北海道で働く女社長の夫の蝦夷日記

国際政治から映画・音楽・地元の温泉やラーメン紹介まで。難しい話は分かりやすく、がモットーです。


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今回は天文ネタ。

子供の頃は夜空を見上げて星座を探すのが結構、好きでした。ド田舎に住んでいたので星がよく見えた、という事情もあったしね。

特に明るく輝く一等星の名前はよく覚えていて、何百年もかかって到達する瞬きを見つけては、宇宙の途方もない拡がりに想いを馳せたものです。

 

さて、この時期に見える星座の代表格と言えばオリオン座。一等星を二つ持つ大変立派な星座ですが、実はそのうちの一つが間もなく超新星爆発を起こしそうだ、というのです。

超新星爆発とは、質量の大きな恒星がその一生を終える時に起こす大爆発で、大まかに分類するとⅠ型とⅡ型があります。夜空に突如として明るい星が出現したかのように見える為、「超新星」という表現が使用されていますが、別に新しい星の誕生現象ではありません。

 

その星の名は赤色超巨星・ベテルギウス。

オリオンの右肩に相当する赤い星で、もう一つの一等星リゲルとは有名な三つ星を挟んで対角の位置にあります。

 

本田技研工業「Hondaキャンプ・アウトドア図鑑」HPより

 

地球からの距離は約640光年。質量は太陽の約20倍ですが、直径は太陽の約1000倍で、仮にこの星を太陽の位置に置くと外周は木星軌道の近くにまで達します。冥王星の位置に置いたなら地球からはこれくらいの大きさで見えるみたいですよ。

 

 

上の合成図のベテルギウスはきれいな球形ですが、実際はかなり歪な形をしています。

下図は南米チリのアタカマ砂漠にあるアルマ望遠鏡で捉えたベテルギウス。今年の夏に公開されました。

 

提供:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)/E. O'Gorman/P. Kervella

 

何だか左側に瘤みたいのが確認出来ますね。これは数年前から想像されたベテルギウスの姿とほぼ合致しています。

 

2011年11月25日放送 NHK「サイエンスZERO」より

 

太陽よりも質量の大きい恒星は核融合反応が激しく、それゆえに一生は短いと考えられています。ベテルギウスは非常に大きい為、その推定寿命は約1000万年(太陽は約100億年)。しかもその寿命を殆ど使い果たしたとの事。また脈動変光星(膨張と収縮を繰り返し、その為に明るさが異なって見える)としても知られており、星として現在非常に不安定な状態となっています。

 

一般に恒星は核融合(軽い水素やヘリウムが使用される)の際に生まれる膨張力に対し、星自身の重力で大きさのバランスを保っています。水素やヘリウムがなくなると重い元素である炭素や酸素、窒素を用いて核融合を続けるのですが、この場合の核融合反応では恒星に作用する力の均衡が崩れるので、恒星は膨張し出します。そうして巨大になったものが赤色巨星・超巨星と呼ばれる星の姿。

やがて燃料として重い元素も使い果たすと、恒星の核融合反応は当然ストップします。そうなると膨張力がなくなる為、今度は恒星自身の重力で逆に収縮を開始し、最後は中心部が重力崩壊を起こして大爆発に至ります(Ⅱ型超新星爆発)。

因みに太陽の場合そのような最期は迎えず、超新星爆発を起こすのは太陽の約8倍以上の恒星なんだとか。

 

ところでベテルギウスは2009年の観測当時で、15年前の測定時と比べて15%も小さくなっているらしく、それが「脈動の過程」のものなのか「最期の収縮期」に入っているのかは、はっきりとは分かりません。

 

梅之助は最近まで知らなかったのですが、コブクロの歌に「ベテルギウス」というのがあって、

「オリオンの右肩に輝くベテルギウスはもう無いと♪

知らずに僕等は今日も見てる 500年前の光を♪」

と歌われているそうですね。

そう、今、見ているベテルギウスの瞬きは京都に足利将軍がいた頃の姿。

今現在、とっくに大爆発していたとしても何ら不思議ではないみたいです。

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ここ2~3日の北海道は天候が不安定なところに寒気が上空に入り込んできて、ぐっと気温が冷え込んでいます。

そして遂に標高の高い山々に初冠雪の便りが聞かれるようになりました。

 

9月29日 NHK より

 

まず、利尻山が昨日の29日に確認。

そして今日朝起きてみると、自宅窓から見えた大雪山・十勝岳連峰の上部が白くなっていました。

 

大雪山旭岳の初冠雪  9月30日毎日新聞 Web版より (旭岳ロープウェイ提供)

 

大雪山旭岳の初冠雪はそれでも昨年より1日、平年と比べ5日遅い観測との事です。

やだなぁ~、夏に買ったストーブが遂に出番かなぁ~。

 

因みに初冠雪とは、夏が過ぎて気象台や測候所から対象となる山(全国で約80)を見た時、山頂付近が白くなっているのが確認される事で、初雪とは意味合いが異なります。

 

明日から10月。北海道では平地でも初雪が観測される月です。

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昨年のNHK大河ドラマ「真田丸」の平均視聴率は16.6%だったそうで。

近年の傾向を鑑みると、まずまずなんでしょうね。

さあ、今年の「おんな城主 直虎」はどうなる事でしょうか?今のところ、少し苦戦気味って聞いてはいるけれど。

そもそも井伊直虎って何か大きな歴史に少しでも絡んでいるのかな?

でなければ、吉田松陰の妹の二の舞になりそうな。。。

 

(左)NHK 「真田丸」 (右)「おんな城主 直虎」

 

と言いつつも、梅之助は視聴率が気になるほど大河ドラマに関心を持っている訳ではありません。第一、ここ最近は殆ど観てもいないし。

一応、以下に梅之助が少しでも観たNHK大河を列記しておきます。尚、後年レンタルなどで観る事もしていません。

 

1980年 「獅子の時代」 ほぼ通して  

今振り返ると、随分左翼臭の強い作品。ただし中学生だった梅之助は、会津出身の主人公の生き様に魅力を感じつつも、当時の明治政府には同情的でした。この頃から歴史上の悲劇的な出来事も「良い」「悪い」ではなく、「歴史の無情」としてそれなりに客観視する感覚が備わっていたようです。

 

1981年 「おんな太閤記」 半分くらい

純粋に面白かった印象。ねねに秀吉との子があったならなぁ、と気の毒に思いましたが、原因は秀吉にある事を後年知りました。茶々の子供、どう考えても種は秀吉じゃないでしょ?

 

1984年 「山河燃ゆ」 ほぼ通して

戦中もの。当時からこの時代に関心がありました。大筋でしか内容を覚えていませんが、細かな描写では批判すべき内容は多いだろうなぁ。主人公の最後の決断にはびっくり。

 

1988年 「武田信玄」 1/3くらい

中井貴一さん、信玄とビジュアル合わねぇ~と思いつつ観た記憶があります。最終回の上杉謙信の描写(祈祷場面)に戦慄。演じた柴田恭兵さんを立派な俳優だと認めた瞬間でした。

 

1995年 「八代将軍吉宗」 数回

1996年 「秀吉」       数回

1998年 「徳川慶喜」    数回

2004年 「新選組!」    数回

2008年 「篤姫」       数回

これらはかじった程度に数回観ただけ。大河で実在の人物が主人公ならば、時系列上の史実を知っているので、たまにポツリと観てもある程度は理解出来ました。

 

さて、NHK大河がブームになったのは1980年代後半。視聴率で見ると上から、

 

1位 39.7% 1987年 独眼竜政宗

2位 39.2% 1988年 武田信玄

3位 32.4% 1989年 春日局

 

となっています。

ところが、1990年の「翔ぶが如く」では23.2%とガターン。

 

NHK 「翔ぶが如く」より

 

NHK大河は日本歴史の動乱期から主人公を選ぶ事が多いので、当然そこは一に戦国期、二に幕末期という頻度に落ち着きます。そしてこれは昔から言われていたのですが、戦国物は視聴率が取れる一方、幕末物はイマイチという現実。

2000年代以降の大河ドラマはネット普及などメディア多様化によるテレビ離れや、視聴者層の特徴を無視したマイナーな女性主人公の登用が空振りに終わるなどの要素が加わって、どの時代設定でも総じて苦戦気味になっている為に一概には言えなくなるのですが、それ以前はハッキリと先に示した傾向が見て取れます。

 

梅之助などは逆に私利私欲の動機で動く戦国物はあまり興味を持てず、保身を捨てて「公」の為に奔走した幕末の人たちの方に情が行くんですがね。よって司馬遼太郎の小説も幕末物の長編は殆ど読んでいますが、戦国物は全く手を付けていません。

幕末物の視聴率が低いのは、幕末の帰結としての明治維新以降に対して低評価を下しがちな左翼史観の影響があるのかなぁ、などと個人的に推察していました(尤も、梅之助もファナティックな長州系の英雄には情がさほど行かず、どちらかと言うと佐幕側の人々に歴史群像としての魅力を感じています。ただし明治維新に否定的ではありません)。

 

(左)「真田丸」で小早川秀秋を演じた浅利陽介さん (右)小早川秀秋像 (高台寺所蔵 Wikipediaより)

 

しかし最近、ふとした事から「関ヶ原の戦い」の歴史番組を観たり、その解説を読んだりしていると、これが思ったより面白いんですね。

例えば「日本三大裏切り者(注:ブログ記事の末尾参照の事)」とされる小早川秀秋の行動とその気持ちを想像すると、人間ドラマとして大変興味深いものがあります。欲や保身、石田三成に対する忸怩たる思いとか、こういうのってレベルこそ違えど我々の日常生活の中でも、しょっちゅう出っくわす感情ではないでしょうか。

つまり戦国大名たちのその時々の決断と心情的背景は、案外現代人の日々の感情の中にも相通じるものがあるという事です。

 

一方、多くの幕末志士の行動理念は「公」の為、「国」の為。それは崇高で尊敬すべきものではあるものの、聖人君主ではない現実を生きる市井の人間すべてが常に持ち合わせているものでもありません。梅之助はそういうの好きなんだけれど、やはり「公」の為に命を投げ出す人々って切なすぎるんだよね~。

そういったところから、おのずと心情的な距離感を持つ視聴者が一定数出てきても不思議ではないのかもしれません。所詮、人間とて本能に忠実な生き物ですからね。

戦国物・幕末物の人気・不人気の差は、先に梅之助が漠然と考えていた要素に加えて、こんなところにも原因があるのではないかと最近は思い至るのです。

 

さて、2018年のNHK大河は幕末物の「西郷どん」だそうですね。

多分観ないと思いますが、個人的には大久保利通のひげ面をどなたがやるのか楽しみです。

 

(左上)2015年NHK朝ドラ「あさが来た」の柏原収史さん 

(右上)1990年NHK大河「翔ぶが如く」の鹿賀丈史さん

(左下)1987年日本テレビ「田原坂」の近藤正臣さん

(右下)1980年NHK大河「獅子の時代」の鶴田浩二さん

 

意外とよかったなと思うのは近藤正臣さん。「田原坂」は梅之助、何度も観ましたよ。柏原さんは大久保にしては少々若いし、表情がすっきりとしすぎています。まあ、出番が少なかったのは残念。鶴田浩二さんは逆にちょっと年齢がいっていて重厚すぎるかな。

大して観てはいないけれど、先の1枚と合わせて鹿賀丈史さんが一番ハマっていたと思います。

 

 

注:「日本三大裏切り者」とは

「関ヶ原」の小早川秀秋、「本能寺」の明智光秀の2名は確定的であるが、もう1人は意見がマチマチである。最近のネット上では「スマップ解散」の木村拓哉氏を挙げる声が多い模様。何とも木村氏にとっては気の毒な限りである。

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昨年冬に顕在化したDeNAの不祥事は、成長事業として位置付けていたキュレーションサイト(まとめサイト)において根拠に基づかない不適切な記事内容と、大量の引用・盗用による著作権侵害問題の主に二本立て。
特に発端となったサイト「WELQ(ウェルク)」は医療記事を扱っていたので、専門家の監修によらない粗雑な記事の掲載が、世間から大きな非難を浴びました。現在は「WELQ」を含む10ヶのDeNA運営のキュレーションサイトが閲覧停止になっています。
昨年の12月7日の謝罪記者会見でDeNA側は、守安功社長、南場智子会長、小林賢治経営企画本部長が出席して、早急に第3者検証委員会を立ち上げ、事実調査と再発防止に努めるとの事です。
 
DeNAキュレーション事業の責任者のお二人 (サイト「Gigazine」より)
 
会見を見ていて梅之助が気になったのは、記者からの次の主旨の質問。
「DeNAではマイコード(遺伝子検査)やエニカ(カーシェアリングアプリ)のように、ユーザとの対話を重んじながら行っている新事業がある中で、なぜキュレーション事業だけがこんな事になったのか?」
それに対し、守安社長は
「第3者委員会でキュレーション事業はもちろん、それ以外の事業も調査の対象にして、企業風土や文化に問題があるのか調べていきたい」
と慎重に答えています。
ハッキリしているんですけどね。集まった記者たちもDeNA側も皆それを知っている。
キュレーション事業担当の村田マリ役員の倫理観が事業に大きく影響してしまい、DeNA上位経営陣も彼女に対してグリップを効かせられなかった、或いはその努力を行う一瞬の自戒を怠ってしまった。これが直接的原因でしょう。記者会見に担当役員が出て来ず、しかも「健康問題」と称して引きこもっているって、どういう事!?
 
DeNA謝罪記者会見 (サイト「ホウドウキョク」より)
 
元々DeNAのキュレーション事業は、2014年にシンガポールに居住する村田マリ氏のキュレーションサイト会社「iemo」などを買収する形でスタートしています。買収を持ちかけたのは村田氏側で、彼女の本質は「起業売却家」なのだそうです。つまり自ら起業して、軌道に乗ったら高値で大手に売却し大金を得る。その繰り返し。羨ましいほどの才能の持ち主ですね。
DeNA買収後の彼女は同社のキュレーション事業担当役員に就任します。DeNA側がこの話に乗ったのは、ゲーム事業の衰退(同事業の営業利益は2013年3月期の768億円が、2016年3月期では200億円を切っている。ネット業界というのは本当に恐ろしいスピード世界だ)により、収益の柱となる新規事業の立ち上げに迫られていたからでした。そういえば、LINEを追撃する予定だった同社の「comm」も、あれほどTVCMを見たけれど、いつの間にか消滅してしまいましたよね。
 
いつの間にか消えてしまった「comm」 (「ミライFAN」サイトより)
 
これ以上、今回のDeNAの不祥事及び村田マリ氏に関する具体的な内容には触れません。名の知れた経済情報サイトからだけでも、ネット検索で十分詳細を知ることが出来ますし、村田氏をどうのこうの言うのがこの記事の目的ではないので。
問題はDeNA側です。
どうして村田氏のような異分子を取り込んでしまたのか。また、取り込んでしまった後に軌道修正が出来なかったのか?
外的要因は色々あるでしょうが、より本質的な内的要因は明確で、DeNA側に或いは創業者である南場氏に、「社会に対するDeNAの存立理念」というものがあまり見えてこない事です。
これは先日紹介した南場氏の著書「不格好経営」を読めばよく分かります。
 
「不格好経営」では創業時の苦労や、創業者の「人と組織」の考え方、社内の雰囲気、創業者の外的目標への考え方(例えば「狙ってもなかなか達成できないような難しいことが、狙わずにできるはずがない、大きい試合をしよう」「その先に常に見据えているのは、グーグル超えだ」など)がよく伝わって来ます。共感も出来ます。
しかしインターネットを通して、「DeNAの商品、サービスを通して世の中の人にこうなって欲しい、こういう世界を味わって欲しい」という、根本理念というか哲学が書かれているようには思えなかったのです。これを「崇高な理念」として、現実論的に一蹴する考え方もあるかもしれませんが、梅之助にはそうは思えません。
例えば、どちらかというと個人的には好きな方ではないですが、ソフトバンクの孫正義氏が携帯電話事業に乗り出した時、外的目標としては「通信業界世界一」を内に秘めていたと思います。と、同時に彼が目指したのは「携帯電話をもっと安く使ってもらいたい」という、世間に対する有用で明確な役割を引っさげていたのが思い出されるのです。
 
無論、南場氏にそれが「ない」とは言いません。しかし最初の著書に出て来ないようならば、または読者にその思いが伝わらないのならば、やはり南場氏自身にはその哲学の弱さがあったんじゃあないかな、と思ってしまうのです。少なくとも本を出版した時点では。
そしてこのDeNAのDNAが、組織に異分子が入り込もうとする時に排除基準にならなかったり、現実的戦略として組織に入れざるを得なくても、その後の軌道修正基準になり得なかった、或いは気付けなかった、のではないでしょうか。今回問題となった異分子は根っからの「起業売却家」で、世に対する自分の企業の存在意義といった哲学を持ち合わせていたとはあまり思えない人でしたからね。
 
DeNAの企業ロゴ (サイト「企業TV」より)
 
人間、大部分の人が聖人君子ではないですから、ゼロから起業する最初からその崇高な哲学などは持ち合わせてはいないでしょう。殆どの人が「あっ、これやったら儲かりそう」という動機で出発するものだと思うし、中小企業の段階ならばそれも無理はないと考えます。
ただやはり企業が成功して成長する過程において、社会に対する存在責任が大きくなってきたならば、後付けでもいいからその「企業の存立理念」をしっかりと規定すべきだと思いますね。ましてや、国の諮問委員会などに名を連ねるような会社ならば、絶対に明確なものが必要だと思います。そしてそれは全ての人に必ずしも受け入れられるものでなくてもいいと思います。評価するのは世間ですから。
DeNAもそれはどこかの機会で当然やられているとは思うけれど、まだまだ弱かったんじゃないかなぁ。
 
昔から日本には「実業」と「虚業」という考え方があります。人それぞれで捉え方が違うでしょうが、一般的には「実業」はモノを作ったり売ったり、または堅実な職業だったり。一方の「虚業」は土地ころがしとか株式トレーダーだったり、場合によってはITビジネスの一部も含まれたりするのが世間のイメージではないでしょうか。そういえば、2000年代中盤にホリエモンこと堀江貴文氏が世間で注目を浴びていた時は、彼を「虚業」と叩く人がいましたね。まあ、堀江氏もその後いろいろあって、当時の彼を「虚業」と呼ぶのが相応しかったのかどうかは分かりませんが。
梅之助が個人的に考える「実業」「虚業」とはこうです。
「実業」とは、世間に自身の企業の存立理念を明快にコミットメント出来る会社、仕事。
「虚業」は逆で、それが出来ない、或いはする気がない会社、仕事。
さて、DeNAがそのどちらに該当するのか、それはまだ梅之助にも明言できません。でもこの会社には今回の不祥事を機に立ち直って欲しいと思います。基本的には梅之助、南場氏に悪い感情ありませんから。
 
ついでだから、少し話は変わります。
梅之助は日本の企業がグローバル企業を目指すのは全然構いません。会社を大きくしようとするならば当然でしょう。しかし、日本で成功し、ある程度儲けたら税金逃れの為に、例えば拠点をシンガポールに移してしまうような発想の一部のベンチャー起業家は大嫌いです。もちろん、DeNAがそうだと言っているのではありませんよ。DeNAはしっかりと日本国内に根ざしており、南場氏も著書の中で「ニッポン大好き」「愛国心が強い」と述べています(その具体的な内容は分かりませんが)。
先人の血の上にある平和な国土で育ち、日本の高い教育水準・制度の恩恵を受けた者は、この国に償還すべきものがあると思うんですよね、特に成功者は。税金っていう形で。
 
以上、ド素人が勝手に自分の考えをつらつらと書かせて頂きました。
 
更についでとして、最後に。
これは全くDeNAの件とは関係ありませんが、せっかく梅之助には珍しく企業記事を書いたので、こういう企業間エピソードも紹介しておきましょう。
任天堂をを世界的メーカーに押し上げた山内溥氏が2013年9月19日に亡くなった際、翌日の9月20日の朝日新聞紙上では「評伝 花札からテレビゲームへ」と題する文章が掲載されました。
 
 
いい話ですねぇ。日本以外ではありえない話。
この新聞画像がネットに流れた時、ツイッターなどではかなりリツィートされるなど話題になりました。梅之助も当時、「お気に入り」(今は「いいね」)に入れちゃいましたよ。
ただしこの話はちょっとばかりオチがあって、どうもこの事実は今のところまだ確認されていないようです(詳細は→「KandaNewsNetwork」参照)。
朝日~ぃ、いい話なんだから、ちゃんとウラとってくれ~!
 
 
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何でこんな事になってしまったのだろうねぇ・・・
 
実は若かりし頃の梅之助は、このグループのエンジニアでした。
勉強の出来が良くなかったので、本社入社を希望するような身の程知らずではありませんでしたが、新卒でここの子会社に入社し、このブランドを背負って首都圏の事業所にて勤務しました。子会社といっても、当時で従業員は確か三千人位。本社を除くと、系列グループの中でも従業員規模でかなり大きな部類だったと思います(後に同系列グループの同規模会社と合併して、現在東証一部上場)。
数年勤めて個人的事情で退社しましたが、その会社での日々に悪い思い出はなく、それ故ずっとこのグループに対しては親近感を持ち続けてきました。
よって記事中の当該企業に対しては、少々甘いスタンスになるかもしれません。どうぞご容赦ください。
 
2015年の不正会計発覚問題からようやく立ち直りの兆しを見せ、現在の稼ぎ頭で虎の子のフラッシュメモリ事業にも大型設備投資を行う動きを見せていた東芝が苦境に立っています。
まずは朝日新聞より。
 
当該記事は→こちら
 
なんと米国の原発事業で7000億円規模の損失という、再建途上の東芝は致命傷ともいうべき傷を負ってしまいました。詳細は決算発表の2月14日に明らかにするそうですが、直接的な原因は米原発子会社ウェスチングハウス(以降:WH)が2015年末に買収した建設工事会社の買収後の費用が膨らんだと朝日の記事にあります。上の記事には具体名は書かれていませんが、その建設工事会社はCB&Iストーン・アンド・ウェブスター(以降:S&W)といいます。
 
東芝子会社のWH社がS&W社買収に使用した金額は2億2900万ドル(約270億円)。米国の会計基準では企業買収後、1年以内にその企業価値を精査しなければならないそうで、今回の出来事はその過程で発覚したものです。
つまり東芝グループは、数千億円もの負債のある会社を270億円で買ってしまった訳ですね。
ただそこまで単純な話ではないようです。それについては後述しますが、それでも損失金額の規模を考えると全く信じられない話です。一体、どうなっているのでしょうか?
 
ロイターより
 
背景を振り返ってみます。
2000年代以降、それまで世界市場において優位を保っていた日本の家電・半導体製品が韓国・中国の製品に駆逐されて、ソニーやパナソニック、シャープなど弱電(家電)メーカーが苦境に陥ります。そんな中にあっても、日立製作所、東芝、三菱電機は弱電メーカーほどダメージは受けませんでした。弱電部門の他に、社会インフラを担当する重電部門を持っており、むしろそちらが大きな柱だったからです。
中でも東芝は、2006年に約6000億円をかけて世界有数の原子力企業・WH社を買収。原発事業を半導体事業と共に経営の主力二本柱に位置付けます。当時はCO2削減問題で、世界中で大量の原発受注が見込まれていました。それもあって、東芝は他社に比べて企業体質の改革が遅れてしまったのかもしれません。
ところが2011年の3・11原発事故で原子力事業の将来に内外で暗雲が。現在WH社は米国内で原発を5基受注していますが、3・11事故以来、米国でも規制がかなり強化された為に建設工期が大幅に遅延し、コストが増大していました。普通、日本では工期が遅れても電力会社の負担が増えるだけ。しかし米国はそうではなく、売り手側がかなりの部分の損失を負担するらしいのです。つまりS&W社を買収したWH社、そしてその親会社である東芝へと。。。
日本国内の原発事情については説明する必要もないでしょう。
 
また近年のシェール革命による原発離れも原子力事業に大きな影響を与えています。
最近よく聞くシェールガスとは「非在来型天然ガス」の事で、これまで技術的・採算的に採掘困難とされてきた頁岩(けつがん)と呼ばれる堆積岩の層にある天然ガスが、採掘技術の確立により一気に生産量が増えてきました。日本人なら「メタンハイドレートが採算に乗り出した」というような事だと理解したらいいでしょう(メタンハイドレートも「非在来型天然ガス」に分類されています)。特にシェールガス埋蔵量が世界有数の米国では、シェール革命で安価になったガス火力発電に原発が押されてしまい、約10年前に10基以上あった原発建設構想の半分が消えてしまっています。
以上のような経緯が背景にあります。
 
事業柄、S&W社は買収される前からWH社と共同プロジェクトを組むケースが多かったようです。しかし上に書いたような時代の流れで原発プロジェクトは進まず、抱えた損失処理をめぐってS&W社の当時の親会社であるCB&I社と、WH社の東芝側が対立。最後はWH社が進捗しない事業案件の一元化を狙ってS&W社を買収し、同時に紛争も解決させたのですが、S&W社のあまりにも増大する損失コストを見誤ってしまった、というところでしょうか。ひょっとしたらS&W社を買わざるを得ない立場に追い込まれたのかもしれません。
加えて、WH社がS&W社を買収した時期は東芝本社にとって不正会計事件対応の最中だった為、WH社に対する監督も甘かったんでしょうね。元々、風土の違う外国の大企業なので、東芝にとってもコントロールしづらかったのは想像に難くありません。昨年12月にこの一報がもたらされた時も、東芝本社経営陣は何が起きたのか把握できていなかったというのですから。
 
1月27日の東芝・記者会見の模様を伝える日テレニュース24
 
とにかく、買収さえしなければ取り込む事のなかったこの莫大な損失。
現在、東芝の自己資本は約3600億円です。株価も不正会計事件前は500円以上あったのに、現在はその半分。何もしなければ確実に債務超過に陥ります。
昨日1月27日に正式発表された方針は、上の朝日の記事のように原発事業の縮小と社長の元での直轄化、子会社及び保有資産の売却、フラッシュメモリ事業の分社化による資金調達と、事前に予想されたものでした。
元来、韓国・サムスン電子などと渡り合えて収益力のあるフラッシュメモリ部門は、東芝本体の経営状況に左右されずに資金調達出来るよう以前から分社化が検討されていました。その一部株式の売却益は世界市場で競争力を維持するための新規投資となるはずのもの。しかし今回の事件を受けて、その売却益は債務超過を防ぐための本体自己資本の積み増しに回ってしまいます。
これでは分社化されたフラッシュメモリ部門の競争力とその先行きも・・・
 
変電所などの東芝製電力制御システム装置(GCB及びGIS) 東芝HPより
 
どんどん事業部門が切り刻まれていく東芝本体には、一体何が残るんでしょう。恐らく東芝は今後、すべての事業を分社化し、ゆくゆくは持ち株会社に移行すると思われます。
一方、国内においては東芝ブランドはまだまだ売れています。世界初のノートPCを世に出したダイナブックシリーズは商品力を保ち続けているし、家電量販店の白物家電売り場にも東芝のロゴが付いている製品が多く売られています。そういえば、1月19日に発表された住宅用太陽光パネル顧客満足度1位も東芝でした(参照→「日経テクノロジーオンライン」記事)。エレベーターも東芝製を見かけます。一般の人は発電所を見学する機会はないと思いますが、それでも田舎や都市郊外に住む人ならば変電所を見かける事があるでしょう(大都市の場合、多くは地下設備になっている)。あの設備も結構な割合で東芝製です(電力会社でバラツキあり。東京電力は割合が多く、梅之助の地元北海道電力は少ない)。かつて梅之助はその部門のエンジニアでした。そうそう、この会社は国防事業も担っています。
 
つまり東芝製品は日本人の生活の隅々にまで行き渡っているのです。
それを考えると、一つの経営判断ミスがここまで大きな企業の屋台骨を揺るがす事に呆然とすると同時に、そんなに長く働いた訳ではありませんがグループOBの一人として何ともやりきれない思いです。
 
 
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