「『おめでとう』の謎」(前編)
テーマ:学生時代「卒業決定おめでとう!」
そう言われても、私の頭の中には?しか浮かびませんでした。
その理由はその言葉を言ったのがOさんだったこともありますが、
それよりまず、それが彼には言えるはずもない言葉だからでした。
Oさんは私と同じ大学の隣の学科の学生だったのですが、
一浪だか二浪して入学していたので、当然私より年上でした。
彼は私が心を惹かれていたTさんと、
さらに某世界宗教の関係者で40代くらいのIさんと三人で、
いつも行動を共にしていました。
まあTさんもTさんで少し変わっていたのでしょうが、
他のOさんとIさんもかなり変わった人たちでした。
Oさんは誰彼構わず「領収書をくれないか?」と学生に聞いて回っていて、
そんなもの無いと言うと、
今度は逆に「領収書を必要経費としてごまかせる所は無いか?」と訊ねるのでした。
当然、私と知り合って間もない頃、
「君の父親の会社でごまかしてくれないか?」などと私に言ってきて、
私は首をかしげました。
更に私があるお店でアルバイトを始めると、
今度は「君のお店で経費としてごまかしてくれよ。それか、
お店の領収書を白紙でくれ」などと言ってきて、私は辟易しました。
IさんもIさんで、私から見るとOさんと似たようなタイプでした。
「この講義の時間は宗教の集会があるから、
この講義と講師が同じなんだから単位を振り替えてくれ」などと大学側に要求して、
見事にそれを認めさせて他の学生に自慢していました。
もちろん、集会のことなど嘘どころか、彼は大学にいる間、
自分の教会は一時的に閉鎖していると公言していましたが。
また、Iさんは学生に「妻と離婚したいけど、宗教上できない」などとぼやいたり、
アメリカへの短期留学の後には無修正のHな本を内緒で送ってもらって、
それを大学に持ってきて学生に見せて面白がっていました。
ですから、私は知り合ってすぐの頃から、
Tさん以外の二人とはなるべく関わらないようにしていたのです。
同じ講義の時に顔を合わせても、挨拶もするかしない程度の関係を心がけていました。
そんなOさんが、なぜ私が卒業できることを知ったのでしょうか?
そう、彼は私が再試験を受けてその結果として、無事に卒業できることを知っていたのです。
まだ私自身すら知らないこの時点で。
数日前に掲示板に貼り出された卒業可能者のリストに私の名前はなく、
私はある科目の再試験を受けたのですが、
その結果はあくまで翌日に貼り出される予定だったので、
普通だったらOさんが私の卒業のことなど知るわけもないのです。
もちろん私自身もまだ結果を知るわけもなく、
でももしかしてもう発表されているかもと思って掲示板の前にいただけで、
そこにOさんがにたにたしながら「おめでとう」を言ってくれたのでした。
私はその言葉に咄嗟に何も答えることができないままでいました。
後編はこちら。
。。。。。
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1 ■コメディ映画で
主人公を困らせる脇役(敵ではない)みたいで、面白い二人ですな。
ええ、傍から見る分には^^;