2007-07-15 13:31:31

『ルー=ガルー 忌避すべき狼』

テーマ:京極夏彦:著作関連

『ルー=ガルー 忌避すべき狼』


 この所マジで忙しくて、全く更新出来ておりません。
 多分居ないとは思いますが、楽しみにして下さっている方には申し訳ない(汗)。
 もう英語は沢山だーーーっ!!(泣) ←?
 泣き言はこれくらいにして、それでは本題へ。


 = = = = = = = = =


 はい! 私の好きな京極さんの本です!
 01年作品ですから、6年前の作品ですね。
 こうしてみると、ホントに買ったけど読んで無かった本が多いなぁ(汗)。
 リアルタイムで買わず、中古の本屋で買えば良かった(汗)。 ←ファン失格


 この作品は、他の京極モノと一風違っております。
 私は最初、未来が舞台のSFファンタジー物だと勝手に勘違いしておりました。
 が、読んでみて、全然違う事に気づきました(汗)。
 未来というのは同じですが、SFやファンタジーというより、どちらかというとサスペンスかな? と思います。ミステリでも無いと思います。
 では、この作品のお話を。


 = = = = = = = = =


 < 舞台 >


 未来の日本。
 明確な年数は書かれていないが、おそらく2030年頃だと思われる。
 その未来の日本で、14~15歳の少女が連続で殺されるという事件が起きているという背景で物語は始まる。


 < 登場人物 >


・牧野 葉月(まきの はづき)


 14歳。主人公。物語は彼女の視点による。
 県議の養女。
 何の変哲も無い少女。
 退屈な日常に飽きている。
 ……が、突如として非日常な事件に係わる事になる。
 
・神埜 歩未(こうの あゆみ)


 14歳。葉月の同級生。
 ショートヘアで、基本的に無口。
 謎の言動を取る事がある。


・都築 美緒(つづき みお)


 14歳。葉月の同級生。天才。
 この時代、希少となった『ガメラ』の動画を観るのが趣味。
 変な武器を自作したりする。


・矢部 祐子(やべ ゆうこ)


 14歳。葉月の同級生。
 行方不明となる。直前に、葉月は彼女と出会っていた……。


・作倉 雛子(さくら ひなこ)


 14歳。葉月の同級生。
 常に喪服を着ている事から、“お葬式女”と呼ばれている。
 占いについて精通している。
 行方不明になる前に、矢部祐子と接触していたと思われる。


・麗猫(レイミャオ)


 14~15歳。通称「猫」。
 美緒の幼い時の遊び相手。現在は疎遠。
 矢部祐子に何らかの係わりがあるらしい。


・不破 静枝(ふわ しずえ)


 もう1人の主人公。この物語は、葉月と静枝の2人の視点で展開して行く。
 葉月達のカウンセラー。
 少女連続殺人事件の為に、本人の意思とは裏腹に、警察に協力する事になる。


・橡(くぬぎ)


 20世紀生まれの刑事。
 上からの命令で、静枝を監視する。
 連続殺人事件について、彼なりの見解を持つ。


・石田 理一郎


 橡の上司。
 連続殺人事件を担当する為に派遣されて来た人物。


 < あらすじ >


 退屈な日常に飽きている平凡な少女「葉月」は学校(みたいなモノ)が終わった後、友達でもない「歩未」と共に、何となく高台から街の風景をただ黙って見ていた。
 そこに天才少女である「美緒」が現れる。
 他愛の無い会話。そして去る美緒。
 この時代、“友達”や“直接の会話(リアルコンタクト)”は非常に希薄なモノとなっていた。
 そこで終わるはずの1日。
 ……が、美緒が落としていったと思われるディスクを見付けた葉月は、それを歩未と共に美緒の家に届けに行く事にする。
 道中、その日学校を休んでいた「祐子」と出会う。
 歩未の姿を見て何事か話し掛ける祐子であったが、歩未はそっけなくする。
 祐子と別れた後、美緒の一風変わった自宅に着いた2人は、落し物を届け、そして帰って行った。
 毎日繰り返され、そして過ぎて行くだけだった日常は、この日を境にして突如として激しく変貌を遂げる。


 次々と起きる殺人。
 行方不明となった祐子。
 祐子と何らかの係わりのあった“葬式女”作倉雛子。
 祐子が暴漢に襲われていたのを助けたという麗猫という少女。


 物語は日常を逸脱し、加速して行く!



※以下、ネタバレ注意! まだ読んでいない方は、読んでからにして下さい。






 < 感想 >


 という訳で感想なのですが、今回はちょっと辛口。
 この作品自体が他の京極作品と一風違っております。
 何が違うかというと、コレは京極さんオリジナルではなくて、一般の方(『アニメディア』誌)のアイデアを基にして書かれた作品だったようです。
 なものですから、他の作品とは何か違う。構成とか。まとめ方とか。
 何つーか、アイデアを盛り込まなくてはいけないから、なんか不自然な作りになっているんですよね。無理に入れているような。
 他の作品も長いけど、よくまとまっているのです。ですけど、この作品はまとまりがイマイチなんですよねぇ。
 だから他の作品との違和感を非常に感じてしまいました。


 上でも書きましたが、勝手にファンタジー物だと思っておりましたが、全然違いました(苦笑)。
 特に大いなる謎もなく、淡々と物語が進んでいくので、ミステリではありません。


 あと、超個人的な感想なのですが、表紙のイラスト、私的にはちっともいいとは思えません。
 もうちょっと他の方の絵でいけなかったのでしょうか? 大きなお世話ですか? そうですか。


 全体の感想としては、イマイチ。
 つまらなくはなかったですけど、特に面白くも無かった。
 ラストの辺りも、なんか不満。ヲチも京極さんらしくない。
 京極さん、すげぇ我慢して書いていたんじゃないかな? 「取り敢えず終わらせよう」って感じで。邪推ですね。すみません。


 悪いイメージばかり書きましたが、漫画化もされているし、続編も出るらしいです。


 京極さんのファンでしたら、一風違った作品として読む価値があるかもしれません。


 蛇足。
 京極さんの作品は、シリーズが違えど、リンクしている事が多い。
 この作品も、『百鬼夜行-陰』「鬼一口」という話と繋がりがあるらしい。あんまり覚えていないが。
 ……と言う事で調べてみたら、あの人物の事でしたか。なるほど。
 しかし、これで京極シリーズの未来は、ルー=ガルーの世界観という事になってしまう。
 この未来は、あまり好きになれないなぁ(汗)。


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