以前の拙ブログでは自然交配種との見方をしていたが VIVC のパスポートデータ は書き換えられ(残念ながら 2012年当時のデータはウェブ魚拓を取り忘れていた)、フランソワ・デュリフ氏による人工交配種と結論付けている。

3年、4年の間に葡萄の遺伝子解析技術が進んだのか、昔とは全く異なるペディグリーになっていることもしばしば。常に新しいデータを見るよう心掛けて欲しい。

以前取り上げたときは見落としていたがこんなサイト があり、当該葡萄の生い立ちについて詳しい説明がある。是非目を通して頂きたい

要点は 1880年フランスはモンペリエの葡萄育成者だったフランソワ・デュリフ氏がフランスの古代品種 Peloursan ペルールサンと某かの葡萄から新しい葡萄を生み出して、自分の名を取ってデュリフと名付けた。最近になって葡萄の解析が進み某かの葡萄はシラーと判明したと云うこと。

1884年にアメリカに持ち込まれデュリフという名の葡萄はプティ・シラーと呼ばれるに至った。1900年にはアメリカで広く栽培されるようになり、現在では母国フランスでは1ヘクタールに遠く及ばないが、アメリカでは 1,072ha (1992年)も栽培されている。

プティ・シラーと呼ばれる葡萄、実はデュリフだと云うことが判明したのは最近のことである。

さてこのデュリフ、以前にも書いたがフランスのアペラシヨンを有するワインに使えるのは唯一 AOC Palette である。アペラシヨン・パレットの赤・ロゼの葡萄規定ならびに栽培割合については下記の通り

b) - Les vins rouges et rosés sont issus des cépages suivants :
- cépages principaux : cinsaut N, grenache N, mourvèdre N ;
- cépages accessoires : brun fourca N, cabernet-sauvignon N, carignan N, castet N, durif N, muscat à petits grains Rg, muscat de Hambourg N, petit brun N, syrah N, téoulier N, terret gris G, tibouren N.

b) - Vins rouges et rosés
- La proportion des cépages principaux est supérieure ou égale à 50 % de l’encépagement ;
- La proportion de chacun des cépages principaux est inférieure ou égale à 80 % de l’encépagement ;
- La proportion du cépage mourvèdre N est supérieure ou égale à 10 % de l’encépagement ;
- L’encépagement destiné à la production de vins rosés peut, en outre, comporter les cépages énumérés pour la production des vins blancs, dans une proportion inférieure ou égale à 15 % de l’encépagement.

主要葡萄はサンソー、グルナッシュ・ノワール、ムルヴェドルでその合計は全体の 50% 以上で 80% 以下。尚ムルヴェドルは 10% 以上必要。

補助葡萄はブリュン・フルカ、カベソー、カリニャン・ノワール、カステ、当該葡萄のデュリフ、ミュスカ・ア・プティ・グラン・ルージュ、ミュスカ・ド・ハンブルグ、プティ・ブリュン、シラー、テウリエ、テレ・グリそしてティブーレン。その合計は 50% 以下。ロゼの場合白葡萄を 15% 以下なら使える。

ちょっと古くて現状とは違うかも知れないが詳細は拙ブログのこちら をご覧あれ。