「永遠の浜辺を歩く」

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「永遠の浜辺を歩く」

 -朝-

夜の名残りを含む風が吹き
柔らかな光りを弾く波しぶき

裸足の裏に感じる砂の一粒一粒
空にたった一つ輝く明けの明星

身を隠す場所もなく
恥らうばかりの心に
削られては戻る陸の際(きわ)

色を変えていく浜辺を歩き
目覚めたことへの後悔を洗い流す

忘れそうな痛みを与えるのは
主を亡くした貝のかけらか
行く先もないままの子蟹の骸か

さらば浅い眠りの中の夢よ
遠い記憶に彩られた慟哭の嘆き

永遠の浜辺を歩く
解け行く時間の始まり


-昼-

歩みを妨げる海からの風は
誰とも知れぬ便りを運ぶ

孤独に瞬く太陽に
波間に生まれるクローン達

沖には幻の小船が揺れて
浜には幻の少女が手を揺らしている
切り取られた瞬間の傾く視界

流れ着いた腐りかけの大木に身を寄せて
青空のグラデーションの数を数える

掠め取られる命のかけら
海に戻りゆく様を笑いながら
眺めている自分を確かめる

安らぎを求めていた愚かさよ
身を起こす勇気と引き換えに甘受しよう

永遠の浜辺を歩く
絡めて解くを繰り返すパラドックス


-夜-

暗闇の中で星に照らされた青と白
その境はあやふやで切り取ることはできない

思わず我が身を確かめ
空を仰ぎ、誰かの名を叫ぶ

熱を失った世界に虚無を求め
触れる物全てに傷ついていく
実感を探して刹那の繰り返し

止め処なく押し寄せては返す
律動を数え共通の言語となる静寂

遠い感覚の小さな振動
波の音に消えていく我が身の鼓動
デジャブのように過去と現在を混乱させる

はじけ飛ぶ白波に思いを馳せ
生ある瞬間の喜びを抱きしめよう

永遠の浜辺を歩く
点と線の理(ことわり)だけの世界にて

。。。。。

コメントは今回省略(メルマガ第23、24、25号に掲載)。

。。。。。

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