湿度が低く雑木林を渡る初夏の風も心地よいある日の午後。
本日は何もしないと決めていたので、程々のデッキでうとうとするのが至福の時。
デッキの梁にはロープに結わえた純製品を思わせるハンモックフックが常設してあるので、対角線上にメキシカンハンモックをつり下げれば至福の時への準備は万端。
不思議とこの状況にピッタリくる野田知佑氏のカヌーエッセイと昔のバイク雑誌を持ち込み、手に届く位置に置いた正にこの様な状況にふさわしいプレモルとグラス。
メッシュ状に編まれた二人用のビッグサイズなメキシカンハンモックは風を遮る事無く、全てを優しく包み込み、大脳皮質は静かにそしてゆっくりとその活動を停止していくのであった。
何もしないある日の午後はキッカリ日没数分前、凶暴化し集団となって襲ってくるヒトスジシマカによって終焉を迎え、かわいた喉に気の抜けたプレモルを流し込む、穏やかな初夏の夕暮れ。