2011-09-14 22:52:02

文章読本

テーマ:ブログ
文章読本 (中公文庫)/谷崎 潤一郎

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あんまり小説は読まないので、谷崎潤一郎の本をこれまで読んだことがなかった。
先月に雑誌で紹介されていた陰影礼賛を読んで、巻末にあった他の著書の紹介ページからこの文章読本の存在を知った。


筆者である谷崎潤一郎は、芸術目的であれ、実用目的であれ、文章の目的というのは「分からせること」だと考えている。そのためには、言葉というものが不完全である以上、読者の目と耳とに訴えかけるあらゆる要素を利用して、表現の不足を補うべきだと説く。


「あらゆる要素」を具体的に言えば、文章の音楽的効果と視覚的効果だ。

音楽的効果とは、語呂や音調などを指す。文字だから読んでわかればいい、と考える人が多い。しかし、私たちが文章を読む時には、たとえそれが黙読であっても、心の口で発声し、心の耳で聞いている。だからこそ、文章であっても漢字を乱用したりして、読みにくくしないことが必要なのだ。文章を声に出して読んでみて、それをスラスラを読むことができないなら、それは音楽的効果に配慮を欠いた悪文と言える。


視覚的効果とは、字面や、ルビの振り方、余白のとり方などを含む画像としての文章の構成を指す。
字面に関して言えば、日本語の特徴としてひらがな、カタカナ、そして漢字の3つの書き方がある。例えば記憶、という単語を書くにも、「きおく」、「キオク」、「記憶」と3種類もあり、それぞれ読み手に与える印象は違う。また、漢字は単体としては綺麗なのだけれど、現在のような小型の活字では漢字が連続して使われると文字のつながりが美しくなくなってしまう。視覚的効果に気を使うとは、このようなことまで配慮に入れることを意味する。


一年前に書かれた陰影礼賛と合わせて、日本らしさ、日本的なるものをどう活かすか、ということに苦労していたことが読み取れる。昭和33年当時、西洋から輸入された言葉がはびこっているのを見た違和感は、今の世代の人が意味のわからないカタカナ語を並べ立てている状況に似ているのではないだろうか。

「弊社はクライアントの多様なニーズに応える幅広いソリューションを持ち、Webサイトを中心としたコミュニケーション設計に関して、ベストプラクティスの中から、利益をマキシマイズするソリューションを提供する、業界のリーディングカンパニーです」


冗談みたいな文章になってしまったけれど、就職活動をしているなかで、こんな文章で書かれた『ミッション』を掲げる会社は多くあった。

難しい言葉、新しい言葉は、ついつい使って見たくなるものだけど、「これを使って書かれた文章は読みやすいのか」という言葉の選択、そして音楽的効果、視覚的効果を意識して、わかりやすい文章が書けるように訓練したい。

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