を鳴らしている。
その音が、僕にもはっきりと聞こえた。

「自分が死ぬ姿を人に見られたくないのよ」

「え?」

「だってそうでしょう?死ぬときは猫だって人間だってひとりなの。そのことを猫はちゃんとわかってる」

「………」

「だからジュン。この子が年老いて、その時が来たら決して家にとどめて置かないでね。ちゃんと外に出してあげて」

「それは僕じゃなくて、美和さんがそうしてあげればいいじゃないですか。美和さんの猫なんだし」


美和は悲しげに笑い、僕の元にやって来て唇を重ねた。
僕は母親に手を引かれる子供のようにベットに導かれ、

服を脱ぎ、
下着を脱ぎ。
それから。

いつもなら、そのまま僕の上にまたがる美和が、その日は先にベットに入った。
僕はどうして良いかわからなかった。
美和が手を差し伸べる。
僕は美和の隣に体を入れてキスをした。
僕が体を重ねると、美和は何処に隠していたのか、スカーフをとり出した。
僕ははっとし、鼓動が倍の早さに跳ね上がるのを感じた。
体全部の血が、下半身に一瞬にして集まってしまったかのような。
ついに、美和は本性を現したのだ、と僕は思った。

僕は心の中で歓喜した。

このスカーフで僕を縛るつもりに違いない。

僕が望んでいたこと。

新見美和に、あのビデオのように痛めつけられることを。

しかし、それは叶わなかった。

美和の濡れた唇から出た言葉は、僕の想像を超えるものだった。



「ジュン」


「………」




「わたしを縛って」


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2009年11月11日(水)

小説 猫と女 第三話

テーマ:小説 猫と女

前回までのあらすじ



寂しい僕と、

はぐれ猫との生活。

ある日猫は、女を連れてきた。

酷薄は冷笑を浮かべ、女は猫を連れ帰る。

女は淫猥なビデオに出演しているのか。

「僕」はレンタルビデオ店で、女に瓜二つの女優を眼にする。





猫と女 第一話


猫と女 第二話



僕は女が出演しているビデオを、ひとつ借りてきてプレーヤーで再生した。


残虐なシーンの連続だった。


女は男につばを吐き、殴り、陵辱した。


下品な言葉で、男を徹底的に罵っているのだが、なんと男は恍惚とした表情で、うめき声を上げていた。


僕は、アダルトビデオの本来の使用目的を達成することは出来ずに、DVDをプレーヤーから取り出した。



とんでもない女だ、あれは。


僕は戦慄した。


もちろん演技であると、考えられないこともないが、女の冷淡な表情からは、とても演技とは思えない真に迫った迫力があった。


「嫌だな、こんな目に遭うのは」


僕は苦笑して、レンタルDVDを返却用の袋に放り込み、立ち上がった。


こんな変態じみたビデオなど、一刻も早く返却してしまいたかった。



上着を着込み、玄関に向おうとしているとき、チャイムが鳴った。


新聞屋の集金か。


そう思い、無造作に玄関を開けると、僕は飛び上がるほど驚いてしまった。


なんと、


女が、片側の口角を僅かに上げ、冷笑していた。


「猫、ここに戻ってなくて?」


「……」


僕が唖然としていると、女は首を伸ばし、部屋の中を眺め回した。


「あっ」


僕は思わず声を上げてしまった。


女の目が、DVDの収められた袋に向いたからだ。


女は僕を押しのけるようにして、さらに体を半分、無理矢理玄関にねじ込んできた。


女の胸が、僕の腕に触れた。


「猫、戻ってきたの?」


すぐ目の前に、女の顔があった。


呼気が顔を打つ。


成熟した女の香りなのだろうか。


甘い匂いがした。


「いいえ、戻ってませんよ」


「ほんとうなの?」


「ええ」


「なら、あがって探しても、よくて?」


「あああ、いや、それは……」


僕がうろたえると、女は僕を押しのけ、靴を脱いで、部屋に上がってしまった。


「ななな、何するんですかあ」


女はトイレやクローゼットを開け放ち、猫の存在を確認して廻る。


僕は、あっけにとられたが、とっさに女を追いこし、汚れた下着などが放置してある籠を取り上げ、女の目に晒されるのを防いだ。


女の視線の先を、追う。


女の視線が、一箇所で凝固した。


洗濯物よりも、それを、片付けるべきだった。


僕は、頭から血の気が引いてゆくのを感じた。


女は僕の変化に気付いたのだろう。


冷淡に笑い、DVDの袋をつまみ上げ、ゆっくりと開いた。


ビデオには題名と、出演女優の名前が記されている。


今度は、僕の方が、女の驚く表情を観察する番だった。


「あなた、こんなもの観ながら、大事な青春期を、無駄に過ごしているわけね?」


予想と反して、女はなんの反応も示さず、平然と言ってのけた。


女の蔑んだような視線が、僕を射貫く。


たまらなかった。


「あの、このビデオの……」


女は、僕が言わんとする言葉を遮り、何か嫌なものでも見るかのような視線でこういった。


「変態ね。こんなものを見ているなんて。あんたそういう趣味なわけ?」


ビデオのタイトルは、内容を容易に想像できるものだった。


「ち、違いますよ!」


女の顔が近づいてくる。


眼は半眼で、軽く開いた口から白い歯が覗いていた。


さらに顔が接近し、唇をすぼめ、目が閉じられた。


「ちょっ、あっ……」


背中に無数の芋虫が、ぞろぞろと這い上がるような感覚。


これは、快感、なのか?


鼻と鼻が触れあうくらいに接近すると、女はいきなり目を開き、声を上げて笑った。


「馬鹿ね。からかってみただけよ。童貞君」


僕は顔を赤らめ、顔を伏せた。


視線の先に、むき出しの、女の大腿部が見えて、視線を女の顔へ戻す。



「猫が戻ったら、連絡してくれるかしら?」


女は、名前と携帯の番号だけ書かれた名刺を僕に渡した。


当然といえば、当然なのか。


DVDに記されている、女優の名前とは、違っていた。


「新見美和、さん?」


「そうよ、よろしくね。あなたの名前、まだ聞いてなかったわね」


「長倉、です」


「下の名前は?」


「純一」





女はその後、すぐに帰った。


ビデオの中の女は、この新見美和と名乗る女ではなかったのか?


世の中、似たような顔の女がいても、不思議はないだろう。


しかし。


僕は、放心したまま、新見美和の微かな残り香に、陶然とし、身動きが出来なかった。


やっぱり、別人だよな。


僕は自嘲しながら家を出た。


DVDを返却するために。




そして。


二日後、猫が戻ってきた。




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2009年05月19日(火)

小説 猫と女 第二話

テーマ:小説 猫と女

 前回までのあらすじ

 ある日突然、「僕」の前に現れた野良猫。
 僕の飼い猫となったが、ある日突然いなくなってしまった。
 そして。
 猫のような女を連れて、戻ってきた。
 ひどく傲慢で、ちょっと***な女。

 「僕」と女と猫の物語。
 


 猫と女第一話はここから



小説ミラーサイト 微かな戦慄~愛憎、死、そして…




 女が猫を連れ去った後、しばらくは寂しくもあったが、二週間もすると、猫のいない生活が普通となった。

 
 しかし、あのときの、猫のような女が時々脳裏によみがえり、下半身が疼いた。



 細く涼しげな目元。


 人を見下したような視線。

 
 口元に浮かび上がる冷笑。


 やせた長身に似合わないほど大きく張り出した胸元。
 


 あの女はどこに住んでいるのだろうか?

 
猫が歩いて戻ってくるくらいの距離にいるのは確かだった。


僕の家の周りには、アパートやマンション、それに一戸建ての分譲地が延々と続いている。そんな地域だった。




 僕は暇を見つけては、近所を散策した。


 あの女が、不意に目の前に現れることを、期待しながら。
 



 僕はあるとき、あの女の夢を見た。


 女は全裸で僕の前に立っている。真っ赤な舌が出てきて、一度上唇を舐めた。


 顔が近づいてきて、吐息が頬にかかり、僕は身震いした。


 口元が笑っている。



 ついには唇が重なった。


 頭の先に、鋭い快感が突き抜けたところで目覚めた。
 


 夢から覚めた後、僕はあの女に一度会ってるのかもしれないと思えてならなかった。



 僕の妙な妄想は、その後まもなく明らかになった。
 


 レンタルビデオ屋へ行き、アダルトビデオを物色しているとき、あの女がいた。
 



 いや、別人なのか?
  

 旧作コーナーの棚。
 
 アブノーマル作品と書かれた札が棚にかかっている。


 その棚の中で女は冷笑していた。


 ひとつ手にとって見てみると、あのときの女より少し若いようだった。


 この女の作品だけで、棚のひとつが占領されていた。
 

 そして、手に取ったその作品は、すでに鑑賞済みだった。





日々を生きる。~妻よ。おまえはいったい何を望んでいるのか。

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