「あとは緩和」といわれたら

- 診察室からの独り言,その他いろいろ −


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抗癌剤治療の
副作用の判定は,一般に
米国国立がん研究所(NCI:National cancer institute)の
判定基準を用る.


CTC(Common Toxicity Criteria )グレードと言われ,
全身症状、消化器症状、白血球数,その他の
各項目の副作用(有害事象)について
判定しやすいように
以下のように0から5までの段階評価(grading)が行われる.


グレード0 : 正常、正常/基準値範囲内、なし
グレード1 : 軽症/軽度の有害事象
グレード2 : 中等症/中等度の有害事象
グレード3 : 重症/高度の有害事象
グレード4 : 生命を脅かす又は活動不能にいたる有害事象
グレード5 : 有害事象による死亡(因果関係あり)


 



 
 

さて,
現在の抗癌剤治療一般において,癌を抑える代償として
ある程度の副作用は我慢しなさいという
暗黙の了解の様なものがあるように思うのだが,
どうだろう.


ある程度とは,グレード2くらいまでか.

 

グレード3,4になるとさすがに我慢しなさいと

言えるレベルではない.
 

場合によっては命に関わるため,医者も慌てる..

 

ところが,
低用量抗癌剤治療を受けている患者さんでは
グレード2の副作用は完全に許容範囲外である.

 

グレード1でも,場合よっては我慢の範疇外だったりする.

 

抗癌剤の副作用に対する許容性は
個人で様々ではあるが,グレード1の副作用が
我慢出来ないなんて言っていると,標準抗癌剤治療の導入は
どうやっても無理な話となる..

 

低用量抗癌剤治療は
副作用の許容をグレード0-1としてはいるものの,
グレード1すらも出現しない様に
出来ないかと砕心しているのが現状.

 

というのは,当院の投与量で副作用が出るとしたら,

“その薬剤は,この患者さんの身体との相性が
 根本的に合わない”

と考えている節があるからだ.

 

当院の量で副作用の出る薬剤を標準量で投与すると,
それこそ重篤な状態に陥り
大変なことになるのではないかとも思う.

 

少量使用で副作用の出現する薬剤は,
本来,その患者さんには
使用してはいけない薬剤ではないか.


しかも,そういった“合わない”薬剤は
腫瘍制御効果も殆ど認めない.

臨床的観察事実である.

 

 

★φ(-_- 。)・・・
※当院での低用量抗がん剤治療症例が
 2012年4月の時点で総数400症例を超えました. 
 その中からの経験症例を少しずつ紹介していきたいと

 思います.
 
※低容量抗がん剤治療・・・
 細かいことをいうと微妙な定義の違いはあるようですが,
 当院ではがん休眠療法,メトロノミック療法と呼ばれて

 いるものとコンセプトは同じと捉えています.
 本ブログでは低用量抗がん剤治療の呼称を使用します.

※当院の治療は,同一がん種においても使用する抗がん剤の

 内容・投与量は個々の患者さんの病態・治療歴・その他の

 諸条件により様々です.
 そのため,提示した患者さんに行っている薬剤使用法が,

 ブログをご覧頂いている患者様にそのまま適用できるという  ものではありません.
 読者の皆様に,そういった誤解を与えないために本文中では
 使用薬剤についての
記載を省いてありますことをご了承くだ

 さい.


2012年4月
銀座並木通りクリニック 
http://www.ginzanamiki-clinic.com/