第54回・癌治・発表内容開示⑤ | 「あとは緩和」といわれたら

「あとは緩和」といわれたら

少量抗がん剤治療(がん休眠療法)で
元気に長生きを目指す ー

転帰を示します.

今回,2014年までの症例ですので,

観察期間は最短症例でもおおよそ2年となります,

IV期がんの観察期間としては十分かと思います.

 

殆どの方が原病死となっております.

 

追跡率は96.8%です

 

 

治療効果を示します.

向かって左ががん種別,右が病理組織別となります.

こうやって,全体を見渡してみると,

どのがん種,どの組織型であっても

効果症例がボツボツと全体に散見されております,

 

そして,標準治療の適用から外れてしまった

半分以上の患者さんが,とりあえずは疾患制御に

持ち込めています.

 

奏効率9.4%となっていますが,

本治療は,奏功を狙った治療ではありませんので,

これら奏功症例は,SD(不変)狙いだったのに,

たまたま予想以上に効いた,というラッキー症例になります.

 

こういった症例を,10症例に一人くらいで経験する,

ということです.

「あとは緩和」,と言われた患者さんの半分以上で

疾患制御が得られる治療・・・

そう捨てたものではない,と思います.

 

上記の表の解釈としては,

あなたはいいけど,あなたはダメ,といった

症例による扱いの差は必要ない.

 

とりあえず,どんな症例でもやってみよう,

という解釈でいいのだと思います.

 

 

 

当院の少量抗がん剤治療の副作用についてです.

 

当院で治療をしている6割は副作用がありません.

グレード1,を4割近くの方に認めています.

内容としては,吐き気,便秘,口内炎,味覚異常など.

消化器症状が多いようです.

 

副作用の殆どはグレード0-1で,他もすべて外来で

対応できており,

さほど問題なく10年間,治療を行って来ました.

 

総じて,身体に負担のかからない,

優しい治療になると思います.

 

⑥に続く.