北海道で働く女社長の夫の蝦夷日記

国際政治から映画・音楽・地元の温泉やラーメン紹介まで。難しい話は分かりやすく、がモットーです。

現行憲法施行から70年。

本日は出勤日だったので、安倍総理が2020年改正憲法施行を目指す、というニュースを車のラジオの中で聞きました。仕事の事が頭の中の多くを占めていたので、その時は「お~、昨年の参院選の結果、衆参両院で改憲勢力が2/3を獲得した云々とマスコミが騒いでいた当時の首相の控えめな言動に比べて、随分と大きく出たもんだな」位にしか思わなかったのですが、帰宅して本日の読売新聞に掲載されていた安倍総理インタビューの詳細を見て、少々複雑な気持ちになりました。

 

 

憲法改正の本丸である第9条は第1項、2項を維持して、新たに「自衛隊の存在」を書き加えるだけ、との方針になっています。

ここで改めて、憲法9条を見てみましょう。

  1. 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
  2. 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

第1項は「侵略」という文字を加えるだけで、まあいいでしょう。

しかし第2項は放置すると極めて問題があります。書き加えられた「自衛隊」と、どう整合性を取るというのでしょうか?

「軍隊」ではない「自衛隊」が軍隊のように活動出来るよう、恐らく自衛隊法や特措法などで更なる対応を行うのでしょうが、あまり国防を担う側に法解釈の判断を強要するようでは、いざという時の能力発揮に疑問符が残りそうで、これでは現行憲法の現状運用と大して変わりありません。

 

これはかなり以前の記事「第23回参院選について考えてみた」(2013/07/05)でも触れたのですが、元々この第9条は「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」という憲法前文を大前提にしています。ところが戦後、そんな諸国民が日本の周辺に存在したでしょうか?

そういえば「憲法9条にノーベール平和賞を!」なんて馬鹿な活動もありましたね(参照記事「憲法9条にノーベル賞?~日米安保もセットです」(2014/04/03))。

そこで論理的に憲法9条が日本の平和に寄与して来たかを100点満点評価で考えてみましょう。

結果から言うと50点です。

確かに憲法9条が理由で日本の自衛隊は海外に出かけて戦う事はありませんでした。これが50点分。

一方、異国が日本に武力攻撃をかけなかった事に対する貢献は0点です(むしろマイナスですらある)。何故なら、例えば旧ソ連や中共にとっては日本の憲法9条など守る義理も義務もへったくれもなく、日米安保による在日米軍が抑止力になっていただけの事。

そう考えると日本は戦争に負けた直後から、平和憲法の名の元にとんでもないまやかしの中で戦後のスタートを切った訳なのです。

 

安倍総理も今回の改正方針だけでは、戦後日本が抱え込んだ矛盾を解消出来ない事は十分に承知しているはずです。

しかしここに来てハードルを下げたのは、安保法制にて抵抗野党とマスコミが本質を離れたレッテル貼りを行い、国論が二分されてしまった経験を踏まえての事でしょう。何しろ憲法改正発議と国民投票は一発勝負。負ければ内閣退陣、憲法改正論議の封印にも繋がりかねません。

また、連立を組む公明党が現憲法の文章をいじらず、不足分を書き加えるという「加憲」の立場を崩していない、というのもあります。

こういった状況の中、何とか出来る範囲で「不磨の大典」に風穴を開けたいという思いが今回の総理のインタビュー内容となったのでしょう。

ならば今回はこれでも仕方がないのかなぁ、と個人的には思わなくもないですね。

因みに現在の日本国憲法同様、旧憲法の大日本帝国憲法も改正条項がありながら一度も改正されなかった「不磨の大典」でした(形式上は大日本帝国憲法の改正が日本国憲法、という形にはなっている)。これらの危険性については以下の記事を参照して頂ければ幸いです。

 

歴史に復讐される憲法~リアルとフィクション③(2014/03/17)

歴史に復讐された大日本帝国~リアルとフィクション②(2014/03/16)

 

本来なら民進党あたりが憲法に自衛隊を明記する代わりに、縛りをきつくかける方針を進んで掲げるべきであって、それに対する自民党が例えばフルスペックの集団的自衛権を容認させる方向で憲法対決するとか、国際情勢の現状を鑑みるとそれくらいの議論をすべきなんだけれどねぇ。

この程度の当たり前の憲法改正にこれほどの膨大な時間と労力が必要とは、この国の面倒臭さが本当に悲しいです。

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