小田玄紀です

昨日、リリースがされましたが明日7月1日付で東証マザーズ上場のリミックスポイントの代表取締役副社長に就任致します。

同社の社外役員を4年前に引き受けてから、最初は他人事でしたが、いつしか自分事になり、多くの方に関わって頂き1つの動きが生まれつつあります。

昨日から多くの方から様々な観点でご連絡を頂いたので久しぶりにブログ更新を含めて、今回やろうと考えていることをお伝えします。

自分にとって、リミックスの経営を中心としたこの数年の動きは3つ目のチャレンジです。

1つ目のチャレンジは15年前。学生時代に起業し、その後事業を売却した資金を基にベンチャー投資をはじめた時のことです。

当時はベンチャーを取り巻く環境は今よりもっと厳しい環境でした。銀行口座も作れない、企業は基本相手にしない。ベンチャーキャピタルも名ばかりで、投資にあたり3期分の決算書を見て判断・・・という時代でした。

多くのベンチャーキャピタルが、「今はバイオ系が株価がつくからバイオ系のベンチャーに投資をする」と言ったような明らかに間違った投資基準を打ち出したり(投資からエグジットまでは時間がかかるので、この判断はベンチャー投資には向かないことはその後すぐに証明されました )、「他のVCが投資したらうちも投資する」といったような起業家を支援するベンチャーキャピタルは一部のエンジェル投資家を除いてはほぼ皆無でした。

そうした中で、「これから起業をする人に対して投資が出来るようなベンチャーキャピタルが日本には必要」という考えのもと、起業前の人に対する投資や相談を行うようになりました。

初めは「そんなこと、上手くいくわけない」「起業したい人の情報なんて集まるわけがない」と言われ多くの人が辞めた方がいいよとアドバイスをしてきました。

ただ、結果的には多くの起業家予備軍が集まり、起業時点または起業直後のベンチャーに対して投資をすることが出来ました。

また、ベンチャーキャピタルがどういう会社に投資をしたいかということも肌身を感じて分かっていたため、起業1年間でベンチャーキャピタルが投資したくなるような企業にすることを意図し、自分が投資した企業に対して多くのベンチャーキャピタルが投資をしてくれるようになりました。

同じようにシード段階のベンチャーに対して投資をしようとする投資家も増えたため、今ではベンチャー投資の流れは変わりました。

ベンチャーキャピタル、会計士、弁護士、金融機関が起業家に対する支援を強化し、設立直後のベンチャー企業も一企業として見なされるようになりました。

まだ完全でないところもありますが、当時やりたかったことが実現されつつあると感じています。

2つ目のチャレンジが社会起業家の支援です。

自分と同世代の若者(35歳で若者と言っていいかは別として、10~15年前のことなので一応若者です )は起業して金儲けをすることよりも社会貢献をすることにモチベーションを強く持っていました。

ベンチャー支援をしていた際は年間500人位の起業相談を受けていましたが、その中で4割位は企業よりもNPOや社会貢献活動に関連する活動をしている方でした。

ただ、当時は社会貢献活動は政府や国連、または赤十字といった信用がある組織がやるものというのが一般的な考えであり、学生や若者がやるNPO活動は怪しい・・・そんな時代でした。

他方で従来からあるNPOや政府機関はどうしても新しい挑戦には保守的であり、また、これらの活動を支援するはずの財団も「人件費には寄付が出来ない」「同じ団体を複数年度に渡って支援すると優遇していると見なされるため1年間しか支援できない」と言ったズレた理由から若者の社会貢献活動は限界がありました。

そのような中で、ただの社会貢献活動をする人と寄付する人という枠組みでなく、社会的課題の解決を事業を通じて行うことを普及させれば、財団以外の支援者も集まり、また活動の幅も広がるのではないかと考え、この取組みをしていきました。

同じような考えを持った仲間がそれぞれ動き、ソーシャルベンチャーパートナーズの立ち上げや社会起業家という言葉が少しずつ知られるようになってきました。

また、以前では考えられないことですが若者の活動にも多額の寄付を含めた支援の手が個人や企業からも集まるようになりました。

例えばカンボジアでの児童買春を撲滅する活動を行ったかものはしの村田さんや病児保育の取組みを行うフローレンス駒崎さんなどは同世代ですが、10年前では彼らの活動がここまで受け入られる土壌はありませんでした。


これらのチャレンジは当然、自分1人で取り組んだものでもなければ、自分の動きがこの結果を生んだとは思っていません。

ただ、何らか活動をすることで確実に社会は変わるということを実感することが出来ました。

前置きが長くなりましたが、これらの経験を踏まえて、今の自分のチャレンジは「再チャレンジが当たり前になる世の中を創ること」です。

優秀な経営者も時には失敗をします。中には自己破産したり、場合によっては逮捕されたりする人もいます。

ただ、そうした過去の事実をもってその人の将来が永久的に否定されることは間違っていると思います。

例え、どんな間違いを犯したとしても、大事なことはそれを踏まえてどう生きるかがより重要です。

今の日本では失敗に対してあまりに不寛容であり、コンプライアンスという名のもとにこうした人達や企業に対する風当たりが異常な程厳しくなっています。

ベンチャー支援、社会起業家支援を通じて自分がやりたかったことは「頑張る人が報われる」ということを誰しもが当たり前に思えるようにすることです。

これまで2つのチャレンジは結果的に実現されつつあります。そしてこの2つは今や多くの方が動いてくれています。

一度失敗した人や企業が再チャレンジをして受け入られるようになること。これが実現すればもっと日本は明るく、可能性に満ちた国になると考えています。

リミックスは以前は多々課題を抱えた会社でした。ただ、「課題=悪いこと」ではなく「課題=解決すべきこと」です。

4年前に社外役員に就任した際は、多くの人が辞めた方がいいというアドバイスをしてきました。今回も何人かは「大丈夫?」と言ってきました。

ただ、起業前のベンチャー支援をはじめた際も社会起業家支援をはじめた際も多くの人が辞めた方がいいというアドバイスをくれましたが結果は今の社会が証明してくれています。

この取組みは1つの一歩に過ぎません。ただ、この取組みをすることで、他の人も再チャレンジを応援するようになり、3~5年後には失敗した人が再チャレンジすることが当たり前になる世の中になっている。そんな気がするからこそ、リミックスの代表取締役に就任させて頂きました。

この判断が正しいかどうかは重要でなく、この判断が正しかったと証明することが重要だと考えています。

そのために明日から仕事に取り組んでいきます。

2016年6月30日
小田玄紀


AD