「あとは緩和」といわれたら

- 診察室からの独り言,その他いろいろ −


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最近,定期的にテレビ等の主要メディアで
がんワクチンの特集を見るようになった.


がんワクチン
~“夢の治療薬”への格闘~ (NHK)
2012年11月18日(日)午後9時00分~9時49分

(再放送)
がんワクチン
~“夢の治療薬”への格闘~ (NHK)
2012年11月22日(木)午前0時25分~1時14分(21日深夜)

 

いずれにせよ,
天下のNHKが免疫療法の特集番組を創るなど
10年前では考えられないことである.
 

免疫療法なんて全く効かない,と一笑に付されていたものが,
認知度や需要度・理解が進みずいぶんとその扱いが

変わってきた.


当院でもがんワクチンの1つである,自家がんワクチン療法を
必要に応じて患者さんに提供している.


詳細は下記ホームページを参照にして頂くとして,

http://www.cell-medicine.com


自家がんワクチン療法は
NHKで放映されたペプチドワクチン療法とは別種のものだが,
 

やろうとしていることの大筋,コンセプトは同じ治療法である.


さて,この免疫療法全般・・効果のほどは?と問われれば,
 

ぶっちゃけの話だが,
患者さんが考えているほどうまくいく世界ではない.


がんの治療は,免疫療法に限らず,

なかなか理論通り・理屈通りにはいかないものだ.

 

患者さんの希望を潰すな,と一部よりお叱りを受けそうだが,
 

悲しいかな,その免疫療法が,患者さんの“希望”に付け込んだ
なんでもかんでも“免疫上げりゃいい”,というワンパターン,

そして,ボッタクリ&無責任がんビジネスとして

一部に存在している事実がある以上,

誰かが,警鐘を鳴らさなくてはならないという
側面は間違いなくある.
 

免疫療法が理論通りにいくのであれば,
実際にはもっとがんに効くはずのものだが,
がん治療の世界に,そうそう旨い話は存在しない.

免疫療法に,効果症例があるのは臨床的事実ではあるが,

コストパフォーマンスはそういいものではない.


現時点での免疫療法全般・・・
(LAK,DC(樹状細胞),NK,NKT その他含めて)は,
“第四の治療”などと,もてはやされるものではなく,

余剰資金で行う補助療法の一つとしてとらえるべきだろう.


さて,当院での免疫療法の治療経験を
冷静に観察して言えそうなこととしては以下の3つ.


1.単独使用ではなく,
  他治療併用の補助療法として効果を期待したい.

2.できれば再発治療よりも再発予防としての導入を勧めたい.
 

3.増殖スピードがゆっくり目の腫瘍によさそう.

 

さらに,細かいコトは,個々の患者さんのバックグラウンドや
他治療(多くの場合は抗がん剤治療)との兼ね合いをみながら,
導入可否・時期・タイミング等を検討することになる.

 

いずれにせよ,個々の患者さんの中で,
適切な治療とはナニか,を探りながら,
目の前のことを粛々と進めていく・・・


がん診療には華やかな派手さは一切なく,
現実は,地味な世界である.

 

以下,免疫療法の比較の表を添付しておく.

 

学術的な内容に関しては,セルメディシンのスタッフが
快く応えてくれるであろう.

http://www.cell-medicine.com
 


 

免疫療法は“夢”のような治療ではない.
 

しっかり説明を聞いたり,情報収集したりして,
十分納得の上,導入するようお勧めする.

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