『高い砦』 デズモンド・バグリィ 矢野徹 訳 早川文庫NV | 表層人間の半可通読書とゲームリプレイブログ(略称半読書リプレイw)

『高い砦』 デズモンド・バグリィ 矢野徹 訳 早川文庫NV

高い砦 (ハヤカワ文庫NV)/デズモンド バグリィ
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アリステア・マクリーン『女王陛下のユリシーズ号』『ナヴァロンの要塞』


ギャビン・ライアル『深夜プラス1』 には劣るが、


ボブ・ラングレー『北壁の死闘』


ジャック・ヒギンズ『鷲は舞い降りた』 よりイイ!


プロの軍隊に対して10人の民間人が武器を手作りして立ち向かうという


創意工夫に溢れた傑作。


アンデスの高地が戦場なので、


後退して逃げるには5800メートルの峰を越えなくてはならず、


不時着した旅客機の乗客である彼らには、


登山装備が無くてまず不可能。


それでも石弓や投石器でライフルに立ち向かうよりはマシかと、


登山して逃げるメンバーも出てくるのが面白い。


1965年に書かれた作品で、


10人のメンバーの中に若く美しい女がいるのは古臭いと思ったが、


戦闘能力の無い彼女が、


ジェット機からの攻撃を無効にするラストシーンには、


巧い!と唸りましたぞ。


石弓メンバーとしては中年女性が一番戦闘力が高いのもよかった。


既に古典扱いされる本書だが、


古臭いジェンダー感は超越しているので、


時代を超越した傑作としてこれからも読み続けていかれるべきである。