2012-03-10 15:37:14

鎮魂花火大会

テーマ:ブログ
『私たちは、来る3月10日に
泉ヶ岳から鎮魂の花火を
打上げることにしました。
東日本大震災で犠牲になった
天国の友だちや家族のために上げます。

大会の規模が大きいため、
お金がかかってしまいます。
そのお金があれば、仮設住宅や
そのほかのものに使うべきだという
ご意見もいただきます。
私自身も、以前はそう思っていました。
お祭りや花火などにお金を使うのは
無駄だと思っていたことがありました。

しかし私たちは、
お墓参りや、弔いの際に
生前その方が好きだったものやお花を
墓前に供えたりします。
これは論理的に考えれば無駄なことです。
お供えのお饅頭やお花は
生ゴミになってしまいます。

それでも私たちは、
論理的ではないことをして、
自分の心を保ったりするものです。

去年の夏、多賀城で仕事をしていたら、
突然、花火が上がりました。
その当時の私は、音楽を聴くことにすら
葛藤があったころでした。
「花火か」と、複雑な思いで見上げると、
ひと組の親子が目の前に現れ、
花火を眺めていました。

その親子は、「すごい」「きれい」と、
歓声をあげていました。
そして、ただ静かに泣いていました。
私もそれを見て、知らず知らず泣いていました。

そのことで、花火には
鎮魂の意味があるということを
なんとなく知りました。

それからしばらくたったある日、
避難所で、ある初老の女性と
お話をする機会がありました。
その女性はこう言っていました。

「それまでけんかなんかしたことなかった主人と
 3月11日の朝に
 くだらないことでけんかをしてしまい、
 いってらっしゃい、も言わなかった。
 主人はそのまま車で出かけたきり、
 津波で死んでしまった。
 私たちは、けんか別れをしたままなんです」

彼女のいまの願いは
「愛しています」
ということを天国に伝えること。
そして、安心してもらうために
「私は元気です」
と伝えることでした。

「あなたは何でもしてくれる、ありがとう。
 でも、いつか私の想いを、
 天国に届けてくれないかしら」
彼女はそう言って、僕に要望を伝えました。
これがはじまりでした。

3月10日、泉ケ岳で
花火を上げることにしています。
もし天国というものが、
私たちのイメージどおりに
雲の上にあるのであれば、
できる限り天国に近い場所から
打上げたかったからです。

天国への贈りものは
食べもののように「消えもの」がいちばん、
ということで、やはり花火を選びました。

3月10日、もし曇ったとしても、
雲の上まで上げれば
天国から見えるはずです。
風が強ければ、打上げ時間を
ずらせばいいのです。
それは、僕たちが見るためものではないからです。

ふつうの花火大会のように
地上から僕たちが見るものではないということ、
そこはご理解をいただければと思います。

人生とはほんとに花火のようなもので、
どんと咲いて散ってしまう。
しかし、多賀城の親子の大切な人も、
避難所でお会いした女性の旦那さんも、
僕たちの大切な仲間も、
咲き切れないまま亡くなってしまいました。
そういう方々がたくさんいらっしゃいます。
だったらせめて
花火ぐらいはどんと咲かして、
私たちが元気でやっているということを
天国に連絡したいと思っています。

天国に思いを伝えて
安心していただくということは、
最初に言ったとおり、論理的でもないですし、
科学的なことでもありません。
それでも私たちは鎮魂花火の打上げを
企画いたしました。
復興は、その先にあるものと考えています。
復興の前に、いい意味での、
いわばあきらめに似た、
ふんぎりをつけることが必要だと考えます。

私たちのいちばんの望みは
ほんとうは、復興でもなんでもない。
3月10日、あの日に戻ること、
その一点だと僕は思っています。
でもそれはかないません。
どうせだったら前よりも
すてきな町にしようという、
そういう気持ち、そういう強さが
復興につながっていくのではないかと思います。

そういったことを私たちスコップ団は
1年近くのがれき撤去を通じて感じ取りました。
我々が家の泥をいくらかきだしても、
何かを取り戻せることはありませんでした。
我々が何をしても
世界はびくともしませんでした。
でも、ひとりひとりの世界は確かに変わって
笑顔が生まれる、ということがありました。

3月10日を選んだ意図をよく問われます。
私はこう思います。

3月11日を忘れないようにしよう、
ということは、よく言われます。
しかしその日は、忘れないようにする日ではなく、
忘れられない日です。
忘れたいのに忘れられない日が3月11日です。

いちばん忘れちゃいけないのは、
なんてことない、
ほんとうになんでもない日々です。
幸せだったはずの、
前の日なんじゃないかと思います。
だから3月10日に花火を上げたいのです。


花火の1発1発は、
献花の値段と変わらないのですが、
「2万発」の規模にするため
大きなお金がかかってしまいます。

東日本大震災は、
2万人の犠牲者が出た1件の震災ではありません。
悲しい1件1件の事件が2万件も起きたのです。
僕たちはそういう認識をもって
これまで活動してきました。
ですから、この数字は絶対に譲れない。
絶対に2万発上げたい、と思っています。

天国に思いを伝える手段が
僕にはほかに思いつかなくて、
花火を打上げよう、ということになりました。
ご賛同いただければ幸いです。
よろしくお願いします。』

1月17日 13:30 宮城県庁
「天国にぶっ放せ!」鎮魂花火打上げ
スコップ団記者会見 より




今日は朝から空が泣いているけれど

どうか止んでほしい。

天国に届きますように。




震災後、ずっと復興ボランティアをしてきたスコップ団について詳しくは →webページ団長・平さんのブログ

動画中継や、糸井重里さんとの対談はこちら
*花火は犠牲となった方とご遺族のためのものです。関係者の方以外は見に行かないでください。



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コメント

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2 ■無題

すみません、私は何もしていないんです。
素晴らしい活動をしている方達がいることをお伝えさせていただいたのみです。

おっしゃる通り1年経ったから終わり、ではなく
まだまだできること、しなければならないことがたくさんあるので
各々が自分のペースでできればいいのではないかと思います。
これからもがんばりましょう。

1 ■無題

活動、お疲れ様です

私は仙台に近い町に住んでいながら

この1年、迷いながらも結果として

どこにもお手伝いに出掛けることができませんでした

少しずつスコップ団の活動が報道されるようになって

まだまだ私にも何かできるのではないかと

少し勇気ができました

そして花火…綺麗にみせていただきました

しかし、綺麗な後には片付けがあることに

気がついた時には手伝いたくても遅いんですね

すいません…ありがとうございます

次はどこかでできることを頑張ります

勇気をありがとう

心をありがとうございます



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