―授業後―


「おい、全員に回ったか?」

「うん、みんな書いたよ~、あ、北見さん以外w」

「ああ、あいつはロボットだから除外でいいw」

「ひどーいw」




桃川「……えっ……」

坂木「どうしたんだい…桃川君」

桃川「あいつがロボットだって……広まっていたのか……!?」

坂木「まさか、それは君と僕だけの秘密だよ……ヌフフ…」

桃川「でも今…ロボットって……!」

坂木「例えで言っているだけだよ…、あ、僕らがの声が北見に聞こえるかも知れないよ……」

桃川「ッハ!」



桃川(チラッ



北見「……………」



桃川(ふう……いつも通りだ……というか一ミリも動いていない……瞬きすらしてない……というかあいつは瞬きをするのだろうか……一回も目が合った事がないし……やつは何を考えてるんだろう……)


桃川「…もし…あいつに…俺らが北見の正体を知ってると知ったら…どうなるんだ……?」
坂木「一瞬で存在を消されるよ…猛毒でね…!」
桃川「も、もうどく…!?」
―授業中―


 クス… クス…


「…あんた誰に票入れたのよ…」

「…ひみつ~…」

「…中川君じゃないの~?…」

「さあね~」


 クス… クス…


坂木「…あ…今君の名前言ったんじゃないか…?…」

桃川「…今のは…中川だよ………」

坂木「君…耳良いね…」

桃川「……………」

坂木「君は……全神経あの紙に集中してるんだね……」

桃川「……してねえよ……」

坂木「……自分に票……入ると思ってるのかい……」

桃川「………思ってねぇよ……」

坂木「じゃあなんで……聞き耳立ててるんだい……」

桃川「…立ててねぇよ……っていうかお前が立ててるだろ……!」

坂木「まさかぁ…ヌフフ…」
 
 
 
 ザワザワ ガヤガヤ


「はい、これ書いてー」


 ピラッ


「え?何?これー」

「このクラスの男子の中で付き合うとしたら誰がいいかアンケートー!」

「えー…付き合うとしたらかー…このクラスで…」

「ヤりたいやつ書くんじゃねーからなww」

「はぁ!?分かってるからー……う~ん………」

「あの「正」を名前の隣りに書いてな~」

「はーい」

「つーか早く俺のとこにチェックしろよ」

「ちげーし!」


 ハハハハハハハー

 ワイワイ キャッキャ



桃川「……………な……なんてことを……………」


坂木「気になるの?」

桃川「…べ…別に…!」

坂木「ふ~ん」

桃川「…そ、そもそもこのクラスの女子に興味ないし………!」

坂木「え、じゃあ誰を彼女にしようとしてるの?」


桃川「そ、そりゃあ…これから出会う誰かだよ……!」


坂木「どこで出会うの?」


桃川「そ、そりゃあ~…………どこかでだよ…!」


坂木「ヌフフ…君ったら本当に……」


桃川「な、なんだよ」


坂木「フワフワしてるね」

桃川「!!!」


坂木「まだ出会ってもない人と付き合おうなんて…」

桃川「絵に恋してる奴よりは絶っっっ対ふわふわしてねぇーよ…!」

坂木「僕の場合は存在して出会ってる子なんだもの」


桃川「…じゃあ画面からその子を出してみろよ…!さあ…!早く…!おいどうした…!?」


坂木「頭の中はふわふわしてるのに、カリカリしないでくれよ、良いパンみたいじゃないか…ヌフフ…」

ブチッ…


桃川「…………アーーン…パーンチ………」


…ギュッ!


坂木「い、いったっ!ももをつねるなっ!全然パンチじゃないしっ!」