『死の周辺』 ヒラリイ・ウォー 早川ポケミス | 表層人間の半可通読書とゲームリプレイブログ(略称半読書リプレイw)

『死の周辺』 ヒラリイ・ウォー 早川ポケミス

死の周辺 (1966年) (世界ミステリシリーズ) 死の周辺 (1966年) (世界ミステリシリーズ)
ヒラリイ・ウォー

早川書房 1966-02-15
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本書は本の記録7kichi さんのおかげで入手出来ました。


7kichi さんには深く御礼申し上げます。


至高の古典にして究極の前衛のヒラリー・ウォー 作品。


これはフェローズ署長シリーズだが、


フェローズ署長は第三部にならないと登場しないという異色作。


第一部は犯人視点、第二部が被害者視点である。


今回は倒叙物というか、ノワールでんな。


童貞の窃盗犯が悪い友人や女に影響されて、


殺人犯にまで転落していく軌跡を丹念に、


しかも無駄なく描いた。


悪女は当然色仕掛けするが、


挿入シーンは無い上品なヒラリー・ウォー 作品のパターンは踏襲してます。


第一部だけでもノワールとして傑作だが、


もちろん第三部にどんでん返しがあります。


トリックの無い単なるノワールなどミステリの名に値しない。


文学に擦り寄ったサービス精神を忘れたノワールではなくて、


ノワールと思わせて本格推理に回帰する


ヒラリー・ウォー は見事なプロのミステリ作家である。