2006-07-19 08:03:40

「俺は旗を振りたい」

テーマ:田原直「裏パラシューター」

細野豪志自費出版本「パラシューター」に収めきれなかった裏話を
ボケナス秘書が綴る禁断のページ!

五年間の沈黙を破り、堂々の再開。

(大学時代編)


非常に中身の濃い浪人時代を過ごした後、
細野は京都大学、私は、拓殖大学へ進学した。
 
大学時代は気ままである。
彼女と別れた、くっついたで、いちいち連絡をしたり、
金に余裕ができたときは互いの住処を訪れたり、といった生活であった。
この頃の細野のイロイロな話は私がもっともよく知っており、
この部分では細野は、私に頭が上がらないはずである。

 

そして大学3年の11月の事、細野から電話があり
「東京を案内してくれ」
という。
私は、ちょうど今のカミさんと付き合い始めたばかりで、
さすがに迷ったが、
一日はデートに出かけ、その他の日は細野に付き合う事にした。
 

最高裁判所、国会、そして松下政経塾。
私には何の興味もないところばかりであったが、仕方なく付き合った。
そしてその夜、久しぶりに細野と一杯やりながら話をした。
 

「俺は政治をやってみたくなってきた」
こんな調子で切り出してきた。
 

「弁護士じゃないのか?」
それまで司法試験を受ける、受けないと
迷っていたようだったので聞いてみた。
「政治って、表舞台でやるのか、
それとも裏で政策を作ったりしてやるのか?」
と聞くと
「俺は旗を振りたい」
と答える。
 

私は、浪人時代のことを思い出した。
そういえば、当時は、
何かと言うと5人の住人のまとめ役のような存在であった。
しかしそれはたった5人というきわめて限られた中での話であり、
日本という大きな社会の中では、
「旗を振る」といってもおよそ現実的な話には思えなかった。
 

またまた何か言い出した。
しかし、
この男の能力は日本と言う舞台でこそ花開くのかもしれない。
ただ賢いだけではない。
デジタル化された社会に、
人間臭さがぷんぷんする、
細野豪志のようなやつが必要なのではないかと思った。
 

私は、
「やってみたら?旗でも何でも振ってみろよ!」
と無責任に言ってみた。
今自分がやっている事を考えると笑ってしまうような話である。


(つづく)

2006-07-16 18:39:43

「とばっちり」そにょ2

テーマ:田原直「裏パラシューター」

細野豪志自費出版本「パラシューター」に収めきれなかった裏話を
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五年間の沈黙を破り、堂々の再開。

(名古屋浪人時代編)

 

受験勉強もいよいよ追い込みの時期になり、
それぞれが集中して勉強に励む中、私は一人、悩んでいた。
 
私の部屋のちょうど真下は大家がくつろぐ部屋で、
そこにはテレビもある。
折しもそのころはプロ野球のペナントレースが大詰めを向かえ、
当然中日ドラゴンズファンである私は
毎日下から聞こえる中日の実況中継が気になり、
勉強に身が入らない毎日が続いていた。
 
ある日、
銭湯の風呂に入りながら細野にこのことを相談すると、
「いきなり言っても角が立つので、
今度家賃を払いに行ったとき、
合わせてその話をしてみてはどうか?」
という。
 
其の通りにした。
それが最後の家賃となるとも知らずに。
 
はじめは、大家の奥さんが出てきた。
家賃を払い終わり、さて本題、とばかりに切り出した。
「すみません、最近中日の中継があって、
私の部屋ではかなり聞こえます。
もう少しだけボリュームを下げていただけないでしょうか?」
 
奥さんは承知してくれ、これで事なきを得たと思っていた。
その場に一緒にいた細野も「良かったな」と喜んでいた。
 
しかし、数分後事態は急転した。
ものすごい音で階段を上がる音がした。
次の瞬間大家が私の部屋に怒鳴り込んできた。

 

「お前、部屋を借りている分際で何を生意気なことを言うか!」
「大体お前達は今まで前例のないことをよくやる」
「音を小さくしろなどと言ってきたやつははじめてだ」

 

などとまくし立ててきた。
私は争い事が好きではないので穏便に済まそうと思い、
「ただ、できることなら小さくしてほしいと言っただけで、
無理ならばそのままで結構です」
と訴えた。
しかし大家は怒りが収まらないらしく執拗にまくし立てていた。
 
そのとき、隣の部屋の戸が「ガラッ」と鋭く開く音がした。
私は「やばい、出てきた」と思った。
ドカドカと足音がして細野がやってきた。
 
そして私を見るより先に大家に向かって怒鳴り散らした。
「受験生がこんな時期に野球を気にしながら勉強なんかできるか!」
当事者の私はそっちのけで大家とやりあっている。
そしてついに大家が「出て行け!」と言う。
 
「おお、出てってやる!」
 
仕方がなく私も言った。
「俺も出て行く」
 
・・・果たしてどちらがとばっちりを食ったのだろう。
結局我々はその夜名古屋のまちへ出て行った。
二人でふらふらさまよいながら、
顔を見合わせ、なぜか笑ってしまった。
 
我々の名古屋での浪人生活は
こうしてあっけなく終わった。
2006-07-15 07:38:27

「とばっちり」そにょ1

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細野豪志自費出版本「パラシューター」に収めきれなかった裏話を
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五年間の沈黙を破り、堂々の再開。

(名古屋浪人時代編)


人間同じ釜の飯を半年も一緒に食べていると

いろいろなことが分かってくる。
あるとき腹が減った我々は、

近くのコンビニへカップめんを買いに出かけた。

 

店内に入るや否や異様な雰囲気を悟った。
店内では、若い男が4人ほどで何か言い争っていた。
一人のひ弱そうな男が、他の3人にいちゃもんをつけられ、
一方的にやられているような状況に見えた。
私は見て見ぬ振りをしてやり過ごそうとした。
わざと視線をはずし、

回り込んでカップめんコーナーにたどり着いたとき、
後ろにいたはずの細野がいなかった。

 

いやな予感。

 
案の定細野はその争いの中にいた。
「1対3とはひどいじゃないか」
細野は言っている。
始めてみる赤の他人である。
しかもどうしてその男が責められているかも分からず、
ましてや、助けを求められたわけでもないのに、

なぜか加勢していた。

 
こうなれば仕方がない。
できれば関わりたくはないが、私も近寄って行った。

結局その場は、私の突然の加勢があったため、

敵方はひるんで去っていったが、
普通見過ごすような事も、細野には見過ごせなかったらしい。

 
しかしこんな事はただの序曲に過ぎなかった。

 

(つづく)

2006-07-13 08:05:46

パンツの行方

テーマ:田原直「裏パラシューター」

細野豪志自費出版本「パラシューター」に収めきれなかった裏話を
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五年間の沈黙を破り、堂々の再開。


我々の下宿には5人が生活していた。
貧乏度ランキングでいうと、私と細野が常に1位2位を争い、
他の3人はずっと離れた、

むしろブルジョワランキング争いか、という様子であった。

最近テレビでよくやる番組に

“節約○○術”とか“ドケチ○○術”というのがある。

正直、大して驚かない。
貧乏度ランキング上位の私と細野は、如何にしてケチるか、

ということを常に考え受験勉強をしていた。

あるとき細野が相談を持ちかけてきた。

「お前何枚パンツ持ってる?」

細野が何か企んでいる時、目を一瞬広げてから話し掛けてくる

という癖を既に見切っていた私は警戒しながらも

「3枚だ」

と答えた。
「家からパンツ送ってきた。2枚売ってやろうか?一枚200円でどうだ?」

と持ちかけてきた。
予想通りだ。決してくれるわけではない。

しかし、多くても週に1回しか洗濯のできない我々には

、3枚のパンツでは裏表ではいても1週間もたないのである。

しかも2枚セットでないと売らない、という。
「さすが近江商人」と感心しながら、

まんまと大枚400円を出して買ってしまった。

しかし、勝利の女神は私に微笑みかけてきた。

我々の使っていたコインランドリーには

1回300円の小さい洗濯機と1回500円の少し大きい洗濯機があった。
他の3人は当然1回300円の洗濯機でそれぞれ洗濯していたが、

私と細野は共同で大きい方を使っていた。
50円得なのである。

お互い1週間目いっぱい洗濯物をためて、

少し大きいとはいえ最後に無理やり押し込み、
果たして回っているのかいないのか疑わしい状態であるが、

確かに湿っているということを確認して洗濯が終了したと言い聞かせていた。
いつもの様に洗濯を終え、干しているとき細野が言った。

「これはどっちのパンツだ?」
細野の母親が買って送ってきたパンツはどれも似たような柄のもので、

名前でも書かない限り見分けがつかないのである。

ここぞとばかりに

「それはこの間買ったやつだ」

と言い張った。

それ以来、私はちょくちょく細野のパンツを自分のものだと言い張り、

物にしてきた。他にも、貧乏話はいくらでもある。

特に食い物に関してはお互いすさまじい執念を燃やし、

激突したこともあったが、

これ以上国会議員の品格を落としてもいけないのでこのくらいにしておこう。


(続く)

2006-07-08 07:52:59

「でかい靴」そにょ2

テーマ:田原直「裏パラシューター」

「そんなにひどいのか?」

 私の不安は募るばかり、意を決して中に入った。母親は何かを指差し固まっていた。そこには見るものを圧倒する程の存在感の巨大な「靴」があった。


でかい。


 どんなやつがこれほど大きな靴をはくのだろう?そんなことを思いながら荷物を運び込んだ。
 数分後、すぐにあの靴の持ち主と分かる大男が現れた。先に靴を見てしまっていたので、私の中では、毛むくじゃらの雪男のような人間を想像していたが、意外とすっきりとした顔立ちの男だった。
 コーヒーカップを片手に、関西弁で話し掛けてきた。

「ちょっといいか?」
 名前を聞くと“ほそのごうし”という。「ごうし???」
変わった名前だ。確かに名は体を現しているようだった。
 この日しばらく話し込んだ。しばらくして私が一つ年上であることがわかると、それ以来、今も続いているが、変な敬語で話し掛けてくるようになった。


 こうして私は細野豪志に逢った。


 逢ってしまったというべきか?とにかくこの男はこれより後私の人生の節目に、必ず現れ、とんでもない影響を与えていくことになる・・・。


(続く)

2006-07-07 21:05:56

「でかい靴」そにょ1

テーマ:田原直「裏パラシューター」

細野豪志自費出版本「パラシューター」に収めきれなかった裏話を
ボケナス秘書が綴る禁断のページ!

五年間の沈黙を破り、堂々の再開。



 私は、細野豪志の秘書となった。

 話は十数年前にさかのぼる。
 愛知県北設楽郡豊根村という、隣の家まで数キロ離れた山村の家で生まれ育った私は、都会での生活に憧れ、どこでも良いので東京の大学へ進学を希望した。育った環境からか、じっとして本を読んだり、ましてや勉強することが大嫌いだった私には、大学受験の現実は大変厳しいものだった。2度の受験に失敗し、3度目の受験。恥を忍んでの挑戦であった。


 名古屋の予備校に通い、これ以上親に負担はかけられないという思いから、とにかく家賃の安い下宿に入ることにした。予備校で下宿の斡旋があり、その中から群を抜いて安い下宿があった。 5部屋あるという。すでに一人決まっているので残り4部屋の中からの選択。唯一この下宿の中で窓のある部屋はすでに取られていた。後はどこでもよかった。


 そして翌日、荷物を運び込むため母親と共に下宿にやってきた。正直不安になるくらいぼろぼろの家である。母親の手前見栄をはって

「なかなか良さそうな所じゃないか」

などと、心にもないことを言いながら、人一人がやっと入れる大きさの玄関を開けて中に入った。先に母親が入った。

「うわー」

という叫び声が聞こえた。


なかなか胆の据わったあの母親が叫んでいる。

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