#03 OLとして初出勤。

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めちゃくちゃ緊張した面接から数日経っても、
会社側からも、そしてHちゃんからも何の連絡も無く、
かといって、郵送で履歴書が送られてくるなんてこともなかったので、
合格したのか不合格だったのかわからないまま、
私は眠れない日々を過ごしていました。

そしてHちゃんにはもともと「9月くらいから」と言われていたこともあり、
8月ももうそろそろ終わり近くになった頃、
私は意を決して、その会社に確認の電話をしてみました。

先日、そちらに面接で伺ったえんじぇると申しますが

電話の相手が最初に取った人からNさんに代わり、
あ、えんじぇるさんね。そうだなあ、じゃあ、いつから来ます?

はい?あ、じゃあ、来週の月曜日からでも」と私。

では、そうしてくれますかね。その日の、そうだな、昼過ぎくらいにでも
Nさんは何とも気の抜けた返答をしてくれました。


では、よろしくお願いします

こうしてこの時、私はようやく自分が面接に合格したことを知ったわけですが、
Nさんの何とも投げやりな対応には少し驚いてしまいました。


とにかく、8月の終わりの月曜日、ついに私はその会社に「初出勤」しました。

アルバイトとは言え、夢のような「女性」としてのお仕事。
それも一応、OLさんです。
この時は性別変更はまだでしたが、そのうちパート契約とか、
もしかすると正社員にまでなれたら良いなと、
私の心の中では夢が大きくなって行きました。

入り口の警備員さんに「合格したんだね」などと話し掛けられて、
この時も通用口まで迎えに来てくれたHちゃんに連れられた私は、
今度は実際に働くオフィスに案内されました。

一度その中に入った私は、
その部屋のあまりに強い冷房にくしゃみが出そうになるほどでした。
その中では私の面接をしたNさんの他に15人ほど、
さらに奥の部屋には、重役らしい人も含めて5、6人の人が働いていました。

後で知ることになるのですが、
私が働いていたその子会社のオフィスの中の人数がそれだけだっただけで、
実際は軽作業をするパートの人、その業務に参入している別の会社の人、
当然、別の部署の人、親会社の人、取引先の人など、
常時、その建物内には何百人もの人が働いているとのことでした。

私はそんな中で「女性」として働くことになったのです。
それを考えると、大それたことをやっているみたいで、緊張感が増してしまいました。
もちろん、履歴書の性別欄を詐称していることには違いないので、
同時に多少の罪悪感を感じ続けてもいたのですが。


HちゃんがNさんに、私が到着した事を告げると、
Nさんは奥の部屋に入って、H(苗字)さんという女性を連れて来ました。
彼女は私よりかなり若い感じでしたが、明るくてすっごく気持ちの良い女性でした。
パートやアルバイトさんの人事管理やお世話をしているとのことでした。

私は今度はHさんに連れられて、その建物の中をいくらか案内してもらいました。

私は普通に女子更衣室に案内され、開いてるロッカーを教えられ、
彼女は「早急に名札を貼りますから」と言いました。
その後も女子トイレの場所、面接の時に使われた休憩室、
その隣の化粧室、そして食堂の場所などを教えてもらいました。

最後に彼女は、
何か困ったことがあったら、何でも言ってくださいね」と言ってくれました。
彼女のその様子があまりに普通だったので、
私は思わず、これは夢の中じゃないのかと不安になったほどです。

私、普通に「女性」に見られてる?

ちなみにその時の私は面接の時と同様に、洋服はユニ○ロで簡単なメイクでした。
下はスカートでもなく、チノパンだったと思います。

髪型は少し上目でくくったポニーテール、と言うか、
カットに行くような金銭的な余裕がないことをごまかすには、
ただ単にそれがうってつけだったというだけなのですが。

自分が女性に見られているかどうか、やはり不安だった私は、その後、
私の性別のことって本当に言ってないの?」とHちゃんに聞いたほどです。

女の子としか言って無いわよ?
Hちゃんはそう答えました。


一通り案内されてオフィスに戻ると、私は同僚の方に紹介をされました。
私はNさんの横に立ち、半円形に並んでくれた20人近くもの人を前にして挨拶をしました。
奥の部屋の社員の方たちもわざわざ出て来てくれていました。

えんじぇると言います、よろしくお願いしますっ

声に出してしまってから、力が入りすぎたせいか、
それがちょっと地声気味になったことにじっとりと冷や汗が出るのを感じました。

実際、一瞬その場の空気が凍ったような気がしました。

(第4話に続きます。)

。。。。。

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