アメリカ南部

アメリカ南部・・・って何?人種差別、厚い信仰、独特の方言、貴族的な雰囲気、親切な人々。ニューヨークのある東部でも、ロサンゼルスのある西部でもなく、何もないアメリカ南部に暮らした私が、みんなの知らない「もう半分のアメリカ」の魅力を伝えたいと思います!


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この前の日曜日はイースターでした。
キリスト教では十字架にかけられて死んだ
イエス・キリストが三日後に復活した(生き返った)
と言われているのですが、
イースターはそれを記念した祝日です。
日本語では「復活祭」と訳されたりします。
キリスト教圏では、イエス・キリストが生まれた日とされる
12月25日のクリスマスと同じか
それ以上に重んじられています。

 

南部のイースターの違いは
お昼前の普通の教会の儀式のほかに
日の出を見るためにも教会に行くのは
熱心な南部人ならではだなぁとか、
イースターに洗礼を受ける人が多いのは
いかにも南部バプティストらしいなぁ

(バプティストは「洗礼を受ける者」という意味)
とかいろいろあるのですが、
もっと身近な違いとして、
女の子がものすごくおしゃれをして教会に行く

ということがあります。

 

カジュアルな北部人に比べて
南部の女性は普段からひらひらしたスカートをはいたり
明るい色や花柄の服を着ることが多いのですが
教会に行く時や、仕事をする時など、
機会のある時にはなおさら
ここぞとばかりにおしゃれをします。

 

その中でもイースターは、
一年で一番おしゃれをする日なのです。
特に大学生くらいの女の子は
イースターに教会に行くために
新しい春物のワンピースを買います。

 

ここまで長々とイースターについて書いてきましたが
これが今日の本題です。
これまで時々南部の特徴として
「貴族的な雰囲気」ということを挙げてきたものの
なかなか具体的に説明することができずにいましたが、
イースターに見られるようなこのおしゃれが、
「貴族的な雰囲気」のわかりやすい例です。

 

もっと特徴的なのがアメフトの試合で見られます。
アメリカでは大学のアメリカン・フットボールが
とても人気がありますが
南部で大学のアメフトの試合に出かけると
スタジアムでおしゃれをした女の子たちを見かけます。


dressup4game
 

Steve Burns / More Clemson gals / CC BY 2.0

 

スポーツの試合にこんな服装で出かけるのは
少し変な気がしますが
これは南部の伝統です。
特にソロリティーと呼ばれる
社交クラブに属する女の子たちに受け継がれて
現在も続いています。

一昔前までは
男性も女性も盛装して胸には
コサージュを付けていたそうなので
これでもカジュアルになったのだと思います。

 

オール・ミスの愛称で親しまれる
南部の伝統校ミシシッピー大学ではさらに
試合の前にはティー・パーティーが開かれる
といううわさも聞きますが真相は定かではありません。

 

以前にも少し触れたように、
南部のこの「貴族的な雰囲気」というのは
奴隷制の歴史に根拠があるもので
手放しに賞賛できるものではありません。

 

貴族的、とは、自ら働くことなく
生活をする状態のことを指します。
白人の貴族的な生活の裏には
広大な大農園で日の出から日没まで
自由を奪われ働かされていた
奴隷の存在があります。

 

とは言え、南部の白人の中でも、
広大なプランテーションに大勢の奴隷を抱え、
真っ白な豪邸で「貴族的な」生活ができていた白人は
ほんの一握りしかありませんでした。
大多数の白人は、黒人奴隷と一緒に農場に出て
働いていました。
しかしながら「奴隷」という存在が
南部の白人に優越意識を植え付け
本当に貴族的な生活をしていたかどうかに関わらず
貴族的な態度を与えました。

 

奴隷制がなくなり、黒人が市民権を獲得した今でも
貴族的な雰囲気だけは南部に残りました。
それはとても独特で魅力的なものですが
そこに複雑な過去があることを
忘れてはなりません。

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