海賊女帝ティモシェンコ⑤【クリミア自治共和国】 | ロバ耳ブログ 

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少しウクライナの南に目をやりますか…。
佐藤氏の話をもとに進めます。

クリミアがロシアに編入されて、欧米は右往左往といったところですね。サミットから外すと言われてロシア外相は、
ファイル3655.jpg「サミットなんて、もともと公式の会合じゃないし、勝手に集まっただけで、除籍もくそもない。G20があるから大丈夫だぴょん♪」

と軽く一蹴。

ロシア側は相当な強気です。

しかし不思議ですね‥。一度は大統領から退いたプーチンは、不安感でいっぱいの子犬のような空気を漂わせていたのですが…。一体彼はどんな力を得たのでしょうか…‥。単なる大統領とは思えません‥。

その大統領が強気でシリア、そしてクリミア編入と進んでいるのですが、このクリミアもまた、たいそう難しい場所だと佐藤氏は言います。

まずもともとは、トゥルクの住んでいた場所ということ。僕の認識が正しければ、ゼウスだオリンポスだアルカディアだの神話の舞台でもあったはず。スキタイもこの辺です。

トゥルクというのは、要するにトルコという事なんですけど、ここはオスマントルコの領土でした。それを数百年前に帝政ロシアが領土にした‥とまあこんな経緯があります。
そしてクリミア半島には、イスラム系タタール人が住んでいたんですと。

帝政ロシアには、冬でも凍らない港が必要だったことで、ずっと南下政策があったんですね。ここ黒海を出て、ボスポラス海峡を通り、ようやく地中海に出るんです。
ロシア海軍の主力がここクリミアにあり、トルコを通り地中海に出なければ、インド洋にも大西洋にも行けない。この地政学的な要素は重要です。最後に話すので覚えていて下さい。

ごちゃごちゃした話を端折ると、クリミア半島ではロシア人とタタール人の対立がずっとある。特にロシア人に侵略されたタタール人たちは、ナチスに協力。それを口実にスターリンにまた、大虐殺の憂いき目に遭わされる。多くのタタールも中央アジアに強制移住。
空いた土地にロシア人を入植させるという、まさにパレスチナ問題のような事が起きているのです。移住させられたタタール人たちが、ロシア人ウクライナ人と、もともと居住地争いをする。そこへイスラム原理主義のアルカイダが入り込むという、最悪の現場ですね。
したがってウクライナにロシアから編入された後も、自治共和国として半分独立した国だったのです。⑥へ