転帰を示します.
今回,2014年までの症例ですので,
観察期間は最短症例でもおおよそ2年となります,
IV期がんの観察期間としては十分かと思います.
殆どの方が原病死となっております.
追跡率は96.8%です.
治療効果を示します.
向かって左ががん種別,右が病理組織別となります.
こうやって,全体を見渡してみると,
どのがん種,どの組織型であっても
効果症例がボツボツと全体に散見されております,
そして,標準治療の適用から外れてしまった
半分以上の患者さんが,とりあえずは疾患制御に
持ち込めています.
奏効率9.4%となっていますが,
本治療は,奏功を狙った治療ではありませんので,
これら奏功症例は,SD(不変)狙いだったのに,
たまたま予想以上に効いた,というラッキー症例になります.
こういった症例を,10症例に一人くらいで経験する,
ということです.
「あとは緩和」,と言われた患者さんの半分以上で
疾患制御が得られる治療・・・
そう捨てたものではない,と思います.
上記の表の解釈としては,
あなたはいいけど,あなたはダメ,といった
症例による扱いの差は必要ない.
とりあえず,どんな症例でもやってみよう,
という解釈でいいのだと思います.
当院の少量抗がん剤治療の副作用についてです.
当院で治療をしている6割は副作用がありません.
グレード1,を4割近くの方に認めています.
内容としては,吐き気,便秘,口内炎,味覚異常など.
消化器症状が多いようです.
副作用の殆どはグレード0-1で,他もすべて外来で
対応できており,
さほど問題なく10年間,治療を行って来ました.
総じて,身体に負担のかからない,
優しい治療になると思います.