2009年11月21日(土)

事務局力養成講座が生まれそう!―――裏方ほど!ワールドカフェの成果

テーマ:裏方ほど
木曜日、「裏方ほどおいしい仕事はない!」を読んで集まっていただき、KDIにてワールドカフェを開催しました。

満員御礼、約45名の方が集まって3時間にわたる対話を楽しみました。

テーマは、ズバリ『事務局力』

裏方仕事に対して、「おいしい!」「面白い!」と思っている人が半数強、裏方を押しつけられるとしんどいよねー、という人が半数弱。そういう人が集まって対話が始まったと思ってください。

ワールドカフェのパワーは、対話をしているうちに、「ポジティブなパワーが、ネガティブな気持ちを包み込んでいく」ところにあることを本当に実感しました。だって、誰も説得なんてしてないのに、ほぼ全員が裏方、事務局をポジティブに捉えるようになって、最後は「事務局力って母親の愛で皆を包むパワーだよね」とか、口を揃えて言ってるんですよ!

最後には、「事務局力には色々な型があることがわかった。でも、分かっていても自分ですぐにできるものでもない。事務局力の本質を理解し、トレーニングやシミュレーションをしたり、互いに実践を共有するような、事務局力養成講座を作ることで、社会をもっとよくしていけるよね!」という気持ちにみんながなりました。

本当にすごい!

結論。「事務局力は、相手を包み込む愛。そして、責任を抱え込まない、適度ないい加減さ。責任をとるのはリーダー。事務局は、人をつなぎ、人を支援し、人を活かす仕事。ハブとなって、仕事も知恵も活性化させることに意義がある!!」

ワールドカフェの風景。KDIのフューチャーセンターで、皆が対話を楽しみました!!!

$「裏方ほどおいしい仕事はない!」――――――――― 「事務局力」で会社を動かす、社会を変える!――――野村恭彦・新公式BLOG-urakata-worldcafe

こんな対話の成果が、10枚以上!

$「裏方ほどおいしい仕事はない!」――――――――― 「事務局力」で会社を動かす、社会を変える!――――野村恭彦・新公式BLOG

事務局力養成講座にご興味のある方は、ぜひご連絡くださいませ。
2009年11月19日(木)

「コモンズの悲劇」を超えて

テーマ:社会起業家
「『コモンズ』への再注目」に注目したい。

エリノア・オストロム博士が、今年、女性としてはじめてのノーベル経済学賞を受賞したことは記憶に新しい。彼女の研究は、ゲーム理論で有名な「共有地の悲劇」、つまり「『コモンズ』の悲劇」に関したものである。

「コモンズの悲劇」 は、ガーネット・ハーディン博士が、1968年にサイエンス誌に掲載した論文。「オープンアクセスな共有地(コモンズ)は、必然的に荒廃する」ということを経済理論で証明した。牧草地を牛飼いたちが共同で使っている場合、牛をあと1頭牧草地に入れるときの損害(コスト)は牛飼い全体で等分されるが、利益はその牛の所有者だけが得られる。それゆえ、各牛飼いにとっての利益は費用を常に上回り、どんどん自分の牛を牧草地に入れてしまう。これによって、牧草地は回復不能なほど荒廃してしまうことになる、というものだ。

この「コモンズの悲劇」に基づき、共有資源の保全管理は人々の自主性に委ねては不可能であり、その解決には、「国家による解決」か「市場による解決」の二つしかないということになっていたが、実際のところ、国家による保全管理も、民営化による資源配分も、環境破壊の進行を食い止めることはできなかったのが現実だ。グローバルコモンズの最大の問題は、環境問題である。

これに対して、オストロム教授の経済学に対する最大の貢献は、実証研究および理論研究を通して、共有資源の保全管理のために有効な方法は、国家や市場だけではなく、第三の方法として、共有資源に利害関係をもつ当事者が自主的に適切なルールを取り決めて保全管理をするというセルフガバナンス(自主統治)の可能性を示したことだ。つまり、コミュニティによる自主統治である。

その実現のための成功要因は、「当事者によるモニタリング」「ルール違反者に対する処罰ルール」であったと言う。当事者同士が、ルール違反者に、わざわざ自分でコストを払ってまでも処罰行動に出る。これは、経済理論では説明のできない行動なのだそうだ。

今、社会起業家が取り組んでいる社会問題は、「経済理論では解けない問題」ばかりである。コミュニティがセルフガバナンスを利かせることができるか?

そのためには、利害一致ではない、倫理的一致をめざした対話の場をもっと増やしていかなければならない。
そのために、私たちは何ができるのだろうかはてなマーク
2009年11月16日(月)

レイフ・エドビンソン教授(フューチャーセンター創始者)来日!

テーマ:フューチャーセンター
今日は、朝からエキサイティングだった。

スウェーデンから、フューチャーセンターの創始者である、レイフ・エドビンソン教授がKDIを訪れたからだ。KDIに来るのは初めてではないが、8月にリニューアルした新しいフューチャーセンターを見てもらうのは初めてだ。コンセプト、デザインともに、たいへん気に入ってくれたのは嬉しかった。

午前中は、日欧のフューチャーセンターの動向について、意見交換。そして、午後3時にスタートするKDIのエグゼクティブ交流会(クライアント企業の役員レベルをお招きする対話の場)に向けて、その進め方を打合せした。レイフ・エドビンソン氏と一緒に来日したハンク・クーネ氏とは、木曜日に早稲田で開かれる知識資産経営ワークショップでもコラボレーションする。その打合せも行った。

昼は3人で天ぷら屋さんに行った。なぜ自分が社会イノベーションに関心を持ったかを話し、彼らからは、北欧の国々で「社会イノベーションの担い手」を国家的に育成する活動の話を聞いた。そして、来年6月にヘルシンキで開催される、「トレーニング・キャンプ」と呼ばれる8日間の社会イノベーター養成プログラムに、絶対来なさい!!、と強く背中を押された。

「社会イノベーションの担い手」か・・・・

自分が地球規模の問題に立ち向かっていくべき人として、立ち上がることを覚悟しなければならないのかもしれない。そう、本気で考え始めている。
2009年11月15日(日)

ワールドカフェ・ウィークのオープニング参加しました!

テーマ:裏方ほど
本日の13:00から17:30の4時間半、虎ノ門の一室に100名以上の、社会を変えるつながりを求める人たちが集まった。

ワールドカフェの常連から、「日本の伝統的な強み、目に見えない価値」というテーマに関心をもって初参加した人たちまで、多種多様であったが、一様に「何かが生まれるかもしれない期待感」にあふれている様子は、ひしひしと伝わってきた。何というか、いい意味での緊張感。何か起こるぞ、という感じ。

ワールドカフェはゆったりと進み、アウトプットよりもプロセスを楽しむ雰囲気が、皆を包んだ。


3回のワールドカフェの対話を経て、私のテーブルでは、次のような「気づき」を得ることができた。断片だが、示してみる。

サーチ 日本の目に見えない価値である、「あうんの呼吸」が、今の組織の中で「空気を読む」という、一歩踏み出しにくい文脈で使われてしまう実態がある。
サーチ しかし、ほぼ同じ能力なのだが、「即興劇のように、息を合わせて場を作る」という形で使われれば、新たなものを集団で生み出していくことができるようになる。
サーチ 問題は、「空気を読む必要のある場での停滞」から、「即興劇のような息の合った場の創造」へと進んでいけるか、である。しかし、組織に属する多くの人は前者に絡み取られ、フリーにでもならない限り、なかなか後者に進んでいくことができない。(出る杭は打たれる日本の伝統)
サーチ 重要なことは、この二つを分け隔てているダムのようなものに、卵を産むために川を上ってきた鮭が通れる、バイバスをきちんと作ってあげることではないか? 例えば、相互プロデュースという考え方で、他の人が「場の創造」へと進んでこれるよう、お互いにバイバスを作ってあげ合うということができるのではないか。それが、第一歩ではないか。
サーチ その結果として、「場の創造」に進んだ人たちが、場が停滞するまでそこに留まるのではなく、次は自らが他人をプロデュースし、「場の創造」に努める見えないところで気を利かす、やってますよと自分から言わない、という美徳を活かし、裏方のプロデューサになる
サーチ その結果、たくさんの場が生まれ、「おもてなし」や「思いやり」の心が、次々と広がっていくのではないか。


そして、それぞれのテーブルから、多くの発見が報告され、場の熱が高まったところで、いよいよ田坂広志さん登場。

驚いた。「聴く側の準備ができている」ということをこれほどに感じた講演は、はじめてだ。会場全体から、「聞きたいことがある」というオーラが田坂さんへと突き刺さる。

そして田坂さんからは、「目に見えない価値を大切にするためには、答えのない問いを問い続ける知性が何より大事」という話が、ユーモアを交えつつも、いい緊張感の中で伝えられた。

はっきりと感じる。いつもの自分よりも、ずっと大切なものが心に沁み込んでくることを
これぞ、ワールドカフェの本当の力。今日からの一週間、何が起こるのだろうか。

夜の街

今週の木曜には、KDIでもワールドカフェを開く。「裏方ほどおいしい仕事はない!」を読んでから参加していただき、「事務局力」の可能性を発見しようというものだ。

$「裏方ほどおいしい仕事はない!」――――――――― 「事務局力」で会社を動かす、社会を変える!――――野村恭彦・新公式BLOG-urakata-hyoushi

世の中のあらゆる変革活動には、必ずと言ってよいほど事務局が置かれる。事務局は、主催者の意志だけではなく、参加者の気持ちに共感し、状況に応じたシナリオを書いていくことで、大きな革新をプロデュースできる素敵な役割だ。
さぁ、日本全国の事務局の皆さん、「事務局力」を発揮しよう!
2009年11月14日(土)

「ワールドカフェ」と「フューチャーセンター」

テーマ:フューチャーセンター
明日からの一週間は、日本にとってたいへんエポックな週になるかもしれない。

一つは、「ワールドカフェ・ウィーク」。日本のあちこちで、たくさんのワールドカフェが開かれる。もちろん、KDIでも「裏方ほど!」ワールドカフェを開く

もう一つは、「知的資産経営ウィーク」。
そのメインイベントで、「日欧のフューチャーセンター事例」を私も、オランダの研究パートナーであるHank Kune氏とともに、講演する。こちらの「知的資産経営国際ワークショップ ―イノベーションを生み出す組織と人材」は、無料なので、ぜひ参加していただきたい。

そして、KDIでも、フューチャーセンター・ウィークを迎える

フューチャーセンターについては、これまで何度か書いているが、イメージがわかないと思うので、写真を載せよう。
$「裏方ほどおいしい仕事はない!」――――――――― 「事務局力」で会社を動かす、社会を変える!――――野村恭彦・新公式BLOG-KDI-FC

示し合わせたように、複数の「未来創造」のムーブメントが同じ集中ウィークを迎える。
その意味合いは、GLOCOMのWebで述べたので、参照してほしい。
どんな未来が描かれ、そこに参加した人たちがどう行動を起こすのか、乞うご期待。
2009年11月13日(金)

セミナーでワールドカフェの強行実施!

テーマ:裏方ほど
今日、セミナーの講師をやった。テーマは、「Future Centerで生産性を革新する!」

このテーマを理解するためには、「対話によって多くの気づきを得る」ということ。

そこで今日の1時間半のセミナーでは、強引に全員の席替えを2度行い、3回もワールドカフェの対話をしてもらった。本当に面白いもので、3人グループを作るまでは警戒感を前面に出していた方々が、対話を始めると、非常にリラックスして話し始める。そして、お互いに気づきを得る。目

でも、「どんな話が聞けましたか? どなたか手を挙げてくださいますか?」と何度か聞いたが、毎回手はほとんど挙がらず。パー
最後の質疑応答も、堅い雰囲気を崩さず、まじめな質問だけが挙がった。

本当に不思議だ。どうして、あんなに堅い雰囲気の中でも、対話が始まるとリラックスするのだろうか? 逆に、対話でなごんだあとでも、全員でプレゼンを聞き始めると、すぐに堅い雰囲気に戻るのはなぜだろうか?

永遠のテーマかもしれない。
2009年11月11日(水)

「勢川びき」さんのビジネス4コマ漫画

テーマ:裏方ほど
「裏方ほど!」をご紹介していただいている、面白いブログをご紹介。

私がGLOCOMで知り合った方なのですが、「勢川びき」のペンネームで、ビジネス4コマ漫画を書かれています。

彼は、イノベーション行動科学の研究ワークショップに参加いただいたときの様子も、おもしろおかしく描いてくれています。

短い漫画で本質を言い当てる力は、事務局力として、たいへん重要な資質だと思います。事務局力の向上のために、ユーモア、物語、4コマ漫画、落語などを研究することが、大切なのだと思います。
2009年11月10日(火)

11月19日の「裏方ほどおいしい仕事はない!」ワールドカフェのご案内

テーマ:裏方ほど
いよいよ来週 11月19日、我が KDI Studioクラッカー にて、「裏方ほどおいしい仕事はない!」のワールドカフェを行います!

まだまだ間に合いますので、お申し込みは、こちらから(ワールドカフェ・ウィークのページへ)!!

下の写真は、国際大学GLOCOMのスポンサー企業の経営トップの方々を集めての、「イノベーション経営者会議」の一場面。企業経営者レベル20名強で、ワールドカフェをやった。ホテルオークラの丸テーブルに、紙でできたテーブルクロスをかけて、クレパスのようなもので書いてもらった
$「裏方ほどおいしい仕事はない!」――――――――― 「事務局力」で会社を動かす、社会を変える!――――野村恭彦・新公式BLOG

経営者の皆さんがワールドカフェに馴染んで、テーブルクロスに対話の内容を書いてくれるか?ということをぎりぎりまで心配していたが、ふたを開けてみると、みんな大いに盛り上がり、たくさんのメモでテーブルが埋まった。

後日談として、ホテルオークラの人たちが、「こういう対話のやり方というのは、最近増えているんですか?」と聞いてきたということ。さらに、「写真撮らせてもらっていいですか?」と頼まれたと聞いた。

そう、増えているんですよ。ワールドカフェをする人は。

「裏方ほど!」ワールドカフェで、お待ちしています。
必ず、「裏方ほどおいしい仕事はない!」を読んで参加してくださいね目
2009年11月07日(土)

「裏方ほどおいしい仕事はない!」の編集者と打ち上げ―――

テーマ:裏方ほど
お世話になった編集者、表紙イラストを描いてくれたデザイナー、加えて2人のGLOCOMでお世話になっている人たちと、10月19日に出版した「裏方ほどおいしい仕事はない!」の打ち上げをした。

出足は好調で、昨日の読売新聞の夕刊には、書評も載った。
本は、内容が良くても、手にとってもらわなければ始まらない。自分たちも「事務局力」を発揮して、一人でも多くの人に届けたい―――。そう強く思った。

$「裏方ほどおいしい仕事はない!」――――――――― 「事務局力」で会社を動かす、社会を変える!――――野村恭彦・新公式BLOG-urakata-hyoushi
プレジデント社のWebで序章が読めます。ぜひ、読んでみてください!!
2009年11月05日(木)

社会事業の立ち上げの先に、社会システムの変革をめざす

テーマ:社会起業家
GLOCOMのプラカデミアサロンで、とてもエキサイティングな対話があった。
プラカデミアサロンは、大企業3社(10~15名)と、コンサルタントやNPO代表者など5~10名が集まり、コミュニティ・トレードやBOPビジネスなどに関わる、新たな社会事業モデルと自社の社会企業構想を描く、ということをめざして進めているフォーラムだ。

今日は全員で対話を続けていたのだが、「ねらいとするアウトプットは、CSRでもよいのか?ビジネスでなければならないのか?」という質問がきっかけとなり、私自身の熱い想いがこみ上げた。

「最初のステップは、CSRでも社会ビジネスでも、どちらでもよい。重要なことは、最終的にソーシャルチェンジにまで持って行くことをめざすこと。途上国に本を寄付するというのが第一歩でもよいが、最終的に『子供たちが本を読むことに困らない世界を創る』というところをめざさなければ、ソーシャルチェンジとは言えない」

いつものとおり、熱~く、熱~く語ってしまった。

「そのレベルを目指すほうが元気が出る」「当然、そこを目指している」
といった反応があり、大いに勇気づけられた。

次のようなステップで、大きな構想を育てていきたい。本当に強く思った。

1. トントンの社会事業をとにかく立ち上げる
2. 立ち上げてみると、100も200も発見がある
3. 発見に基づき、素早く変化対応する
4. 組織能力を高め、持続的に拡大していけるようにする
5. ソーシャルチェンジをめざす (社会全体にスケールアウトさせる)


来月は、各参加者がこの構想を書いてきてくれる。今から楽しみだ。