2011-10-01 01:02:20

ケビン・メアさんへの手紙

テーマ:ブログ
拝啓 ケビン・メア様


 共同通信社が、あなたが「沖縄はゆすりの名人だ」と発言したという報道をしてから、半年以上が過ぎました。正直に言いますと、この報道の時点で私がどんなふうに考えたのか、ということは深く覚えていません。鳩山政権の基地問題への対応の迷走と、基地さえなくなれば万事うまく行くと信じている平和主義者を自称する反基地主義者の無意味な衝突にうんざりしていた私にとっては、あながち間違いではない、と思えてしまったからからもしれません。その後、3月10日にあなたが日本部長の任を解かれると聞いたときは、アメリカ合衆国もこのような対応をするのかといささか驚いたことは覚えています。もっとも、その驚きも3.11によって全て忘れ去られることになってしまったのですが。


 先日あなたの出版された、「決断できない日本」を拝読いたしました。「ゆすりの名人」発言についての共同通信の内容が正確であったかどうかは、あなたもおっしゃっているように水掛け論になってしまうため正確なことはわかりません。しかし、これを報道した共同通信の石山記者の報道姿勢に大きな問題があることは事実だとわかりました。結局のところ、基地反対の熱意を持つ石山記者が、政敵ともいうべきあなたにダメージを与えようと画策して書かれた記事に、他のメディアまでもが踊らされてしまった、というのが今回の真実なのでしょう。


 著書を通じて、あなたの本質は「現実主義者」という点にあるのだということを感じ取りました。対して、基地さえなければすべてうまく行くのだ、と考えている方々は理想主義者であるといえます。理想主義者はどうして現実主義者を憎むのでしょうか。

この疑問に対して、私の尊敬する作家である塩野七生さんは、次のように書いています。


「現実主義者が憎まれるのは、彼らが口に出して言わなくても、彼ら自身そのように行動する事によって、理想主義が実際は実に滑稽な存在であり、この人々の考え行う事が、この人々の理想を実現するには、最も不適当であるという事実を、白日の下に晒してしまうからなのです。
 理想主義者と認じている人々は、自らの方法上の誤りを悟るほどは賢くはないけれど、彼ら自身が滑稽な存在にされた事や、彼らの最善とした方法が、少しも予想した効果を生まなかった事を感じないほどは愚かでないので、それをした現実主義者を憎むようになるのです。だから現実主義者が憎まれるのは、宿命とでも言うしかありません。」


 今回の騒動についても、まさにこの見方が当てはまります。戦争を無くしたい、辞めたい、平和をもたらしたいという理想は同じでも、それに対する現実的なアプローチと、理想論ではここまで意見も違うということには驚かされます。その理想主義者の罠とも言える今回の騒動で、知日家であり、親日家であり、徹底したリアリストであったあなたが日本外交からいなくなってしまったことは、日米関係にとって大きな損失でした。しかし、今回の著書で、騒動の真実をしることができたことは、日本にとっても、あなたの名誉回復にとっても喜ばしいことだったのではないかと考えています。

 やはり日本にとっても、アメリカにとっても、現状をしっかりと見据え、決断をすることが必要なのでしょう。それをできる人間はやはり理想主義者ではなく、現実主義者であるはずです。

 最後にもうひとつだけ、塩野七生さんの言葉を引用してこの手紙を終わります。誰もが願う平和をどう実現するかについての本質をついた言葉だと思います。

「平和主義者にまかせておくには、平和は重要すぎる。」


決断できない日本 (文春新書)/ケビン・メア

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