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200511月、グラフィック・アーティストのハインツ・シュルツ=ノイダムが描いた『メトロポリス』(フリッツ・ラング監督/1926)の映画ポスターが、ロンドンで398,000ポンド (60万ユーロ)で取り引きされました。こうしたポスターにこれほどの高値がつくことなど、それまでにはなかったことでした。80年後、2096年になって、現在の映画ポスターに、これほどの金額が支払われることが果たしてあるでしょうか。

ドイツの映画ポスターの卓越したグラフィックアート作品は、今日では少なくなってきています。現在映画ポスターはデザインソフトで作成され、たいていの場合は単に広告のためのものとみなされています。しかし優れたデザインと独自の芸術性を有する、意匠の凝らされた映画ポスターが作られていた時代があったのです。ポスター制作に先立ってデザイナーは、映画上映を鑑賞し、スクリーンを撮影することも当たり前でした。

戦後のドイツでは、東ドイツ同様、西ドイツでも、映画ポスターのあり方が変わってきます。デザイナーは、スターのポートレートや作品の特徴的なシーンを描き表すのではなく、タイポグラフィや写真を駆使して、商業映画との差別化を図ります。例えば、西ドイツのこの運動の中心的人物であったハンス・ヒルマンは、犯罪映画『アルチバルド・デラクルスの犯罪的人生』(ルイス・ブニュエル監督/1955)のポスター制作に際し、映画の中で重要なモチーフになっていた殺人を紙の上で再現しました。ヒルマンは予め紙に女性の絵を描き、その紙を裏から突き破って指を出し、自身の手が絵に描いた女性の首を絞め殺そうとしている写真を撮ったのです。

 

東京国立近代美術館フィルムセンターでは、20161115日から2017129日まで「戦後ドイツの映画ポスター」展を開催しています。東ドイツと西ドイツのデザインシーンは、創造性・芸術性ではどちらも引けを取りませんが、それぞれ異なる発展を遂げているため、両国の作品は分けて展示されています。

ドイツのポスターと日本映画の貴重な巡り合わせもいくつかみることができます。例えば1954年黒澤明監督の映画『七人の侍』に、ハンス・ヒルマンがポスターを作成しています。この2×3メートルの映画ポスターは、当時のドイツでは最も大きなポスターでした。

 

 

「戦後ドイツの映画ポスター」展2017129日までです。

 

 

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