絶対にスクリーンで観なきゃ駄目な映画、生きててよかった！～スピード・レーサーを語る～

7月10日（木）鑑賞

いい意味で刺激をもらいました。

日本の名作アニメ「マッハGOGOGO！」のリメイクとのこと。

私は幼少の頃、この作品を観ていた記憶があるが、

その印象はほとんどない。

正直そんなことはどうでもよく、映画自体の出来を最大限に評価したい！

邦画にありがちな無駄な説明は一切なし。

すべてが映像により、分かりやすく簡潔に進んで行く。

画面構成に無駄がないのが素晴らしい！

カーレースの迫力、臨場感に手に汗、釘付けになるのは勿論だが

レースを愛した男と、その家族の愛の物語としても秀逸の出来。

こういったアクション主体の映画は、総じて人間ドラマの部分がお座なりの事が多いのだが

この作品は別格。

父と息子、母と息子の親子間、レックス（兄）とスピード（弟）、スピード（兄）とスプライトル（弟）の兄弟間のドラマ部分も抜群によく、人物設定もイチイチ気が利いている。

中でも長兄レックスのエピソードが地味ながらもジワジワと心に染みて来て出色、泣ける！

ラストに明かされる真相に男泣き。

スピードの恋人トレクシー役のクリスティーナ・リッチ、恐ろしく痩せてませんか？

「バッファロー66」「スリーピー・ホロウ」などのぽっちゃりさんだった頃が懐かしい。

グラマラスな肢体を今回は拝めず残念。

でも、色気は数百倍UPしていて素敵でした。

やっぱり好きな女優さんです。

ラストのキスシーンもちゃーんと伏線があって、あのシーンあってのキスシーンというのが物凄く合点が行く。

邦画の「HERO」のような取って付けた感はない。

レーサー家の末弟スプライトルとチンパンジーのチムチムのゴールデンコンビが可愛くて愉快。

スプライトルが取った行動を、いちいちチムチムが反復するのが可笑しい。

ウンチ攻撃最高！

カーアクションだけでなく、「マトリックス」を髣髴させる人間VS人間の肉体を駆使した戦いも堪能できる。

派手なカークラッシュ・シーンの後に映し出される、のんびりプールの前で日向ぼっこしているスプライトルとタムタムなど、緩急メリハリのある場面転換、一工夫も二工夫もある全く飽きさせない展開に脱帽。

最も心に残ったのは、レーサーにとってレースそのものはどうでもよく、走る理由付けが必要だということ。

“何かに駆り立てられるから、どうしようもないから走るんだ”という台詞が心に響く。

レーサーＸに「その答えを見つけた君に会ってみたい」と言われ、苦悩するスピードと今の自分が重なる。

今日歌のレッスンで先生に

「あなたは割りとこんなもんかって思ってやってるところがある。

でも、ひとつひとつを丁寧に揺るぎなくやるようにしてみたらどうですか？何かが変わるかもしれないわよ」

そんなことを言われました。

その後でこの映画を観て、自分の琴線、大事な部分を刺激され

自分の心の衝動

何に突き動かされてこの世界（人前で演じ歌う）を選んだのか？

自分自身の原点をもう一度見つめ返してみよう

そういう気にさせられた。

初心に帰る

よく聞く言葉だが、実行するのは意外に難しい。

ゼロから白紙でスタートするよりも、分かったつもりで、自分を誤魔化して、そのままでいる方が楽だからだ。

口先だけでいることの簡単さよ。

だが、今日こそは痛感した。

余分な肉は削ぎ落として

本当の意味で、今こそ初心に帰るべきだと。

自分を誤魔化して逃げるのはもう止めだ。

上辺だけの表層的な部分ではなく、自分の中から

初心に帰ろうと思う

今からでも遅くない、ひとつひとつを丁寧に今一度やり直してみようと思う。

ゼロからのスタート

30を超えた今だからこそ

原点に返る意味がある気がしてならない。

まさか「スピードレーサー」を観て、自分の人生について深く考察することになるとは・・・・・・

今日は久しぶりの劇場鑑賞だったわけだが、本当に行って良かった！

アクション、、コメディ、人間ドラマ、あらゆる要素が詰め込まれた文句なしの娯楽大作。

ウォシャウスキー兄弟には感謝せねばなるまい。

アンディ、ラリー、素敵な映画をありがとう。

※余談

トレクシーの少女時代の子役の娘が可愛かった。

彼女に見とれてスピードが植木に突っ込んでゆくシーンが鮮やかに印象に残る。　

ゆっくり舞い上がるハートがピュアで美しい！

好き度（★五点満点）

★★★★★