空母シリーズも今回を入れてあと2回で終了予定。
随分マニアックな事を延々と書いて来たなぁ。これではミリオタと思われても仕方がないか。。。。

第二次大戦当時の航空母艦を性能面から分類すると、大まかに主力空母、軽空母、護衛空母に分ける事が出来ます。
空母海空戦を主導するのが主力空母。
艦載機搭載数やその他性能で主力空母に劣るものの、海上戦闘作戦に随伴出来るものが軽空母。
そして今回記事にする護衛空母は、軽空母とほほ同じ大きさながら速力が低速な為、主に船団護衛や輸送任務を担当する空母でした。

 

 

(左)昭和18年頃の空母「大鷹」 (右)輸送任務中の空母「雲鷹」 (Wikipediaより)
 
昭和18年11月、公試中の空母「神鷹」 (「写真 日本の軍艦 第4巻」 光人社より)
 

ここで取り上げる護衛空母は、みな商船を改造したものです。
「大鷹(たいよう)型」空母1番艦として貨客船「春日丸」を改造したのが空母「大鷹」。
同2番艦として貨客船「八幡丸」を改造したのが空母「雲鷹(うんよう)」。
同3番艦として貨客船「新田丸」を改造したのが空母「冲鷹(ちゅうよう)」。
そして神戸港に係留されていたドイツ客船「シャルンホルスト」を日本政府が買い取って、空母に改造したのが「神鷹(しんよう)」。
大鷹は1941年9月に(「大鷹」と改名されたのは翌年8月)、雲鷹は1942年5月に(「雲鷹」と改名されたのは同年8月)、冲鷹は1942年11月に、神鷹は1943年12月にそれぞれ空母改装が完了しています。

 


昭和18年12月、米潜水艦の雷撃で漂泊中の空母「冲鷹」 (「写真 日本の軍艦 第4巻」 光人社より)


さて、日本の商船改造空母には「鷹」という文字が使われており、中でも飛鷹型の2艦(飛鷹、隼鷹)は船体が大きく正規中型空母並みの艦載機搭載能力を持っていたので実戦に参加する事もありましたが、他の空母は航空機輸送任務や輸送船団護衛任務で本土と南方方面を往復していました。
米軍に太平洋の制海・制空権を握られた大戦後半は輸送業務も困難さを増し、まず冲鷹が1943年12月に、大鷹が1944年8月、雲鷹は1944年9月、神鷹は1944年11月に米潜水艦の雷撃を受けてそれぞれ沈没しています。輸送任務及び輸送船団護衛任務ではたくさんの将兵を乗せているケースが多く、ひとたび沈没ともなれば多大な人命が失われる結果となっています。

以下、沈没地点データは「Googleマップで見る軍事的スポット」参照。

大鷹 沈没地点


雲鷹 沈没地点


冲鷹 沈没地点


神鷹 沈没地点


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