奈良県明日香村の高松塚古墳(8世紀初め)の極彩色壁画の劣化原因を調査していた文化庁の検討会は、人の出入りによる石室内の温度上昇や、カビ除去のための薬剤など、人為的ミスを主とした複合要因によるものとする報告書をまとめ、24日、玉井日出夫・文化庁長官に提出した。

 報告書は今後、新たな壁画が発見された場合、「保存を最優先し、発掘調査の可否も含めて検討が必要」と指摘。地元自治体を含む官・民・学の連携を重視した内容だ。

 検討会座長の永井順国・政策研究大学院大客員教授から報告書を受け取った玉井長官は、「貴重な文化財を保存管理するのは最重要課題の一つ。報告書に基づき、努力を重ねる決意を新たにした」と述べた。

 報告書では、西壁の「白虎」の描線が薄れた原因について、「カビ除去作業で使った筆と薬剤の可能性」とした。また、カビの大量発生は、想定より保存施設の温度が高かったことや、人の出入りなどによる複合的な原因と指摘。さらに、文化庁の管理体制についても「1976年以降、現場に重要な判断が任され、組織的に取り組んでいなかった」と問題点を挙げた。

 2004年に劣化が発覚し、「石室解体」というかつてない事態に至った劣化についての原因究明はこれで終わり、今後、文化庁は報告書を指針の一つとして、壁画の保存活用に向けて新たな議論を始める。

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