「あとは緩和」といわれたら

- 診察室からの独り言,その他いろいろ −


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本ブログに提示している症例の図やグラフは
過去のカルテを見返したりしながら,
それなりに手間をかけて作製しているつもり.

 

息抜きのつもりはないが,
たまには症例提示ではなく,副作用について書いてみる.

 

まずは,
低用量抗癌剤治療と血管炎(静脈炎)について.

 

 

 

 

長期的に,
抗癌剤を腕の静脈から点滴で投与してきた患者さんの中には,
腕の血管が硬くなったり,内腔が狭くなったり,
あるいは完全に潰れたりして
採血,点滴が難しくなっている方がおられる.

 

血管の内側が抗癌剤による傷害で,
血管炎(静脈炎)を起こした結果だ.

 

色素沈着が起きたり,
みみずばれの様な痕が残ることもある.

 

ところが,こういった血管炎がらみの諸症状は,
低用量抗癌剤治療では無縁である.


当初,低用量抗癌剤治療を始めたときは
気付かずに見過ごしていたのだが・・・

 

ある日,患者さんに

 

「ここでの抗癌剤治療は血管がダメにならない」

とご指摘をいただき,
 

はたと“そういえばそうだな・・・”
とあらためて認識した次第であった.

 

開院以来,低用量抗癌剤治療で
血管炎(静脈炎)になった,そのために血管が潰れた,
ダメになったという患者さんは,1人も記憶に無い.


血管炎(静脈炎)が起きないというのは
低用量抗癌剤治療の特徴の1つとしていいだろう.


まぁ,
“抗癌剤少ないから当たり前でしょ?”
といわれればその通りなのだが・・・

 

さて,血管の状態に関係なく,
注射針をブスブス何回も刺されることが
好きな患者さんは1人もいない訳で・・・

そこで,当院の看護師雇用時の最重要ポイント.

点滴・注射・採血等の“針刺し”に関して,
「腕におぼえアリ」の方,

緩和医療に興味があって,
“針刺し”に自信のある,
“我こそは”という看護師さんは大歓迎ですぞ.

  (^.^)

 

★φ(-_- 。)・・・
※当院での低用量抗がん剤治療症例が
 2012年4月の時点で総数400症例を超えました. 
 その中からの経験症例を少しずつ紹介していきたいと

 思います.
 
※低容量抗がん剤治療・・・
 細かいことをいうと微妙な定義の違いはあるようですが,
 当院ではがん休眠療法,メトロノミック療法と呼ばれて

 いるものとコンセプトは同じと捉えています.
 本ブログでは低用量抗がん剤治療の呼称を使用します.

※当院の治療は,同一がん種においても使用する抗がん剤の

 内容・投与量は個々の患者さんの病態・治療歴・その他の

 諸条件により様々です.
 そのため,提示した患者さんに行っている薬剤使用法が,

 ブログをご覧頂いている患者様にそのまま適用できるという  ものではありません.
 読者の皆様に,そういった誤解を与えないために本文中では
 使用薬剤についての
記載を省いてありますことをご了承くだ

 さい.


2012年4月
銀座並木通りクリニック 
http://www.ginzanamiki-clinic.com/