ゲ音団
2009-11-07 12:20:30

TECHNOuchiインタビュー(ちょっとだけ日本語版)

テーマ:メンバー掲載メディア情報
http://www.squareenixmusic.com/features/interviews/yujitakenouchi.shtml

パートナーシップ提携先でもあるアメリカのゲーム音楽専門サイト「SQUARE ENIX MUSIC ONLINE」にて先月掲載されたTECHNOuchiのインタビューを紹介しておきます。海外のサイトなので当然英語ですが、TECHNOuchiからの回答部分は編集部に送る前の日本語となってますので(笑)回答内容から質問内容を察して読んで下さいね(^^;



Interview with Yuji Takenouchi (October 2009)

Yuji "TECHNOuchi" Takenouchi's diverse career spans games such as Metal Gear 2: Solid Snake, X-Men, Circadia, Bravo Music, Ace Combat X, and Demon's Souls. Despite being in the video game industry for 20 years, it's only recently that he has become a well-known name. This month he founded the Video Game Sound Creator's Alliance featuring over 40 major Japanese game composers.

In this indepth interview, we take a tour throughout the composer's career. Takenouchi provides valuable insight into each of his projects while telling us about more general experiences about how he pioneered club music within Konami Kukeiha Club, realized the price of security over freedom as a freelancer, and went on to found GE-ON-DAN. It's a valuable read whether or not you are already familiar with him.


Chris: First of all, many thanks for speaking with us today. For those who aren't familiar with you, could you tell us about your musical background? Given your nickname, TECHNOuchi, are you mainly an electronic music or do you have experience in other genres?

Yuji Takenouchi: このようなインタビューを用意していただいたことに感謝します。1989年、コナミに入社したことで、私のゲーム音楽人生はスタートしました。そして、私が最も影響を受けたジャンルTECHNOと、私の本名TAKENOuchiを混ぜ合わせて、TECHNOuchiというあだ名が生まれました。当時のゲーム音楽には存在しなかった本格的なTECHNO MUSICやCLUB MUSICを取り入れることを使命としました。確かに私の作品の初期~中期まではテクノが多いです。しかし、この20年を振り返ってみると、私はテクノ以外の様々な音楽ジャンルの音楽を作っています。私=テクノというのは名前から来る印象が大きいでしょう(笑)

Chris: Reminiscing about your Konami days, your early days were spent in the MSX room. Could you explain what it was like to be part of this big team? Did it feel like a music production factory or was it a more relaxed environment?

Yuji Takenouchi: 音楽教育を一切受けていない私は、音楽の知識が全くありません。楽譜も読めませんし、楽器も弾けません。そういった状態でのスタートでしたので、ハードな毎日でしたし、全ての経験が本当に挑戦でした。私はコナミに入社してファミコンのサウンドを担当したかったのです。しかし実際にはPCゲームの担当になった。この事は最初ショックでした。しかし作っているゲームの品質の高さ、そしてサウンドの良さ、次第に私はPCゲームの担当であることに誇りを持つようになりました。

Chris: Perhaps your most high-profile MSX works are SD Snatcher and Metal Gear 2: Solid Snake. How was it to work with Hideo Kojima's team on these projects? Given these scores were collaborative, just how big was your role and what compositions did you create?

Yuji Takenouchi: どちらのプロジェクトもPCゲーム担当のサウンドスタッフが総勢で曲を作っています。(当時のPCゲーム担当のサウンドスタッフはアルバイトを含め8人ほど居ました。)曲の数は多いですが、各々のスタッフが作った曲数はそれほど多くありません。小島秀夫氏の2プロジェクトにおいて自分自身の曲で最も印象に残っているのは「SDスナッチャー」だと最終ボス戦「メタルギア2」だとゲームオーバーでしょうか。実は、私にとってMSX時代で最も思い入れのあるタイトルは、この2タイトルではなく「スペースマンボウ」なのです。



Chris: After leaving the MSX room, you worked with Konami on a range of Arcade games. Why do you think fans particularly remember your work on X-Men from these years? Were you more exuberant on this score compared to the puzzle and sports games you worked on around the same time?

Yuji Takenouchi: 「X-MEN」は原作がアメリカで非常に人気が高いから、ではないでしょうか?そして、あのようなファンキーでダンサブルなゲーム音楽は今まであまり存在しなかったと思いますし、皆さんビックリされたんじゃないでしょうか?「X-MEN」のサウンドコンセプトはプロフェット深見氏が決定しました。そして私にとって初めてのアーケードゲームサウンドの開発でした。私は自分の持っているリズムプログラミングのノウハウ、そしてFM音源によるサウンドメイキングのノウハウを、「X-MEN」のサウンドに込めました。今でも十分に聴けるサウンドに仕上がっていると思います。

Chris: At Konami, you collaborated with various people who have gone on to become high-profile game composers. Among them, Junya Nakano, Tsuyoshi Sekito, Motoaki Furukawa, and Mutsuhiko Izumi. What was it like to work with these people? Have you followed their careers since?

Yuji Takenouchi: 古川もとあき氏は大変尊敬する先輩で、非常に影響を受けました。氏の紡ぎ出すメロディーとコードは大変シンプルで、かつ印象的であり、本当に素晴らしいのです。泉陸奥彦氏は「ヘンリーエクスプローラーズ」や「スピードキング」で一緒に仕事をしましたが、氏も大変偉大な先輩で、元々は日本でプログレッシブロックのプロミュージシャンとして活躍していたアーティストです。関戸剛氏は「スペースマンボウ」や「SDスナッチャー」などMSX時代に一緒に仕事をしました。仲野順也くんは後輩で、私は彼の教育担当でした。なので同じゲームを担当することが多かったわけです。彼は私が望むものを、きちんと理解して作ってくれました。この4名以外にも、福井健一郎くん、等、沢山の仲間に影響を受け、充実した毎日をおくっていました。

Chris: At Konami, you were also heavily involved in sound design as well as composition. What unique challenges did these roles bring? Did you find working with Arcade machines significantly different than the MSX computer?

Yuji Takenouchi: MSXと違ってアーケードゲームはよい環境で音が聴ける状態ではありません。何度もゲームセンターへ通いロケーションテストなどを行って音作りをしました。またSCC音源から、FM音源+サンプリング音源に変わったことで、音の表現力の幅も広がりましたし、同時発音数も増えました。これによって、自分が表現したいことが、より再現しやすくなりましたし、毎タイトル、新しい試みと新しいアイデア、新しい表現方法を盛り込む努力をしました。KONAMIに在籍した6~7年は本当に勉強になりましたし、今の自分があるのも、KONAMI時代での経験があってこそ、だと思っています。

Chris: In 1996, you left Konami to join a development team at Sony Computer Entertainment. What inspired your decision to leave and how did the experience differ from working at Konami?

Yuji Takenouchi: 当時、SCEが主催した「ゲームやろうぜ」という企画に乗り、私は独立しました。この企画は、給料、事務所の家賃、開発機材、全てをSCEが提供してくれるもので、優秀なチームは法人化までサポートしてくれました。私達は数名でKONAMIという大企業から独立しました。私達、淡水魚は大海原を旅してみたくなったのです(笑)そして大海へと飛び出しました。全てを自分達でやらなければいけないので、明日はもう生きていないかも知れない。そんな緊張と引き換えに得た、開放感の中でノビノビと仕事をすることが出来ました。

Chris: After years of collaborations, you received the opportunity to create your first solo score with the adventure game Circadia. How did it feel to be able to release the soundtrack through Egg Music all these years later? What should listeners expect from the music?

Yuji Takenouchi: 「サーカディア」は日本でのみ発売されたPlaystation用のアドベンチャーゲームです。そして「サーカディア」は私にとって初のPlaystation用サウンド開発の1つでした。(「激走トマランナー」と平行開発)Playstationのゲームサウンドを作る様々な勉強からのスタートでしたので、まだ不慣れな部分も多く、完成度としては満足行くものではありませんでした。しかしゲームの根強いファンからのサウンドトラック発売要望は署名運動にまで発展し、私はそれに応えたいと思いました。ゲームの発売から10年が経過していましたし、私も既にSCEを離れていましたが、早速、EGG MUSICの知り合いと、SCEのシニアバイスプレジデントに連絡を入れました。そして10年もの間、待ってくれたファンの皆さんへの感謝の気持ちを込めて、もし今、「サーカディア」がリメイクされるのなら…を想像しながらアレンジバージョンを制作し、同時に収録することにしました。これを聴いて、「サーカディア」の思い出へのMindscape、そして新たなMindscapeの手助けが出来れば嬉しいです。



Chris: You also worked on the TomaRunner series of adventure racing games. Did you mainly elaborate on your techno style for the first game in the series? What was it like integrating L'Arc~en~ciel music into the band-themed sequel, Gekitotsu Toma L'Arc?

Yuji Takenouchi: 「激走トマランナー」は先述の「サーカディア」と同時に開発していましたが、こちらは私が企画原案から楽曲制作そしてキャラクターの声まで(笑)こなした自分にとっても思い入れが深いタイトルです。任天堂のマリオカートと、シュワルツネッガーの映画ランニングマンにインスピレーションを受けて生み出されました。ゲーム自体はマリオカート等と同じです。ただしプレイヤーは乗り物に乗っておらず走ります(笑)オナラで相手を麻痺させたり、地雷やミサイル、果てはカミナリまで利用して相手を邪魔します。音楽もテクノだけでなく、日本の民族音楽、サンバ、フュージョン、ロックンロール、カートゥーン、バロック音楽、等などバラエティーに富んでおり、制作も、ワイワイ楽しく進行しました。「激突トマラルク」は、「激走トマランナー」をプレイしたL'Arc~en~cielのhydeが大ファンになり、自分達が出演する「激走トマランナー」を作って欲しいという要望を出したことからスタートしました。L'Arc~en~cielも同じソニー系列ですので、話しはスムーズに進行しました。

Chris: On a somewhat related note, you also worked on a line of rhythm games under the 'Bravo Music' line at Sony. How was it to adapt classical music into interactive pieces on these projects?

Yuji Takenouchi: このプロジェクトに関しては、私はあまりよい思い出がありません(笑)私の携わった部分としましては、ゲーム中のデモ部分の音楽制作、そして、クラッシック音楽をゲームでコントロール出来るデータに落とし込んで行く作業でした。むしろ、このプロジェクトの後に担当した
「チェインダイブ(日本国内のみ)」の音楽の方が私にとっては重要です。何故なら、私がゲーム業界に入ってから今までの20年間で、音楽を制作した最も最新のゲームだからです(後で出てくる「デモンズソウル」は効果音のみです)そういった意味でも「チェインダイブ」は私のゲーム音楽の集大成だったと言えるでしょう。



Chris: After becoming a freelancer, you acted as a sound producer for Ace Combat X: Skies of Liberation. Was your direction for this project partly inspired by Namco's scores for the series or did you mainly go in a unique direction?

Yuji Takenouchi: 知人から「エースコンバットX」の音楽制作の話しをいただいた際には本当に嬉しかったです。しかしながら私はこの時点でゲーム業界を一度離れていました。何とスクール運営という仕事に転職していたのです。この仕事が思いのほか忙しくて、仕事を受けたものの、とても作曲している時間はありませんでした。そこで「ゲ音団」でも紹介しています山崎明氏に全てをお願いすることにし、私はあくまで品質管理の部分とNAMCO側とのパイプラインとして機能しました。

Chris: You are currently employed by FromSoftware as a sound designer. Why did you decide to return full-time employment after years of freelancing? Could you explain your activities on a day-to-day basis?

Yuji Takenouchi: フリーランス時代に何度か金銭絡みの嫌な経験をしました。そしてフリーランスは自由であることと引き換えに、保証という部分を失うことになるわけです。明日の生活のことばかりを考えていては、とても創作活動に集中することは出来ません。なので私は自由よりも、保証を選んだのです。

Chris: Your latest game project was Demon's Souls. What do you feel the ambient sound design brought to this project? How was it to work with the PlayStation 3 after working on so many technologically limited consoles and computers before?

Yuji Takenouchi: Playstation2の「チェインダイブ」を作った後、約3年ほどのブランク(スクールの運営へ転職)がありましたが、その間にPlaystationは3へと進化していました。ゲーム業界復帰の第一作でしたので、様々なツールの勉強からはじまり、最新のゲームサウンドに求められるものの研究も含め、非常に大変でした。私にはオーケストラ譜を書く技術もありませんので効果音制作とトータルコーディネーション(音の世界観作り)に専念しています。音楽に関しては「ゲ音団」メンバーでもある、きだしゅんすけ氏です。



Chris: More recently, one of your remixes was published on Psyvariar The Mix album? How were you chosen for this project and what were the aims of your arrangement? Is it true that you also created two unused remixes for this project?

Yuji Takenouchi: 前後しますが、先述の「サーカディア」のサウンドトラック化の話しをお願いした知人からのお誘いで、このリミックスプロジェクトに参加することになりました。実はリミックスというのはSCE時代に「バストアムーブ~ダンスサミット2001~」で経験済みですし、ゲーム音楽ではないですが、私は1997年にベルギーのR&Sレコードから本格的なクラブミュージックの12”をリリースしてデビューしていますので、久し振りに本格的なリミックスが出来ることが大変嬉しかったです。リミックス自体は2~3日で完成しましたが、お遊びで幾つかの異なるバージョンをトラックダウンしてみたのが、それです。元々は発売を目論んでミックスしたものではありません。

Chris: In the last year, you've also contributed remixes to the various Cave arranged albums. How do you manage to create such simultaneously stimulating yet relaxing electronica on these albums? Do you think there could be more albums announced in the future?

Yuji Takenouchi: 上でも触れましたが、おそらくクラブへ向けた本物のクラブミュージックを海外のレーベルからリリースしているゲームサウンドクリエイターは、日本では私一人だけだと思いますし、最初に「ゲームミュージック」と「本格的なテクノ」を融合させたのは私だと思います。しかし先述の転職のこともあり、「チェインダイブ」以降は全くクラブミュージックを作っていなかったので、CAVEさんに提供させて頂いたリミックスの際は、本当に楽しんで作ることが出来ました。今年の11月に「虫姫さまふたり 1.5」がアレンジサントラ2枚組がついて初回限定版で発売されますので、それで私のCAVE3部作が完結します。

Chris: Recently you have set up the Video Game Sound Creator's Alliance featuring more than 40 high-profile composers. What is the purpose of this organisation and what should we expect from it? How did you gain the participation of all those involved?

Yuji Takenouchi: この同盟を作った目的はゲームサウンドクリエイターの横繋がりの強化です。ゲーム会社に所属していると、あるいはフリーランスでも余程アクティブに営業活動をしない限り、なかなか同業他社のクリエイターと知り合う機会はありません。私も以前は重い腰をあげようとはしない人間でしたので、こういった繋がりに重要性を感じていませんでした。その重要なこととは、競争のない状態で成長はあり得ないということです。競争相手は誰でもいい訳ではありません。仲間でありライバルである必要があるのです。そういった意味でも、「ゲ音団」のメンバー同士は、よき仲間であり、よきライバルに成り得る、という訳です。同じ会社内でのサウンドクリエイター同士の場合は、よき仲間ではあるものの、あまりライバルに成り得ません(笑)

この同盟に入ったメンバーは何かをしなければいけない、という決まり事など一切ありません。しかし、自然発生的に、何かが起こると信じています。それは、コラボレーションであったり、ライブイベントであったり、…私自身も全く予測がつきません。ただ1つ言えることは、一人が動けば必ず変化が起こるということです。そしてその変化はゲームサウンドクリエイターの皆さんに様々な向上をもたらすでしょうし、波紋は各々のファンの方へも広がりを見せると思います。大きな変化が必ず起こります。

Chris: The sound alliance seems to have formed a collaboration Video Games Live. What will this alliance bring to both parties? What was it like experiencing the tour's debut in Japan?

Yuji Takenouchi: 「ゲ音団」の数名は、VGLを通して初めて繋がりました。そして私達ゲームサウンドクリエイターは、Tommyに大変感謝していますし、これからも応援して行きたいと思っています。今年が初のVGL日本公演でしたが、また来年以降、何らかの形で彼らのサポートが出来ればと思っていますし、日本ならではのコラボレーションも考えられるでしょう。可能性は無限に広がって行くのです。

Chris: Thank you very much for your time with us today, TECHNOuchi. Is there anything else you would like to say to your fans around the world?

Yuji Takenouchi: こちらこそ、ありがとうございました。私の担当したゲームは非常にマイナーなものが殆どですし、日本国内でもTECHNOuchiという名前を覚えている人は殆どいません。なのでゲーム音楽に関してTECHNOuchiを知ってる人は世界中に殆ど居ないのではないかと思われます(笑)しかしそれは今までの話し。今年のCAVE3部作が反撃の狼煙と受け取ってもらえればと思います。とまぁTECHNOuchiうんぬんよりも、世界中でゲーム音楽を愛聴して下さっている皆さんに、感謝の気持ちを伝えたいと思います。本当にありがとうございます。これからも日本のゲーム音楽を、どうぞよろしくお願いします。そして「ゲ音団」のメンバーの活動にも注目して下さい!

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