「最終処分場」要らず、循環型社会へ向けた施設なのか?
田代環境プラザ(島田市伊太7 番地)へ行ってきました
http://www.nsc-eng.co.jp/business/environment/index.shtml


ここには新西ケ谷清掃工場(2010年3月完成予定)に導入される
同型の新日鉄のシャフト炉式溶融炉が2006年3月から稼動している。
去る1月14日、ゴミゼロ仲間と島田市市議津田恵子さんグループと合同で
見学会を行った。その報告を以下に記載する。


ごみゼロ日記 静岡-田代環境プラザ

午後1時に田代環境プラザに行き、担当のMさんに案内され、
まず溶融炉に関するCMビデオを見た。
「コークスを燃やしながら、あらゆるゴミを1500度の高温で溶かし、
スラグに転換し、そのスラグは路盤材などに使用される夢の施設」
というような内容だった。


1.恐ろしいほどコスト(税金)とエネルギーが消費されていた


しかし、ビデオ上映後のMさんの第一声は
「よいことばかりではなく、お金が異常にかかる施設なのです」
と正直のお話しが飛び出してきた
「元々、新日鉄系の日鉄環境プラントサービス(株)に年間委託費を
1億7850万円も支払っているのに、
それ以外に瑕疵期間2年(試用期間みたいなもの)が過ぎて、
3年目になり、点検整備費・約1億3千万円がかかるようになってきている。
それ以外のコークス代他、合計で
1tのごみ焼却に約13000円だったのが18000円以上になってしまった」
※静岡市のストーカー炉で約11000円/t

いただいた資料からも、その詳細は
年間約35000tのゴミを処理するために、
コークス 2000t(約1億円~1億5千万円)(54.6円/kg~92.4円/kg)
石灰石 1000t(約900万円)(8.53円/kg~9.50円/kg)
灯油   16万5千L(約1500万円)((71.19円/L~123.48円/L)
などがかかっている。
もちろん、ごみが燃える量以上の大量のCO2を排出していることになる。

2.ゴミ発電に十分なっていない?お湯も使えない!?

この田代環境プラザの横には温浴公共施設が建設中であったが、
そのお湯は、当然溶融炉の熱によって沸かされたお湯だと思いきや、(当初はその計画)
偶然、ボーリングによって発見された温泉の沸かし湯らしい。(お湯も沸かせない?)
その代わりに発電をしているから…という説明ですが…


又、この溶融炉は発電をしているが、コークスだけでなく
電気エネルギーも大量に消費している。
2007年度発電量11,564,869kwhで、
施設での消費電力が11,038,438kwh
差し引き実質売電がわずか526,439kwh(約420万円) 
1tゴミ燃やして120円程度の売電。(静岡市のストーカー炉で1200円/t
通常のゴミ発電の1割以下だ(しかも静岡市は灰溶融で電気を消費した上で、10倍売電している

よく話しを聞くと、2炉同時運転時は、売電は可能だが、
1炉運転の際は、逆に買電だそうだ。
施設内をくまなく見せていだいたのだが、やたら電気で動くものが多く、
こんな施設だから電気が必要なんですよ!」との説明だった。

3.粗大ごみまで、そのまま放り込めば良い施設

故障が少なく、何でも放り込んで処理できる施設。
ゴミピットの入口を見て、ビックリ!。
粗大ごみ(金属入りなどなんでも来い)入口があり、
それらも溶融炉に放り込み処理できる。
日鉄環境プラントサービス(株)のMさんは
「それでもごみ問題の基本は3Rですよね」と答えてくれた。
「大量の税金とエネルギーを消費し、大量のCO2は排出するが
それに頼っていたら分別要らずになってしまうのでは?」
とは私たちの疑問に、そう答えていただいた。

しかも、74t/日炉で、最低でも50t(6~7割)/日以上のごみを投入しないと
運転ができないそうだ。
そして74tのフル操業でも、6割運転(50t)でも、構造上
コークスは、ごみ量とは比例しないで同量が必要だと聞いて、唖然!
ゴミが出続けないと存在できない「ごみ食い施設」であるようにもとれる。

3.溶融飛灰は約5%は最終処分場へ 最終処分場は延命効果が意外と薄い!

2007年度は35,598tのゴミを処理し、
スラグ2,123t(焼却量の6%メタル383t
溶融飛灰1,853t(焼却量の5%)が発生した。
スラグは路盤材や骨材として、再利用はされているようだが、
溶融飛灰(排煙に舞い上がる灰でバグフィルターで捕捉、ダイオキシンが一番濃い)は最終処分場へ運ばれる

ごみを焼却すると通常12~5%の焼却灰が発生
それを最終処分場に埋めている
その延命策として、焼却灰ではなく、スラグになり、処分場が要らないのがこの施設の特色なはずだ。
しかし、5%(ごみに対する重量比)の溶融飛灰は、最終処分場に行かなければならない

4.メタルは、溶鉱炉にも戻せない。ただの重し=カウンタウェートしか使えない


ごみゼロ日記 静岡-出湯

<写真 炉に穴を開け、溶融物を出湯する>
 コークスと石灰石で1500度の高温になった炉にゴミ=廃棄物が落とされる。
そこで、とろとろに溶かされ、炉に穴を下から開け、溶かされた溶融物を
急激に冷やす。そうするとスラグ分とメタル分にきれいに分離されるそうだ。
ただ、危険な重金属類がスラグの中にも含まれてしまうのではないか?
と言う疑問は残るのだが、すべての金属分はメタル(鉄分を中心に)に吸収される
という。(これも実は疑問)
しかるにメタルには重金属まで含まれているわけである。
メタルは156円/tで売られる、鉄なら、暴落しても1万円/t=10円/kgである。
安過ぎる理由は、このメタルは、溶鉱炉でも純粋な鉄分を取り出せないからだという。

5.スラグは安全なのか?半分は直接使用、半分は10%混合使用


ごみゼロ日記 静岡-スラグ

初めて、この炉のスラグを見てビックリした。
まるで静岡の灰溶融炉のスラグとは違う。ホントに砂のようだ。
生成されたスラグの半分(約千t)は、直接砂利の様に工事現場で使われるという。
「大丈夫でしょうか?」と質問に
担当者のMさんは
「見学者の方も手で触られていますし、大丈夫です。
試験では重金属は溶出していませんし…」
「手で触れたから安全???」変な説明だった。

実は午前中は静岡リサイクルセンター(島田市牛尾867-1)へ見学に行った。
田代環境プラザの生成スラグは、新日鉄が全量買い上げのルールになっている。
静岡リサイクルセンターはNJエコサービス(新日鉄系)が買い上げたスラグを半分(年間約1000t)を購入。
直接、田代環境プラザから輸送している。

ここでは骨材(大きさ別の砂利)を製造し、
その大きさ別の骨材を混ぜ合わせて、様々な建設工事に使う合材を製造している。
アスファルトガラや建設廃材(コンクリートガラ)から再生骨材を製造する。
山や河川から取れる砂利から、一般骨材を造る。
通常は、再生骨材40%をと一般骨材を混ぜ、合材を造るそうだ。(実はいろいろ種類がある)
合材は、一般合材、再生合材、スラグ入り再生合材に分けられ
スラグ入り再生合材には10%のスラグが入り
10%入りと15%入りの再生合材で試験(耐久試験 アスファルトのへこみなど)を行っている。
何故10%なのか?100%ではダメなのか?」との質問に担当者からの回答からは無かった。
同席した島田市議会の自民党市議会議員幹事長は、「安全性の担保のためだ」と補足説明があった。

スラグをそのまま砂利のように路盤材などに使用すると思っていた私には
初耳だった。ここではスラグの利用には慎重に10%使用というルールを決めているのだ、
すごいと思ってみたものの、でも半分は10%混合ではない。
半分は、ここ静岡リサイクルセンターではなく、直接埋められるというが…。

もちろん、ごみとコークスさえ供給し続ければ意外と事故が少なく、
スラグの質も静岡市の灰溶融炉のものより良いかもしれないという印象は持った。
又、通常は1時間の見学のところを3時間もしつこく質問し続ける私たちを
担当者のMさんやプラントのMさんは、本当に親切に説明や見学をさせてくれました。
その事は心から感謝しなければなりません。

でも、もちろん
お金をかけた施設によって未来は簡単に繋げられないのが率直な感想だった。

2009年1月18日記 「ゴミゼロプラン静岡」市民ネットワーク 壷阪道也

<参考 溶融炉とは?>
静岡市は新西ケ谷清掃工場(2010年3月完成予定)
「一般競争入札」で、2006年11月15日190億円で新日鉄のシャフト炉式溶融炉に
決定しました。
※「一般競争入札」ということになっていますが、出来レース(最初から決まっていた)
  ように思える節があります。
<参考>ゴミゼロ通信2007年4月30日号より
 http://www33.ocn.ne.jp/~gomizeronet/tushin/070430.htm

  ●灰溶融炉その後 西ケ谷清掃工場で何故新日鉄が選ばれたのか?
 
 静岡市は沼上清掃工場にストーカー炉(通常8~900度の燃焼)で
それで発生する焼却灰を最終処分場に埋立を続けていた。しかし、
その最終処分場も一杯。その対策として灰溶融炉を導入した。

 溶融炉とは燃やすのではなく、鉄を溶かす溶鉱炉のように1500度近くでごみを
溶かし、ガラス砂状のスラグを生成するもの。そのスラグは最終処分場に埋め立てるのではなく
道路などに路盤材として砂利の代わりに安全に使用できるとされていた。
静岡市の導入したのは「灰溶融炉」で焼却灰を溶融しスラグにするタイプ。
ところが、そのスラグは半分も使用されず、フル稼働もできず3~4割運転でとどまっている
現状であった。
 当初西ケ谷清掃工場は、沼上清掃工場のようにストーカー炉+灰溶融炉を考えていると
言われていたが、新日鉄のシャフト炉式溶融炉を導入したのである。



<09年9月5日 追記>
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