まいどおおきに。
こちらは修理でお預かりしたズーマーです。
10年ほど乗らずに放置していたそうですが、また必要になったので走れるように整備して欲しいというご依頼です。
バッテリーやプラグの交換、キャブレター清掃などユーザーさんがDIYで色々整備された結果、エンジンは始動したそうです。しかし調子が出ないので断念されたという経緯です。
まずはキャブレターから再度分解してみます。
シートレール、フロアーパネルを取り外して・・・
こちらがキャブレターです。
あちこちにDIY整備で苦労された跡が見えます。
取り外したキャブレターを分解してみます。
市販されているクリーナーで清掃されたのが臭いで分かりますが、まだ汚れが残っています。
ジェット類など燃料の流路も貫通はしていましたが汚れが完全に取り切れていない箇所がありました。
もう一度全部分解して業務用の強力なクリーナーで洗浄し直します。
その間に配管やワイヤーハーネスを点検します。
保管状態が良かったのでしょう。経年劣化はさほど進んでいませんでしたが、取り回しを間違えていた箇所がいくつかあったので直しておきました。
燃料タンクが錆びていたのでご自身でサビ取りを行なったそうです。
給油口から見た限りではそこそこキレイになっていましたが・・・
外して点検し直すとタンク内の側壁や天井部分がサビサビでした。
燃料レベルのセンサーもご覧のとおりサビサビです。
せっかく頑張ってサビ取りしていただいたのですが、こうなると手遅れですからタンクを交換します。
燃料フィルターやポンプをチェックしようと思ったら、見覚えのあるパーツが出てきました。オートチョークのカバーです。なるほど、うまくカプラーにはめ込まれていますが・・・
ここに装着するのが正解です。
ガスケットやOリングもダメになっていたので交換します。
燃料フィルターも清掃します。
取り切れていないサビがたくさん溜まっていました。
そうこうしている間にキャブレターの汚れが落ちました。
やはり業務用は強力ですね。
軽い汚れなら市販のクリーナーでも頑張れば落ちると思います。
エアクリーナーも開けた形跡がありましたが・・・
エレメントが何故かオイル分を吸っているので交換します。
乾式エレメントは湿らせると吸気不良を起こします。
他にも色々点検して再度エンジンを始動させます。
今度は安定するようになりました。
軽くテスト走行してエンジンの調子と車体全体をチェックします。
駆動系も点検した方が良さそうなので、ユーザーさんへご連絡した後に分解します。
ウエイトローラーは摩耗が進んでいるので交換します。
ベルトも経年劣化してひび割れだらけです。
プーリーは放置している間にサビが発生していました。
このままではベルトにダメージを与えてしまうので研磨してきれいに仕上げます。
組み上げたら再びテスト走行して作業完了です。
DIY整備は楽しいですね。
今回は惜しくも途中で断念されましたが、10年熟成モノをエンジン始動を確認出来るまでに整備されたのは立派です。
自分も本職になる前は休みの度に自分の車やバイクをいじったものです。
あれこれ悩みながら苦労して調子が良くなった時は大いに達成感を感じますし愛着も湧きます。
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