野良猫を見て思った | ゴンブロ~権平のブログ~

野良猫を見て思った

会社の駐車場に野良猫がいる。
ここんとこ毎日いる。


いかにも野良って感じで、もちろん痩せこけて汚れている。
少なくとも健康には見えない。
だだっ広く、屋根もない駐車場で、ただ時が過ぎるのをジッと待っている。
お友達なんていないようで、いつも一人。


縄張り争いの状況まではわからないけど、あんな場所にいるのだから、
上位のほうって訳ではなさそうだ。
追いやられたのだろうか?
飯はちゃんと食べられてるのだろうか?


きっとあの野良猫は、ただ時を過ごし、やがてあの場所で朽ち果てるのだろう。


誰に看取られることもなく、
誰に悲しまれることもなく、
誰の記憶に残ることもなく、
何事もなかったかのように。





そんなことを考えてたら、人間て無条件に幸せなのでは、
なんて思った。





程度の差はあれど、好きな飯は食える。
お給料が入れば、焼肉だって食える。
その日の飯にありつけないって人は、そうはいない。
ホームレスにだって国からのサポートはある。
働いてなくても、補助が出る。
犯罪を犯した人間にも飯は出る。
最悪空腹でぶっ倒れたとしても、誰かが助けてくれる。
少なくとも、餓死することはない。


ただしあの野良猫には餓死が十分にあり得る。
その日の飯も自分で獲得しなければ、ない。







冬は暖かい部屋、夏は涼しい部屋で快適に過ごせる。
屋根のない野原に住んでる人間はほとんどいない。
停電だ、なんて言っても雨風はしのげる。
真冬の寒さ、真夏の炎天下で苦しむことはほとんどない。


ただしあの野良猫はそれで苦しむ。
この時期の暑さは過酷だ。







くだらない喧嘩は多少はあるけど、べつに命をかけてやってるわけじゃない。
喧嘩したからって、家から追い出されて二度と戻れないなんてことはない。
さーせん、って誤ればほとんど解決して、いつもの生活に戻れる。


ただしあの野良猫は命の危険がある。
うかつに他人のテリトリーに入ろうものなら、追いやられる。
油断してても進入される。








娯楽で楽しむこともできる。
暇になったら外出したりゲームしたりネットしたり誰かと遊んだり。
引きこもりの人間でも、ただ部屋で一日中酸素を吸っているだけ、
なんてこともないだろう。


ただしあの野良猫には娯楽なんてない。
ただ飯を探し、ほかの猫から逃げ、安全な場所を探し、暑さをしのぎ、
そしてただ時が過ぎるのを待つ。







俺ら、あの野良猫に比べたら十分幸せなんじゃないか?





言い訳して人のせいにして不幸だなんて言う人、
他人に依存して何もしない人、
今時精神病を免罪符に怠惰な生活を送る人、
あんたら飯食ってるだろ?
雨風しのいでるだろ?
ケータイ持ってるだろ?
友達最低一人はいるだろ?
テレビ見るだろ?
誰かに心配されてるだろ?
扇風機くらいあるだろ?
殺されかけるなんてないだろ?
病気すれば医者に連れてってもらえるだろ?
死んだら葬式してもらえるだろ?









あの野良猫には、何一つ無いんだよ。