C410

久々にグルコサミンの機能性表示食品が公表されました。

 

商品名:NEWグルコサミン

会社名:プロテインケミカル株式会社

関与成分:グルコサミン塩酸塩

評価方法:研究レビュー

含有量:グルコサミン 1500㎎/日

表示:本品にはグルコサミン塩酸塩が含まれます。グルコサミン塩酸塩は膝関節の可動性(曲げ伸ばし)をサポートし、膝の不快感をやわらげることが報告されており、膝関節の動きに悩みのある方に適しています。


パッケージ:

 

 

 今度は、各国におけるグルコサミンの位置づけを述べる。グルコサミンについては膨大な基礎および臨床研究が行われており、ここまで研究されている食品素材は恐らくほかにないだろう。

 ちなみに、ほとんどの臨床研究はグルコサミンの関節痛に及ぼす効果と、変形性関節症(OA)の軟骨変性を防げるかという2点を主な論点としている。疼痛緩和効果については確かに肯定派と否定派があり、結論は一様ではないが、これは臨床研究の対象者が罹患する疾患の種類や重症度にもよると考えられる。なお、安全性が高い点では、両派とも評価している。

 グルコサミン結晶性製剤は欧州、アジア、南米の多くの国でOA治療用の医薬品として承認されている。OAの治療ガイドラインを見ると、グルコサミンは10件中6件の既存ガイドラインで推奨されている。さらに、変形性関節症に関する唯一の国際学会であるOARSIが策定したガイドラインにおける63%の推奨度に対して、日本整形外科学会(JOA)のそれは41%であり、両者の間には22%の乖離がある。また、軟骨保護作用についてもOARSIは41%であるのに対してJOAは31%と低い。

 一方、ヒアルロン酸の関節内注射については、OARSIの推奨度が64%でグルコサミンとさほど差はないが、JOAでは日本で軽症者に施されている実態を配慮して87%と23%の差が認められており、評価が大きく分かれている。また、あまりエビデンスのない温熱療法でさえ、JOAが63%と推奨していることを考えると、膨大なエビデンスを有するグルコサミンの推奨度が不当に低いと感じるのは筆者だけではあるまい。

 東京大学運動器疾患の疫学研究であるROAD Studyの結果によると、X線所見上の変形性膝関節症患者は2,400万人であり、そのうち疼痛などの臨床症状を有する者は820万人である。同じく、X線所見上の変形性腰椎症者は3,000万人で、そのうち臨床症状を有するものは1,020万人である。合わせて、厚生労働省の14年(平成26年)の患者調査によると、治療を受けている関節症患者は125万人である。これらのことから潜在的な患者の多くは、通院はしていないものの、自ら何かしらの手段で対応している可能性がうかがえる。

 日本におけるグルコサミンの研究開発および販売は90年代後半からスタートしており、この20年間で多くの国民に使用され、購買リピート率も高いことから、一定程度の満足が得られているものと考えられる。

 一方、なぜグルコサミンは日本で医薬品として扱われないのかを考える。医薬品は薬機法によって効果や品質、安全性が法的に認められており、製薬会社が製造・販売を行うものである。医薬品として厚生労働省の認可を得るには、製薬会社は多大な時間と費用をかける。グルコサミンはサプリメントとして既に広く流通しており、これから認可を取得しても採算が合わないのが理由であると筆者は考えている。従って、効果の有無と、医薬品であるかないかということは次元が異なる話である。

 グルコサミンが有効か否かの確定には、まずOA重症度における客観的な評価法の開発が待たされる。次に、比較的軽症者を用いる臨床試験と客観的な評価法が肝心である。当然、グルコサミンを飲めば軟骨はどんどん再生できるといった過剰広告に対する規制は必要であるが、今後いよいよ高齢者が増えていく日本社会においては、さらにグルコサミンを求める声が増えていくものと予想される。何よりも、そうした声にグルコサミンが応えていくことを期待したい。

 

昨年夏、「経口グルコサミンは変形性関節症(OA)に効かない」とする研究(※1)がオランダのグループによって報告されたことを起因として、ネットニュースをはじめ、週刊誌にも取り上げられ、最近では朝日WEBRONZAにも、グルコサミンには膝関節の痛みに効果がないことが確定したと断言した寄稿が載せられている。グルコサミン研究開発の初期から携わってきた者として、当該研究に対する見解を述べてみたい。

 まず、オランダのグループによる当該研究の要旨と問題点を述べる。研究は1994~2014年に実施されたRCT研究21報を対象とし、利益相反を防ぐためにグルコサミンを製造している企業から研究資金が提供された研究を除外し、残り6報の論文を用いてメタアナリシス解析を行った。その結果、膝や股関節の痛みについて、プラセボに対するグルコサミンの優位性は示されなかったという結論を導き出している。

 しかし、この6本の論文には有名なGAIT Studyも含まれており、しかもGAITが同研究の対象者の大部分を占めている。このGAIT Studyは、プラセボレスポンスが6割以上と高く、全体にはセレコキシブ群(COX-2阻害剤)だけが効果を示し、中等度以上の症状を有する被験者にはグルコサミン+コンドロイチン群だけが効果が認められた。その後2年間の長期観察の報告でもプラセボの効果が高く、ポジティブコントロールとされているセレコキシブ群さえも有効性が確認できなかったという失敗した研究として知られている。

 さらに、対象としている論文が14年までに限定されていることにも留意する必要がある。実は、ほぼ同じ期間に当たる14年8月29日までの論文31報を用いて、グルコサミンと抗炎症薬のdiacerein(国内未承認)の効果を比較したメタアナリシス研究(※2)がある。その結果を見ると、WOMACスコアにおいてグルコサミンとdiacereinにほぼ同等の効果があり、有害事象に関してはdiacereinよりもグルコサミンの方が少ないことが見出されている。

 つまり、同じ期間であっても、除外基準が異なれば当然得られる結果も違うのである。また、16年に報告されたPROOF Study(※3)では、肥満女性を対象に食餌療法+グルコサミンの経口投与を2年半にわたって観察した結果、膝OAの発症リスクの軽減が認められた。一方、食餌療法と運動だけでは、OA発症率の軽減効果が認められなかった。

 また、グルコサミンとコンドロイチンのコンビネーションではあるが、14年と15年に報告されたLEGSおよびMOVES研究も、これらの成分の膝OAに対する有効性を支持している。このように、14年以降でもグルコサミンの有効性を支持する研究が続々と発表されており、当該論文が決して最終結論でないことは一目瞭然と言える。

 次に、利益相反について述べる。当該論文では、グルコサミンを製造している企業から研究資金が提供されている研究を除外する目的について、利益相反を防ぐためと主張しているが、これは利益相反の理解を誤っていると言わざるを得ない。薬剤の開発はそもそも製薬会社が自らの資金で一連の探索研究を行い、特許出願を経て利益相反を開示しながら前臨床試験、臨床試験のデータを発表し、さらに承認審査を受けるという創薬プロセスを経て開発される。製薬会社が膨大な資金を費やして医薬品の有効性を示した研究を、当該グルコサミン研究のような理由で除外すると、どの医薬品も有効性がないことになってしまうだろう。

 利益相反の存在云々よりも、研究資金を提供されていること自体を利益相反として開示することが重要なのである。その意味で、製薬メーカーが主催する従来のグルコサミン研究はフェアといえるだろう。グルコサミンの臨床およびメタアナリシス研究は過去30年間続けられてきており、これからも継続されるはずであることから、当該論文は数多くある研究結果の一つにすぎず、関節の痛みに対してグルコサミンが効かないことが確定されたという結論は拙速すぎると言わなければなるまい。

※1 Ann Rheum Dis. 2017 Nov;76(11):1862-1869

※2 Eur J Med Res. 2015 Mar 13;20:24

※3 Semin Arthritis Rheum. 2016 Feb;45:S42-48

 

アラレへ

8歳のお誕生日おめでとう。家族になってもう8年近くたったんだね。

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いつも、味方にしてくれて楽しと時もつらいときもそばにいてくれて、

いつもいつもありがとう。


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この一年、アラレからたくさんのことを教わりました。

どんなに誰かと親しくなっても、人間世界って意見の対立や不満は避けられない。

でもアラレとの関係は違う。


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あなたは邪悪とか、嫉妬とか不満を知らない。

純真な魂が、意図的であれ無意識であれ、私に希望を与えてくれる。

そして卑屈、裏切り、非道のない美しい世界への憧れを呼び覚ませてくれる。

アラレとの出会いに感謝しています。 

すばらしい午後、自然の中であなたと一緒にいると、まるでエデンの園に戻ったようだ。

そこはなにもしなくても退屈なことはなく、平和そのものなのだ。


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一緒にいる間、楽しく大切に、ずっとずっと守ってくださいね。

 

 

グルコサミンの機能性表示食品届け出資料に以下の論文はよく使われています。

Glucosamine administration in athletes: effects on recovery of acute knee injury.

PMID:17578751

この研究はセルビアで実施されていた。スポーツ選手を2 群に分け、グルコサミン1.5 g/日または対照食品(セルロース)をタブレット形態で4 週間摂取させた。解析対象者は108 名(介入群:56 名、対照群:52 名)であった。評価項目は膝関節の痛みに関する項目としてVAS(Visual analogue scale)、膝関節の腫れの程度を評価し、関節の可動域に関する項目として、膝伸展角度及び膝屈曲角度を評価した。評価は1 週間ごとに実施した。
 
その結果、関節の可動域に関する項目について、摂取4 週間後における膝伸展角度及び膝屈曲角度が、介入群において対照群と比較し有意に改善したという内容であった。
 
この文献はグルコサミン硫酸塩とも塩酸塩とも書いていない。公表された届け出製品を見ると、勝手にグルコサミン塩酸塩と解釈したり(C46~48)、またこの文献の摂取量はグルコサミン塩酸塩1.8g/日と解釈したり(C251)などさまざまがある。
 
不安定であるためフリーなグルコサインは存在していない。また、日本に限ってグルコサミンはキチンを加水分解したものであると既存添加物リストに記しているため、グルコサミン=グルコサミン塩酸塩と理解できる。しかし、とある有識者の指摘から業界が混乱し、関与成分がグルコサミンと記している多数の製品が撤回に追い込まれていた。一方、撤回騒動が終わったあとの公表製品なのに、考察もしないまま勝手グルコサミンを塩酸塩として解釈することはなぜできるのか。
また、同じ文献を使用しているのに、今度はグルコサミン塩酸塩1.8g/日と解釈している。おそらく文献はフリーなグルコサミン1.5g/日と理解し、分子量換算で塩酸塩としては1.8g/日であろうとこれもまた勝手に解釈している。
同じ文献なのに、異なる解釈してもどれも公表となる。一方、事後確認といういじめとも感じられる指摘を受ける。
 
どちらもグルコサミン研究者不在の状況下で展開された後遺症ではないでしょうか。

せっかくの機能性表示食品制度の行方が心配である。

 

採用文献の考察①

テーマ:

グルコサミンの機能性表示食品届け出資料に以下の論文がよく使われています。

 

The effect of glucosamine supplementation on people experiencing regular knee pain

PMC1724589

 

この文献は、健常成人を2 群に分け、グルコサミン塩酸塩2.0 g/日または対照食品(ラクトース)を12 週間摂取させた(摂取形態の記載はなし)。解析対象者は46名(介入群:24 名、対照群:22 名)であった。評価項目は膝関節の痛みに関する項目として、JLP(Joint line palpation)、ダックウォーク後の痛み、階段昇降後の痛み、KPS(Knee pain scale)を評価し、膝関節の可動域に関する項目として、KOOS(Knee injury and osteoarthritis outcome score)を評価した。評価は4 週間ごとに実施した。

 

その結果、関節の可動域に関する項目について、摂取8 週間後、12 週間後におけるKOOS 項目内の膝関連のQOL スコアが、介入群において対照群と比較し有意に改善したという内容であった。

 

機能性表示食品のA29とB376はこの文献を科学根拠とするために、製品設計も2.0g/日で納得できますが、一方、C46~48をはじめとする公表となった製品はグルコサミンの摂取量が1.5/日の設計である。これは明らかに根拠とする文献の摂取量に満たしていない。

レビューワーおよび消費者庁係の考え方を伺いたいものである。

 

 

 

消費者庁は機能性表示食品「葛の花由来イソフラボン」の販売事業者16社に対し、措置命令が下されました。違反の理由は「あたかも、対象商品を摂取するだけで、誰でも容易に、内臓脂肪(及び皮下脂肪)の減少による、外見上、身体の変化を認識できるまでの腹部の痩身効果が得られるかのように示す表示をしていた。」とのことです。

 

一方、消費者庁が受理している表示は「体重やお腹の脂肪(内臓脂肪と皮下脂肪)やウエスト周囲径を減らす等です。」違いが分かりますか?私には分かりません。

 

イソフラボンはお腹の脂肪やウエスト周囲径を減らすのか?そもそも消費者庁が「誰でも容易に腹部が痩せる」と誤解する表示を許可しているように感じるのですが、一般の方はどう感じるのでしょうか。

 

国立健康・栄養研究所のデータベースでは、イソフラボンは「肥満に効果が無かった」とされるデータが3例記載されていました。(PMID:20142790) (PMID:23984051)(PMID:24418248)

葛の花由来イソフラボンとイソフラボンの違いはそもそも説明されていません。

 

機能性表示食品は、事業者の責任において機能性を表示できる制度ですが、「体重やお腹の脂肪を減らす効果」が曖昧なのにも関わらず、表示できるこの制度に問題は無いのでしょうか?そもそも受理されている内容が、景品表示法に違反していると感じるのは私だけでしょうか?

 

消費者に誤解を招く表現は規制すべきですが、たった1報の論文で受理されるこの制度を管轄している消費者庁のチェック機能を見直す必要があると感じます。

 

「飲むだけで体重や脂肪を減らす!」などと根拠なく簡単にやせられるかのように誇大に宣伝したとして、消費者庁は「葛の花由来イソフラボン」を成分とする加工食品を販売した太田胃散など16社に、景品表示法違反(優良誤認)で再発防止などを求める措置命令を出した。

発表によると、16社は2015~17年の間、葛の花由来イソフラボンを成分とする加工食品19商品を販売。摂取するだけで誰でも簡単に内臓脂肪が減り、見た目でわかる痩身効果が得られるかのように宣伝した。だが、各社の資料では合理的な根拠は確認できず、同庁表示対策課は「あきらかな痩身効果はデータから読み取れなかった」とした。

19商品は、「機能性表示食品」として、「内臓脂肪やウエストを減らすのを助ける機能があると報告されている」などと表示することを消費者庁に届け出ていた。

機能性表示食品に関する措置命令ははじめて。

グルコサミン原料供給大手のプロテインケミカルが、自ら届け出ていたグルコサミン機能性表示食品(B104)の変更届出を行い、研究レビューの内容を改定した。採用文献について、従来2報だったところを4報追加し6報に変更。機能性のエビデンス強化を図ったかっこうだ。ヘルスクレームの表示は変更していない。

 
同社が変更届出を行った日付は先月28日。一方、消費者庁が届出データベースを更新し、変更内容を公表したのは今月18日、おおよそ20日間もの時間差がある。
 
同庁は変更届公表までの間に、新たな研究レビューが届け表示の根拠と言えるかどうかについて、内容を精査し一定の判断のもとで「受理」したと考えられる。
 
なお、同社が行ったグルコサミンの研究レビューを活用した届出を行っている企業が複数存在するが、その中の1社が同じ日に変更届も受理されている。
 
これまで機能性表示食品として受理されたグルコサミン製品について、機能性関与成分名の変更や研究レビューの見直しによる届け撤回が相次いでいただけに、今回の変更届の受理はタンニングポイントとなりそうだ。
 

同社では、グルコサミンメーカーの責務として、変更届によるユーザーへのフォローwp強化していく構え。

10月5日発売の週刊文春に膝の痛みにグルコサミンは効かないと掲載されていました。それも世界的医学誌が最終結論という。記事では経口のグルコサミンの大半は腸内細菌のエサになり、一部が小腸で消化吸収されるがそれが関節部に到達して軟骨成分になるとは考えられない。メタ解析でも有意性が認められないというような内容です。

 

グルコサミンは世界ではもっと長く、日本でもすでに20年という長い歴史の動きにさらされながらいまだに健在で、世界では1万トン/年以上、日本でも1400トン/年、つまり300万弱の愛用者がいるという現状です。国によってはOTC薬か健康食品に分かれますが、どちらも軽~中程度の膝痛を有する人々が中心に使われています。

 

世界各地でグルコサミンを用いた臨床試験、そしてメタ分析が数多く行われており、集めた被験者の背景、投与量や投与期間によって当然得られた結果も異なります。文春に採用された論文では膝変形性関節症と腰痛症の患者を用いた臨床試験を集めたメタ分析であり、効果が見いだせないという結果は最新知見でもなく最終結論でもありません。薬剤であっても100%効くものはありませんし、グルコサミンもどの対象者に効くという研究は大変価値があると思います。

 

グルコサミンの作用機序は完全に明らかになったわけではありませんが、軟骨の過剰な代謝を抑えることによる炎症の緩和、その結果は膝関節機能を改善するという学術論文も多数発表されています。腸内細菌の餌になるだけという説は幼稚な見解にすぎません。

 

また、機能性表示食品は文春に採用した論文のような病者を用いた論文を除外し、膝の軽微な痛みを有する健常人を対象とする論文を集めてメタ分析によってその有効性が証明され、消費者庁に届け出して受理されたものであります。小林製薬や大正製薬などの企業が文春取材に対する回答はフェアであると思います。

 

この20年間でグルコサミンをたくさんの国民に使用され、購買リピート率が高いことから、一定程度の満足が得られたと考えられる。さらに、EFSAは評価保留中であるものの、米国をはじめ、オーストラリア、韓国など数多くの国のグルコサミンサプリメントについて、骨関節炎、関節、軟骨の変性リスク低減や関節軟骨の健康維持などの表示が認められています。グルコサミン産業は国の医療費削減政策にも貢献しているものであり、今後も貢献し続けるものであると思います。