指先のバラッド

テーマ:

現在27歳の男がいる。


先日、彼は『掛算』を間違えた。

それは・・・

おそらく・・・

先日というレベルではなく、小学生の頃から『思い込んでいた』に違いない。


仕事中に在庫整理をしていて『8×6』を『42』と答え、同僚を『黙らせた』らしい。


彼は現在27歳。


【掛算が不得意なサムライの話】


男は別れた女に復縁を迫られた。

男は別れた女に未練があったが、それは過去の話・・・

男は新しい生活を始めていた。


女は男と別れて直ぐに男が出来ていた。

おそらく、別れの原因は『その男』だろう・・・

大人は素敵だ。


破局から数ヶ月後、男の電話が光った。

女からの電波だ。

男と女は会う約束をした。


当日、女は男に復縁を持ちかけた・・・

男は新しい生活に喜びを感じていた。

女は男に復縁を申し込んだ・・・

男は『ツー・フィンガー』で答えた。


そう・・・


『膣内』に『2本』の『指』を短時間・・・

ほんの数分・・・

出し入れ・・・

そして・・・

『明日、朝、早いから帰るわ。』と言い残した。


勿論、復縁はない。


男は思い出に浸る・・・

女は愛液で浸々・・・


言葉より明確な答えがある・・・。


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二日後の夜にバラッド

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【床上手なオンナサムライの話】


こんな終了報告があります。


女は結婚願望が強かった。

いつも心に思う事は『今度産む』ということ。

ゴムを装着したのを確認した女は動き出した。

始めはゆっくり、

やがては速く、

ゴムをまとった海綿体は女の体内を往復する。

何回も何回も往復する。

エクスタシー。

真っ白な騎士団は一斉に旅人となり我々の故郷へと向かう。

しかし、厳重な警備の中では、故郷へ辿り着ける確率は低い…。

逆に辿り着かれると困るのだ。

医者に言わせれば、サムは丸山、奇跡と言える。

ゴムはベテラン警備員だ。

彼の目を盗むのは容易ではない。

しかし、そんなベテラン警備員でもミスを犯す事はある。

騎士団を捕捉したのち、迷路に迷う事もある。


複雑な迷路は人間の心。


と膣内。


やっとの思いで果てしない闇を抜け出した・・・。

そこは海のようにも思えたが、塩分はない。


温水だった。


ゴムは水面から顔を出した。

セックスをして二日後の夜だった。

つまり、こういうことだ・・・

男女はセックスに夢中になりすぎた。

エクスタシーエクスタシー。

セックスを終えた直後のことを覚えていない。

ゴムもどこかに消えていた。

不思議には思ったが、避妊していることに安心していた。

二日後の夜、女が入浴していると、湯船の底からゴムが浮いてきた・・・。


贅沢な子袋だ。


それにしても床上手だ。

おそれいりやのきちえもん。


調教したい・・・。

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風呂上りのバラッド

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今から5年ほど前の話。


『その頃のオレは駈け出しで躍起になっていた頃だった・・・。』

とはルパン三世カリオストロの城でのルパンの台詞で、

当時の私は、やっと中ハイを3杯呑めるようになった頃でした。

これは、その頃の話。


【裸のサムライの話】


1999年、元旦。

『初日の出』と共に私は先輩の家に向かって歩き始めた。

先輩はワンルームマンションに住んでいた。

私はリンゴ飴を片手に、先輩はビールを片手に、そしてもう一方の手には少し焦げついたフランクフルトを持って商店街を歩いた。

歩き疲れた二人は家に到着すると喋ることもなく眠りに就いた。

夕方4時頃に目が覚めた。

二人で商店街を徘徊した。

夕食を購入する二人。

結局、コンビニでビールとツマミを購入し、家で宴会をすることになった。

夕方6時の事だった。

新春かくし芸大会を見てはビールを呑んでツマミを食べる。

ビールがなくなるとコンビニへ買いに行く。

千鳥足の二人。

成人の二人。

宵も酔い。

酔いは良い。

私と先輩は千鳥足でコンビニを行ったり来たり。

気が付けば夜の11時を過ぎていた。

部屋に転がる空缶、部屋に響く二人の笑い声。

何が起きても笑える気分。

おかしなテンションは続く。

人生は意外に素晴らしい。

グビグビとノドを鳴らすビールの音。


それは突然だった。


先輩が声を張り上げた。

『銭湯に行こう!!僕が先頭で・・・。』

普段なら嘔吐してしまうジョークだが・・・

腹がよじれた。

爆笑!!お笑いキングが誕生した瞬間だった。

お洒落なジョークに気を良くした私は『はい!!』と即答した。

BGMは特攻野郎Aチームのテーマ曲、成人の二人は足早に銭湯へ向かった。

もちろん先輩を先頭に。


銭湯に到着。

番台で370円を払った二人の成人は峰不二子に襲いかかるルパンの如く速やかに服を脱ぎ、湯船に飛び込んだ。

大量に並ぶフロ桶に爆笑する二人の成人。

体に石鹸を塗りたくって床を滑る二人の成人。

一通り遊び終えて、今度は湯船で水泳大会。

バシャバシャ、バシャバシャ、スーイスイ。

バシャバシャ、バシャバシャ、スーイスイ。

銭湯に響く音は二人の成人が醸し出す幸せの音。


それは突然やって来た。


『ガラガラ』っと横開きの扉が開いた。

カラフルなボディーペイントを施した『オジサマ』が集団で入場してきたではございませんか・・・

トラ・・・

竜・・・

般若・・・

様々な柄のペイントは和柄でカラフルだ。

トラが湯船の周りを徘徊する・・・

竜が湯船をスイスイと泳ぐ・・・

黄色いプラスティックのイスに座った般若が二人の成人を睨みつける・・・

先輩と私は『湯気』になりたかった。

気体となって窓の隙間から逃げ出したかった。

今、この手7つのドラゴンボールがあるならば、

それは『湯気になりたい』と願う。

おそろしいオジサマに囲まれた先輩と私は熱いお湯の入った湯船の中で、氷の如く固まった。

オジサマの集団が銭湯を出るまで二人の成人は湯船で固まった。


クタクタに疲れた先輩と私は家に到着してすぐにビールを呑んだ。

ギンギンに冷えたビールは、ほろ苦くて美味しかった。

酔い覚ましには『おそろしいオジサマ』が一番効くことを学んだ。

オジサマ達の頭はパンチでパーマ。

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必死のバラッド

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私の所属するバンドでは封印してしまった名曲があります。

過去に一度だけライブで披露しました。

その曲は現在も封印されたままです。

曲名を『男船(オトコブネ)』といいます。

今から紹介する男の話は『男道(オトコミチ)』を極めた男の話。



【男っぷりを見せたかったサムライの話】


『男っぷり』とは何ぞや!

私には正確に答える事は出来ない。

しかし、彼なら正確に答える事が出来るだろう。

100メートル離れた場所からでも『存在』を確認できる男。


彼は『男っぷり』に憧れている。


彼は初詣に恋人を誘って神社に出掛けた。

『おみくじ』をひいた彼に舞い込んできた運勢は『大吉』だった。

彼は有頂天。

さっそく『大吉』を木に結び付けにいった。

必要のない行動。

『大吉』に心を良くした彼は有頂天で制御不能。

勢い余った彼の手元で『大吉』の『おみくじ』は音をたてた・・・


ビリッ!・・・


あっ・・・!


見て見ぬフリをして彼は恋人と神社を後にした。

神社を出た彼は恋人に『ドライブしよかぁ。』と告げるや否や『おやじ』の『自慢』の『クラウン』で山の方、山の方へと向かった。

山道を軽快に走行する『クラウン』は山頂を目指す。

連日の寒さにより山は雪を彩っていた。

彼には不安があった。

それは破れてしまった『大吉』のこと。

心に不安を抱えた者の行動ほど『情けない』ものはない。

突然、車のフロントガラスから見える景色が左から右へと流れた。


回転車。


彼はハンドルを必死に操作するが車は無情にも回転を止めようとしない。

それは遊園地の『コーヒーカップ』のように回転した。

勿論そこに『メルヘン』な気分などない。

『ドンッ!』と鈍い音と同時に車は停止した。

元旦の朝の出来事だった。

車を降りた2人の目にとびこんできた映像は『片足をミゾに突っ込んだクラウン』だった。

様々な手段を用いて救出にあたったが、健闘も虚しくJAFにラヴコールとなった。


その日、『JAFへのラヴコール』はたくさんの人々からよせられていた。

よって『クラウン』の救出は昼過ぎになると告げられた。

彼の恋人は昼から仕事だった為、1人で歩いて下山することになった。

彼は恋人に何度も謝罪した。


のちに彼は『なぜ、雪の日に山へドライブに行くの?』という友人の質問にこう答えた・・・

『白銀が俺を呼んでいた』と・・・。

頭の中身も『大吉』な男。


昼過ぎまで『孤独』を決心した彼に幸運が舞い降りた。

偶然にもJAFが通りかかって救助してくれたのです。

左のフロントをぶつけた『クラウン』の『へこみ』を『強引』な『力技』で修復し、徒歩で下山する恋人のもとへと急いだ。


異変に気付いたのは下山して駅に到着した恋人を乗せて走る道中だった。

フロントガラスから見えるはずのないウィンカーがこちらを悲しそうに見つめているではないか。

電気の配線でかろうじて『ぶら下がる』左ウィンカー。

格納自由型となった左ウィンカーを気にしながら恋人を家まで送り届けた。

元旦の昼前の出来事だった・・・。


数日後、仕事場へ向かうために私は緩やかな登り坂を自転車で走行していた。

駅前のロータリーに見覚えのある車が停車していた。

黒い帽子をかぶった男が車の左前ライトを『出しては入れて』を繰り返している。

すぐそばには『薄いピンク』のダウンジャケットを着た女性が心配そうに男を見守っていた。

男は両面テープを取り出して『出たり入ったり』している『ライト』に張り付けて慎重に元の場所に入れていた。

私は自転車にまたがったまま近付いて『自分、必死やなぁ・・・。』と声を掛けた。

男と女は振り返り、男は女に『あっ、ベース』と言い、女は『ああ!』と言った。


彼は『男っぷり』に憧れている。

片ヒザを着いてライトを直す男が『いきっている』ように見えた。

私の目はごまかせない・・・。


彼の『男っぷり』は計り知れない。

彼の『男っぷり』は未知。

彼の『男道(オトコミチ)』は『男未知(オトコミチ)』と記すべきなのでしょう。


『男っぷり』とは何ぞや!


彼ならこう答える筈だ。


それは『イキる事だ!!』と…。

母にささげるバラッド

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【親孝行をするサムライの話】


『禁断』・・・それは、かたく禁じ、さしとめること。


世の中には不用意に飛び込んでくるモノがある。

例えば、夏の夕暮、坂道をチャリンコで下る。

猛スピードで下る。

その時『ブゥゥゥゥンンン』という音とともに何かが顔面にヒット。

『痛ッ!!』

それは天津甘栗ほどの大きさをしたメタリックグリーンの『カナブン』だった。

このように不用意に訪れるモノに我々は『いいリアクション』をしてしまう。

我々は不用意に訪れるモノに弱い。


【2004年9月4日】

男はいつもより2時間も早く起床した。

目的はただひとつ、『魔法のランプ』を磨くため。

母は外出中、家の中には自分だけ。

男の天下統一が始まる。

逸る気持ちを抑え準備を始める。

窮屈なアンダーウェアから金のタマを開放した男が狙うは金のメダル。

世間はアテネ五輪、

男はアクメ悟倫。

急ぎで時間がない時の男は短距離型のクラウチングスタート。

だが、今日は時間が十分にある。

男は長距離型のスタンディングスタートでポジションについた。

そして魔法のランプを握り、テレビに向かって再生のボタンを押した。

画面に広がる願望の世界は男と女のサレンダー。


ハードなクセしてしなやかだ。


恐ろしいほどの集中力で画面に食い入る男の目は獲物を狙う野獣の目。

金メダルを虎視眈々と狙う。

こうなった男の目にはモザイクも無意味。

ギラつく眼光が金メダルポイントを見極めた・・・

ランプを擦るスピードは体感速度200キロ・・・

男の顔面はキアヌ・リーブスを凌駕する美形『キアヌス・リーブス』へと変身した・・・

ラストサムライのラストスパート・・・

全身の筋肉が強張る・・・

魔法のランプも強張る・・・

高まる鼓動はドラムロール・・・

金メダルが目の前に見えた・・・


その時!!


それは突然に訪れた・・・

不用意に突然訪れた・・・

男を呼ぶ母の声と同時に部屋の扉が開いた・・・


扉は開いた瞬間に閉じられた。


ほんの一瞬だったが、母を確認した。


次元大介の早撃ち並に一瞬だったが、確実に母だという事が確認できた。

恐らく母も自分の息子と自分の息子のムスコが仲良く戯れている事を確認できたに違いない。

外出前は寝ていた息子が帰宅後には『モーニング息子。』している。

だからこそ部屋の扉を瞬時に閉めたのだ。


男は言わずもがな女までも。


金のメダルを見失った男は覇気を失った魔法のランプと共にイエローキャブの姿勢をキープ。

呆然とした・・・

金のタマを『だらしなく』開放したまま呆然とした・・・。


立派な大人は背中を見ればわかります。

即ち『言わずとも背中で語れる男』は一人前の立派な男の証しなのです。


彼は知らないうちに立派な男になっていたのです。

必死に魔法のランプを磨いている最中に母が扉を開いたあの時、母の目に映る男の背中は無意識に親孝行をしていたのです。


彼の逞しく鍛えあげられた背筋は扉を開けた母に語り掛けていたのです。


それは、とても優しく、まろやかに、『元気やろ。これがオカンの孫やでぇ。』と背中は母に語り掛けていたのです。