北海道で働く女社長の夫の蝦夷日記

国際政治から映画・音楽・地元の温泉やラーメン紹介まで。難しい話は分かりやすく、がモットーです。

1984年に刊行された本書(文庫版は1991年)はとても有名な本で、梅之助も以前からその存在は知っていたのですが、「ちょっと堅そう」っていうイメージから今まで手に取ることはありませんでした。

ただ有名ブロガーちきりんさんも推薦しているのを数年前に知って、「そろそろ読んでみようかな~」と購入したのが1年半前。
で、実際に読んだのが、この年末年始の期間でした。

 

 

梅之助も大東亜戦争に関しては、当時の国際情勢による必然性やその歴史的位置づけ、そして日本人としての情緒的な思い入れなど、結構思うところはあります。しかしこの本は、そういった歴史的意義や文明論、運命論とは全く別の立場で大東亜戦争を分析しています。

本書の序章にはこう書かれています。

 

『・・・本書は、日本がなぜ大東亜戦争に突入したのかを問うものではないからである。もちろん、なぜ敗けるべき戦争に訴えたのかを問うことは、すでにいくつかのすぐれた研究があるとはいえ、今後も問い直されてしかるべきであろう。しかし、本書はあえてそれを問わない。

本書はむしろ、なぜ負けたのかという問いの本来の意味にこだわり、開戦したあとの日本の「戦い方」「敗け方」を研究対象とする。・・・本書は、なぜ敗けたのかという問題意識を共有しながら、敗戦を運命づけた失敗の原因究明は他の研究に譲り、敗北を決定づけた各作戦での失敗、すなわち「戦い方」の失敗を扱おうとするものである。』

 

もっとも、この本はよくある「こうしたら勝てた」というような仮想戦略・戦術論とは異なり、史実にあるような悲劇的な結末を招いた実際の戦略・戦術を分析する事で、それらを生み出した日本軍の組織特性の論理的考察(米軍と対比しながら)に焦点を絞っているのが特徴といえるでしょう。

本書における「失敗の事例研究」としては、「ノモンハン事件」「ミッドウェー作戦」「ガダルカナル作戦」「インパール作戦」「レイテ海戦」「沖縄戦」が挙げられています。そしてそこから導き出された日本軍側の戦略・戦術の錯誤は、その組織体質と密接な関連性がある事を著者らは指摘しています。

 

本の内容の詳述はしませんが、日本軍の失敗の一つを挙げると、例えば作戦目的があいまいだったり二重性を持っていた点。ミッドウェー作戦ではミッドウェー島を攻略するのを主とするのか、敵機動部隊を撃滅するのが目的なのかが最後まで不徹底でした。

それを踏まえると、主力空母4隻を失ったこの海戦に関しては「運命の5分」などという言葉があるように、ともすれば「運」が悪かったとする向きがあるものの、本書における

 

『いかなる軍事上の作戦においても、そこには明確な戦略ないし作戦目的が存在しなければならない。目的のあいまいな作戦は、必ず失敗する。それは軍隊という大規模組織を明確な方向性を欠いたまま指揮し、行動させることになるからである。』

 

『戦闘は錯誤の連続であり、より少なく誤りをおかしたほうにより好ましい帰結をもたらすといわれる。・・・戦場において不断の錯誤に直面する戦闘部隊は、どのようなコンティンジェンシープラン(不測事態対応計画)を持っているかということ、ならびにその作戦遂行に際して当初の企図(計画)と実際のパフォーマンスとのギャップをどこまで小さくすることができるかということによって、成否が分かれる』

 

などという文章を目の前にしてしまえば、ミッドウェーも敗けるべくして敗けたんだな、と思い知らされます。実は当海戦において、米軍側も錯誤の連続に直面していたのだから。

 

本書は日米の「資源の差」「工業力・生産力の差」という前提を認めつつ、それを超えた視点から日本軍の錯誤を論理的に次々と指摘していきます。

ただしそれらの失敗は、最終的には日本軍組織固有のものというより、当時の日本人全般の特性が具現化した帰結と言えるべきものなのでしょう。

 

戦後70年以上経って、日本人の価値観や意識、行動様式にも大きな変化がありました。その一方、本書は軍事を超えた普遍的組織論としても大変読み応えがあるものなので、現在においても組織に属する人、管理・統括する人にはとても有用だろうと思われます。

戦前における最大の組織は日本陸軍・海軍でした。それらが消滅した今、日本の官僚組織、企業組織はかつての日本軍の組織的失敗をいくらかでも克服しているのでしょうか?

この本を手にして、良くない意味で「ハッ!」と我に返る人、案外多いんじゃないでしょうかね?

 

 

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昨年11月に公開された映画「この世界の片隅に」が、今月レンタル開始されたので早速観てみました。

原作はこうの史代氏の同名マンガコミックで、監督は片渕須直氏。もうご存知の人も多いでしょうが、クラウドファンディングで資金調達がなされた作品です。

 

 

原作の方は既に読んでおり、映画もほぼ原作をしっかり踏襲していましたゆえ、ストーリー及び時代描写のあり方に関する具体的な評価は下の【関連記事】を参照ください。

 

 

主人公・すずさんの声は「のん」こと能年玲奈さん。NHK朝ドラ「あまちゃん」でブレイクしたものの、その後の事務所独立騒動で事実上干されていたようですが、このアニメ映画のヒットで再び注目を集めました。ほのぼのとした声当てが原作のすずさんにマッチしていましたね。

 

 

ストーリーは原作同様、すずさんが昭和19年に広島から呉へお嫁入りするところからがメインになりますが、プロローグにあたる主人公の少女時代のエピソードもしっかりと映画に取り入れられており、日本の平和な戦前時代がリアルに描かれているようでした。

ところで現在の日本では、北朝鮮の現状を戦前の日本と同一視する人を時々メディアなどでも見かけます。馬鹿も休み休み言え、って言いたくなるほど天地の差がありますよ。

 

 

また左翼的文化人は何かと日本について語る時、戦前と戦後を分断して論ずる傾向があります。

しかしこの映画を観ると、戦前と戦後の日本は連続している事が改めて実感させられますね。戦後日本が成熟した民主主義国家になったのも、戦前のしっかりした土台があっての延長線上であり、ある意味自然の成り行きなのです。

その事は是非、若い人にも知ってほしいな。

 

因みに今年の8月12日の東京新聞「気分はもう戦前? 今の日本の空気」という特集記事の中で、国際政治学者の三浦瑠麗氏は以下のような見解を述べています。

 

 まず、「戦前回帰」を心配する方々が思い描く「戦前」のイメージに不安を覚えます。大日本帝国が本当の意味で変調を来し、人権を極端に抑圧した総動員体制だったのは、一九四三(昭和十八)~四五年のせいぜい二年間ほどでした。それ以前は、経済的に比較的恵まれ、今よりも世界的な広い視野を持った人を生み出せる、ある種の豊かな国家だったと考えています。それを全て否定するのは一面的で、過去を見誤っています。

(中略)

 改憲の議論を見ても、国家観、歴史観を持ち、理念を掲げられる日本人が育たなくなっていることが分かる。残念なことです。台湾の李登輝・元総統を見てください。困難な状況下で骨太の政治理念を養い、民主化を主導した名指導者ですが、彼を育てたのは戦間期(第一次世界大戦と第二次大戦の間)の日本であり、戦後の日本ではないのです。

 

引用記事は→こちら

 

 

さて、話を映画の方に戻しましょう。

印象に残ったのは空襲の時、すずさんを下にしてかばい身を伏せた舅が、その際口ずさんだ歌の一節。

「勤しむ技術にこもれるは~世界平和の光なり♪」

軍艦マーチのメロディで、後で調べると「広海軍工廠歌」でした。これは原作にも載っていたのですが、映画を観るまで気付きませんでしたね。

戦前から脈々と受け継がれる日本人の「モノづくり」に対する熱意と資質が感じられました。

 

 

戦後の価値観による説教じみたものではなく、当時の等身大の日本人に出会える映画だと思います。

私たちは紛れもなく彼らの血を分けた子供でありその孫。後付けの価値観で自分を高みに置き、先人を裁く事は卑怯者のする事です。

 

 

 

 

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漫画「この世界の片隅に」を読んでみた(2016/11/29)

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山口敬之氏の前作「総理」が大変面白かったので、今年の1月に上梓された第二弾「暗闘」を読んでみました。山口氏がどういう人物かは、下の【関連記事】の「総理」の書評を参照して下さい。

 

前作は当時TBS記者だった筆者によって、第一次安倍政権の崩壊から再登板までの道のりや、消費税を巡る攻防などの内政及び政局が、安倍晋三個人にかなり肉薄したタッチで描かれていました。

今作は、昨年11月のトランプ候補(当時)当選直後の会談経緯やトランプ政権の分析、昨年末の日露首脳会談や真珠湾訪問などの舞台裏といった外交テーマが中心となっています。

そしてズバリ、題名の「暗闘」とは(本の題名は往々にして出版社が決める事が多い為、誰が決めたのかは不明)各国要人との駆け引きはもちろん、官邸と外務省の主導権争いをも意味しているようです。

 

 

全体的な感想としては、「読み物としては前作の方が正直、面白かったかな」です。

前作は著者と安倍晋三及び麻生太郎などとの生々しいやり取りなどがあって、大変臨場感あふれていたのですが、今作はさほどでもありません。本に描かれた期間の長さに大きな差がある事や、TBS政治記者からフリーになった著者の立場上の変化、そして何よりも機密を重要視する外交分野がテーマである、という事情が影響しているのかもしれません。

まあ、本書「暗闘」はトランプ政権発足を受けて緊急出版された、という意味合いが強いです。

 

トランプ政権の部分については、今読むとそんなに目新しい内容はありませんでした。何よりトランプ大統領誕生自体が近年まれにみる政治事件だったので、多くの識者が色々な角度でたくさん分析していましたから。

印象に残ったのは、トランプ大統領は本気で覇権国家・中国を封じ込めにかかっているので、

「米国+日本>中国」

という安全保障上の図式を維持する為に、日本にそれ相応の防衛力強化を求めて来る、という事。これは日本が好むと好まざるとに関わらず、真剣に向き合わなければならない宿命みたいなものです。何しろ、この不等式が逆転すると日本自身に大きな災厄が降りかかりかねないですからね。

 

日露首脳会談や真珠湾訪問の舞台裏は、面白いというよりも興味深いものでした。

梅之助も双方のテーマで記事を書いていましたが、「なるほど、そうだったのかぁ~」と思わされる事が多々ありましたね。

まず日露交渉において。

大したことは書いていませんが参照として、

日露首脳会談に失望したあなたへ①(2016/12/19)

日露首脳会談に失望したあなたへ②(2016/12/27)

を、よかったら。

昨年末の首脳会談では、一見、領土交渉で具体的な進展が見られず、経済協力ばかりで落胆した国民も多かったと思いますが、安倍総理にとっては想定内であり、日本側の思惑は達成されたのだそうです。

従来の交渉がいくら経済協力を持ち出しても「ロシア側の主権」の壁に最後は跳ね返されて、いたずらにロシア100%主権の実効支配年数だけが積み重ねられてしまった反省を踏まえ、あの会談での最大目標は、「特別な制度による経済協力」を通して一部とはいえ「ロシアの主権が及ばない領域」を誕生させ、これまでのロシアによる一方的な主権行使の現状に風穴を開ける、という事でした。

その日本側の成果はここでは書かないものの、会談後の共同プレス向け声明の文言にもしっかりと反映されています。興味のある人は是非、本書を読んで確認して頂ければ。

 

次に安倍総理の真珠湾訪問。

参照→「安倍総理、真珠湾訪問」に対する私見(2016/12/08)

梅之助も上の記事で、「広島」と「真珠湾」は規模も性質も異なるので「対」として捉えてもらっちゃぁ困る、というような内容を書いていますが、実はそれを一番感じていたのは安倍総理自身でした。

総理は第二次政権発足当初から真珠湾訪問を考えており、まず第一段階として2015年4月の米国議会演説を実現させたの後に、そのタイミングを計っていたそうです。ところがそこにオバマ大統領の広島訪問の可能性が見えてきた為、その実現に尽力。しかしこの2016年5月のオバマ広島訪問は、総理が長年考えて来た「真珠湾訪問」実現の上では、ある意味で誤算となってしまいました。オバマ広島訪問の直後に真珠湾に行けば、それこそ「対」として捉えられかねないからです。その為に大幅にスケジュールが見直された、という経緯も本書には詳しく書かれています。

 

また安倍総理と外務省主流派との暗闘も本書に描かれています。

常々、「相手国の作った土俵の上で、相手国に気に入られる相撲を取って見せる」という、かえって国益を損ないかねない外務省の外交方針に以前より総理は強い不満を持っていて、そこから官邸主導によるもう一つの外交ラインが構築されていきました。そしてその主導権争いは、事あるごとに現在も続いています。

 

本書を読み終えた直後の率直な想いは、

「少なくとも外交の上では、この総理以上に外交を出来る者は現在の政界には居そうにない」

というものでした。

はぁ~、これが、いい事なのか悪い事なのか・・・

安倍総理だっていつまでも総理を続けていられる訳ではありません。将来の後任の政治家が、それこそ外務省が主導する「相手国の作った土俵の上で、相手国に気に入られる相撲を取って見せる」方針に引きずられてしまわないか、とても心配です。

 

 

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本来ならこの記事は「アニメ・漫画 雑感」カテに入れるべきなのでしょうが、記述の視点からこちらのカテに入れておきます。

 

今年の日本映画は「シン・ゴジラ」「君の名は。」で決まり!と思っていたけれど、もう一つアニメで話題をさらっているのが出現しましたね。

こうの史代さんの漫画が原作の「この世界の片隅に」。

 

 

11月12日の公開で、一週間ほど前にこの作品のPVらしきものを夜中のTVで偶然見かけました。戦時中が舞台のようで、水彩画タッチの戦艦大和の姿もあったりしました。ただし、戦記物ではなく、戦時中の庶民の姿を描いた作品のようです。時代設定とは裏腹に、作風はなんだかほのぼのとした印象。

 

 

強烈に興味をそそられた梅之助、「これは劇場で観るしかない」。

ところがシネコンが3つもある旭川市だというのに、この映画、現在やっていない。ディノスシネマズ旭川で来年1月公開だそうで。

ふ~ん、待つかなぁ。。。

 

 

という事で、すぐに観られないのならば原作の方を買ってきて先に読んでみました。

2007~2009年にかけて連載された漫画で、文化庁の賞を取ったこともあり、当時からそれなりに評価は高かったみたいですね。2011年には日本テレビがドラマ化もしていました。

 

主人公・すずが昭和19年2月、広島県広島市から当時の海軍拠点・呉市に嫁ぎ、そこで繰り広げられる戦時下の日常生活が話の本筋となっています。すずの「ほんわか」とした性格と無口ながら誠実な海軍文官の夫及びその家族たちとの日常が、ほのぼのとした、時にはコミカルなタッチで描かれているのが印象的で、戦時下の物資不足による窮乏も様々な工夫で対応する姿に、現代の我々がイメージする「暗さ」はありません。時局の推移を淡々と受け入れ、その中をたくましく生き抜いていった当時の日本人の姿があります。

NHKの朝ドラのように「この戦争、おかしい」と戦後の後知恵のようなセリフを吐く主人公ではなく、「ああ、うるさいねぇ、そんとな暴力に屈するもんかね」とB29の襲来を見つめるすず。

きっと、すず及びその周囲の人々の姿が当時の平均的な庶民の感覚だったんだろうなぁ~。

もっとも、そんなすずも8月15日の玉音放送の後には遂に様々な想いが爆発してしまうのですが。。。

 

客観的にこの作品には「侵略」とか「軍国主義」などといった現在の価値観からの表現は一切なく、当時の庶民の生活と思想、つまり「歴史の事実」を淡々と描くことを通して、当時の「この国の失敗」が描かれています。

巷にはこの漫画(及び映画)が「反戦作品である」「反戦作品ではない」などという議論がありますが、梅之助に言わせれば不毛な議論です。

まともな神経の持ち主ならば、自分たちの平穏な日常生活が破壊され、生命・財産が脅かされる戦争など誰しも反対でしょう。その私たちの生活を守るためのアプローチが「右側」「左側」の思想では異なるだけなのだから、左翼的な作品にありがちの描写や言葉がないからと言って「反戦作品ではない」と言い切るのは少し変だし、別に反戦イデオロギーに満ちた表現などなくても、本作からはリアルに戦争の悲惨さ、無情さは伝わって来ます。言葉を弄すればするほど作品は作為的になる事を考えると、この作品が極めてレベルの高い優れた反戦的性質を持つものとなっているのに誰もが自然と気付くでしょう。

これこそが最もリアリティのある歴史の学び方だと思います。

というか、そもそも論として、いつになったら日本人はあの時代の事を手垢のついた「反戦か否か」といった、単純な二者択一の思想で捉えるクセから卒業するんでしょうかね。それこそがイデオロギーによる作為的な分け方です。全く下らない。

例えば、戦国時代の合戦映画を観て「そんな時代に生まれなくてよかった」と、ごく自然に思う事はあっても、「野蛮な戦いだ」「人を殺して人権侵害だ」という視点では誰も捉えないですよね。

あの戦争の時代も、そろそろ冷静な歴史として見るべきです。

その意味でこの「この世界の片隅に」は、当時の価値観を踏まえた自然体の平衡感覚で歴史を見つめている秀逸な漫画だと思いますよ。

 

ただ、原作者に一つ言いたいことがあります。

終戦の日、「最後の一人まで戦うんじゃなかったんかね、まだ左手も(この時、すずは空襲で右手首から先を失っています)両足も残っとるのに!」と叫んだすずでしたが、街に太極旗が翻っているのを見て「ああ・・・暴力で従えとったいう事か、じゃけぇ暴力に屈するいう事かね、それがこの国の正体かね」と、慟哭するシーンがあります。

この光景は創作というよりも、原作者が当時の時代考証の過程で聞き及んだ史実として作品に取り入れたのでしょう。そしてその解釈をすずに先のセリフで語らせています。

確かに原作者が解釈した側面は存在します。

しかし、それだけで歴史の本質は語れません。

あの太極旗の意味は、戦勝国に対して蝙蝠のように強きになびく朝鮮民族の事大主義の表れでもあるのです。かつて満州で朝鮮人が「我々は日本人だ」と言って満州人や漢人を見下していた事実を、徴兵制が実施されなかった半島から戦時中とんでもない倍率で志願兵があった事実を彼らは意図的に隠蔽し、そして戦後の日本人は完全に忘れさせられているのですから。

画一的な歴史の見方は、事の本質を見誤ります。

 

さて、このコミック本は梅之助の場合、上中下の3冊セットのものを購入したのですが、後で調べてみると上下2冊にまとめたタイプもあるそうなので、値段的にはそちらの方がお得になるようです。

 

 

 

 

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あ~参った、参った。

新しいプリンターを買って、そろそろドライバーインストールを、と思ったところ、メインで使用している購入後2年のPCの電源が入らなくなってしまいました。結局、修理に出して、マザーボード交換。ようやく、PCが戻って来ました。

 

さて、本題。

今年の6月、元TBS報道局政治記者・山口敬之氏が上梓した「総理」という本が話題になっていたので、最近購入して読んでみました。普段は政治家や政治記者の書いた本など読まないんだけれどね。

山口氏は1990年TBSに入社、以来報道局に所属し、2000年からは政治部にて「政治家・安倍晋三」を見つめ続けて来た人です。

 

 

今、巷には長期政権を維持している安倍政権に対する批判と称賛が交互している。特に護憲・反原発といったリベラル勢力からは「アベ政治を許さない」」などというキャッチフレーズを伴って辛辣な政権批判が繰り返されている。しかし、こうした反安倍勢力も、あるいは親安倍勢力も、安倍政権がどのように国家運営に向き合い、何を悩み何を目標としているのかをほとんど知らず、知ろうともしない人が大多数である。事実に基づかない論評は、批判も称賛も説得力を持たない。結果として、安倍政権に対して繰り返される論評の多くが、特定のイデオロギーを支持し特定の政治集団に属する勢力による、プロパガンダと断定されてもしょうがない中身となる。

 

上文は本書まえがきに書かれている著者の文章。

だからこそ山口氏は、間近で見つめてきた安倍晋三と周囲の政治家たちの言動を改めて提示する事で、「宰相・安倍晋三とは?」「安倍政権はどのように運営されているのか?」などを読者に知ってもらい、読者各々の判断材料にして欲しい、としています。

読んでみると正直、「敏腕のエースとはいえ、政治記者って時には政権内部のやり取りにここまで関われるものなのか!?」という驚き。

もちろん記者それぞれで取材対象者との距離感はまちまちでしょうが、この山口氏、安倍晋三や麻生太郎などから本当に信頼されていた事がよく分かります。両者を繋ぐメッセンジャー役を演じた事もしばしば。それでいて政治家の提灯持ちにはなっていない平衡感覚も持ち合わせているようです。

偏向・反日TBSにこういう政治記者がいたとはね!!

 

この本は決して「反安倍本」でも「親安倍本」でもありません。著者は安倍政権の施策については何の論評も加えておらず、ただ、第一次安倍政権の瓦解から復活、消費税を巡る攻防などでの「政局」部分のリアルな証人として、読者に安倍晋三の失意や迷い、そして決断を伝えているだけです(その代わり臨場感はたっぷりありますよ)。

それでも読み終えると、ほとんど「安倍ヨイショ本」のような印象が残るのは、旧民主党政権時の薄っぺらいダメ宰相らと比べて、安倍晋三なりに国家と向き合おうとする姿が読者によく伝わるからでしょう。

例に出しちゃ悪いけれど、単に総理になりたかっただけの菅直人のような人物と、一度どん底に落ちながらも、成し遂げたい事があるが為に再び総理にまでよじ登った男とでは、同じ政局を描いたとしても、まるっきり彫りの深みが違ってくるのは自明の理なのだ、という事です。

 

 

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