夏の定番 エンジンの冷却トラブル修理(ヤマハ VOX)  | 原付専門店日野オートバイブログ「日野の本音」

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まいどおおきに。

6月も後半に入り、ここ奈良でも日中の気温が30度を超えてきました。

そろそろ増えだすのがエンジンの冷却にまつわるトラブルです。

主に水冷エンジンで発生しますが、今回ご紹介する修理もその一つです。

まさしく箱のような個性的デザインのヤマハVOX(ボックス)です。

 

走行中に水温警告灯が点灯するようになったとの事でご入庫いただきました。

右端の赤いランプです。

 

リザーブタンクはからっぽです。

 

ラジエターキャップを外してみてもクーラント液面は見えません。

 

ホースを外してラジエターとエンジン内のクーラントを排出させてみましたが、たったこれだけしか出てきませんでした。

本来は1L近く入っているはずですがどこへ消えてしまったのでしょう?漏れている形跡もありません。

 

エアクリーナーを開けてみると水が結構溜まっていました。

これはブローバイホースから回ってきた水蒸気が液化したものです。本来はエンジンオイルに含まれた未燃焼の燃料(ブローバイガス)を環流させて再燃焼させるためのものなんですけどね。

 

その他色々とチェックしてだいたい原因が分かりました。

まずはステップから後ろの外装を取り外します。

 

これはウォーターポンプ、クーラント液を循環させるための装置です。

白いヘドロみたいなのは水と混ざって乳化現象を起こしたエンジンオイルです。

 

ウォーターポンプを分解しました。

オイルシールが破れており、インペラーシャフト(羽根車)は錆びています。ここから水がエンジン内に漏れ出していたようです。

 

オーバーホールが終わったウォーターポンプです。オイルシールやベアリング、インペラーシャフトを交換しました。

 

次にシリンダーヘッドを取り外します。

 

シリンダーヘッドとシリンダー間の気密を保つためのガスケットがあるのですが・・・・

 

取り外したヘッドガスケットです。黒いパッキン材が一ヶ所剥がれてしまっています。

吹き抜けと言いますが、破れたり歪んだりして気密性がおちるとシリンダー周囲に循環している冷却水が燃焼室に入ってしまいます。

このガスケットはもう少しで完全に吹き抜けるところです。

 

シリンダーヘッド組み付け時にはバルブタイミングを確実に合わせます。これがずれてしまうとエンジンが絶不調になったり始動不能を起こします。

 

ウォーターポンプなどを組付けたらクーラント液を入れてエンジンの始動を確認します。

 

最後にテスト走行してランプが点灯しなければ作業完了です。

今回は早期発見出来て良かったですが、このままの状態で乗り続けているとオーバーヒートでエンジンが焼き付く場合もあります。

 

 

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