アメリカ南部

アメリカ南部・・・って何?人種差別、厚い信仰、独特の方言、貴族的な雰囲気、親切な人々。ニューヨークのある東部でも、ロサンゼルスのある西部でもなく、何もないアメリカ南部に留学中の私が、みんなの知らない「もう半分のアメリカ」の魅力を伝えたいと思います!


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EasterBasket

この前の日曜日はイースターでした。
キリスト教では十字架にかけられて死んだ
イエス・キリストが三日後に復活した(生き返った)
と言われているのですが、
イースターはそれを記念した祝日です。
日本語では「復活祭」と訳されたりします。
キリスト教圏では、イエス・キリストが生まれた日とされる
12月25日のクリスマスと同じか
それ以上に重んじられています。


クリスマスがキリスト教徒でない日本人にも定着したのに
イースターが定着しなかったのは
イースターがいつなのか分かりにくいからではないか
と私は思っています。
イースターは移動祝日で、毎年日が変わるのですが
それがどう定義されているかというと


「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」


と定義されています。
本気でキリスト教を信じていなければ
面倒くさくて誰も数えたりしませんよね。
毎年だいたい3月の終わりから4月の初め頃にあたります。


教会の儀式に出たり、家族や親戚で集まって
ごはんを食べたり、というのは
他の行事と同じですが、
イースターは、キリストの復活から
春の植物の芽生えのイメージを伴って
再生、新生という意味が派生し、
意味合い的には日本のお正月に似ています。


イースターには、朝早く教会に集まって、
再生、新生の象徴である、日の出を見る
ということがしばしば行われます。
またスプリング・クリーニングと言って、
イースターの頃に大掃除をする人もいます。
日本の年末の、去年のほこりを落とし、
すっきりと新らしい年を迎えよう
というような気持ちが
イースターにもあるのかもしれません。


子供たちは朝目が覚めると
枕元にお菓子やうさぎのぬいぐるみが入った
かごを見つけます。
イースター・バスケットと言って、
イースター・バニーと呼ばれるうさぎが
寝ている間に持ってきてくれるのです。
上の写真に写っているのがそうです。


イースターにはまた、再生、新生のシンボルとして
たまごやひよこが使われます。
ゆでたまごに色をつけてイースター・エッグを作ったり
小さな子供がいる家庭では
たまご形のプラスチックの入れ物に
小さなお菓子やおもちゃ、お金を入れて
庭に隠し、それを子供たちに探させたりします。


南部のイースターの違いは
お昼前の普通の教会の儀式のほかに
日の出を見るためにも教会に行くのは
熱心な南部人ならではだなぁとか、
イースターに洗礼を受ける人が多いのは
いかにも南部バプティストらしいなぁ

(バプティストは「洗礼を受ける者」という意味)
とかいろいろあるのですが、
もっと身近な違いとして、
女の子がものすごくおしゃれをして教会に行く
ということがあります。


カジュアルな北部人に比べて
南部の女性は普段からひらひらしたスカートをはいたり
明るい色や花柄の服を着ることが多いのですが
教会に行く時や、仕事をする時など、
機会のある時にはなおさら
ここぞとばかりにおしゃれをします。
その中でもイースターは、
一年で一番おしゃれをする日なのです。
特に大学生くらいの女の子は
イースターに教会に行くために
新しい春物のワンピースを買います。


ここまで長々とイースターについて書いてきましたが
これが今日の本題です。
これまで時々南部の特徴として
「貴族的な雰囲気」ということを挙げてきたものの
なかなか具体的に説明することができずにいましたが、
イースターに見られるようなこのおしゃれが、
「貴族的な雰囲気」のわかりやすい例です。


もっと特徴的なのがアメフトの試合で見られます。
アメリカでは大学のアメリカン・フットボールが
とても人気がありますが
南部で大学のアメフトの試合に出かけると
スタジアムでおしゃれをした女の子たちを見かけます。


dressup4game


スポーツの試合にこんな服装で出かけるのは
少し変な気がしますが
これは南部の伝統です。
現在はフラタニティー、ソロリティーと呼ばれる
社交クラブに属する一部の人だけに見られるのですが
それでも現在も続いています。
一昔前までは
男性も女性も盛装して胸には
コサージュを付けていたそうなので
これでもカジュアルになったのだと思います。


オール・ミスの愛称で親しまれる
南部の伝統校ミシシッピー大学ではさらに
試合の前にはティー・パーティーが開かれる
といううわさも聞きますが真相は定かではありません。


以前にも少し触れたように、
南部のこの「貴族的な雰囲気」というのは
奴隷制の歴史に根拠があるもので
手放しに賞賛できるものではありません。


貴族的、とは、自ら働くことなく
生活をする状態のことを指します。
白人の貴族的な生活の裏には
広大な大農園で日の出から日没まで
自由を奪われ働かされていた
奴隷の存在があります。


とは言え、南部の白人の中でも、
広大なプランテーションに大勢の奴隷を抱え、
真っ白な豪邸で「貴族的な」生活ができていた白人は
ほんの一握りしかありませんでした。
大多数の白人は、黒人奴隷と一緒に農場に出て
働いていました。
しかしながら「奴隷」という存在が
南部の白人に優越意識を植え付け
本当に貴族的な生活をしていたかどうかに関わらず
貴族的な態度を与えました。


奴隷制がなくなり、黒人が市民権を獲得した今でも
貴族的な雰囲気だけは南部に残りました。
それはとても独特で魅力的なものですが
そこに複雑な過去があることを
忘れてはなりません。

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