背負うもの
久しぶりにサッカーの話。
昨夜の五輪アジア最終予選の対シリア戦。
タイムアップ寸前に思わぬミドルシュートを決められて負け。
日本は総得点の差でグループ2位に後退した。
先制点も日本のオウンゴールで、
日本の守備を崩されて失点したわけじゃない。
後半は日本のほうがチャンスが多かったので、
残念な敗戦。
まったくサッカーは何がおこるかわからない。
しかし考えるに、
日本とシリアとでは、
背負うものの重さの差があったと言える。
この試合はシリアのホームで行なわれる予定だったが、
同国の政情が不安なため隣国のヨルダンで開催された。
シリアの監督は試合前の記者会見で、
「いい試合をすることがシリアのためになる」と話した。
その思いがシリアのキャプテンの乾坤一擲のゴールに乗り移ったのだろう。
昨年の「なでしこジャパン」のW杯のときも、
大震災があったから優勝できたのではと思ったものだ。
なでしこたちは試合のあとにはいつも、
日本への支援のお礼の横断幕をもって場内を一周していた。
東北のために最後まであきらめない、
という思いが彼女たちを奮い立たせのだと思う。
個人の事情を超えた大きなものを背負ったとき、
人間は予想できないほどの力を発揮するものだ。