【ノミネート】





空を舞う胞子、空を斬る想い。



ボクの知人は憶病風に吹かれながら逃亡生活への準備を着々と進めている。彼は背が高く、頭が良く、タマキンがバカで、ペニスが素直で、勃起中枢を大切にしている変質者だ。つい先日、変質者はセックスをして風邪をひいた。いわゆる“カゼックス”というやつだ。変質者は現在、ひとりの女子を2泊4食していて、そろそろ“食い逃げ”の頃だと目算しクラウチングスタートの態勢に入った。そんな矢先に相手の女子からメールが送られてきたそうだ。



『セフレとか嫌やから。』



先手必勝。パートナーは直球の球を投げてきた。その球に対して変質者の玉は“キュッ”と縮こまった。



アフター。



パートナーの女子は変質者との“お付き合い”という関係が成立していない状況で肉々しい“お突き合い”すなわち“セックス”をしておいて『セフレとか嫌やから。』と“押掛け女房性アフターセックス・アピール”をしておられるそうだ。“セフレ”が嫌ならせめて“交際”が成立するまではセックスをしないことだ。しかもそのパートナーは“友達が妊娠した時に友達が相手の男の子に妊娠した事を告白したら、『俺は知らん。』て言われて逃げられた。”のを間近で見てるから余計に“セフレにはなりたくない”と“同情誘発性アフターセックス・アピール”されているそうだ。“友達が妊娠の挙げ句に棄てられた”という背景と“私はそんな女になりくない”という意思が渦巻く中で、出会って2回目の夜に避妊具を装着させずにナマ挿入を許可するポップ感は理解不可能だ。巨人師匠ならきっと『そんなもん、君、パンパンやで。』と言うだろう。



名答。



更にポップなのが変質者だ。彼に“セフレは嫌と主張する彼女が何故に君とセックスすると思う?”と質問したところ彼は『そら、気持ちいいからでしょ!』と即答し『気持ち良くなかったらセックスしまへんで!それに相手の子も“気持ちいい”言うてましたもん!相手の子、凄い締まりがいいんすよぉ♪遅漏のボクがすぐにイッてしまうんですよ!』と情報を早漏していた。最低だ。流石は“クンニのしすぎ”で唇がビラビラになってしまっているだけのことはある。ここ数日間の彼はクチの形状がクンニの態勢のままだが本人は気付いていないのでボクは黙って見過ごしている。大人の配慮だ。それにしても、まさか彼がここまでペニスに支配されているとは思わなかった。危篤だ。手の施しようがない。赤玉が出ればいいのに。



ノミネート。



“最優秀最低賞”を受賞するのは彼か?彼女か?何も言わない視聴者か?それとも、ネタとして活用して楽しむボクか?いずれにしてもノミネートされた時点で“最低”なのは明確だ。



最低は最高の始まり。



“ポップ”な気持ちで男と女が“セックス”する事を巷では“ポップス”と言う。



めでたし、めでたし。