サミットでの対米アピールであるアフガン派兵・「派兵ならペシャワール会の活動停止」という深刻な抗議
この記事を読んで驚きました。
わたしはこんな悲しい表情の中村医師を拝見したことはありません。
書きたいこともたくさんありますが、まずは情報をアップします。
アフガン派兵に対する無責任マチムラ氏の発言には、防衛省からも批判があります。東京新聞(共同)
「陸自派遣なら活動停止」 アフガン支援の中村医師
2008年6月7日 20時16分
アフガニスタンで長年医療活動などを続ける福岡市の非政府組織「ペシャワール会」の現地代表、中村哲医師が7日、同市内で記者会見し、政府が復興支援活動としてアフガン本土へ陸上自衛隊の派遣を検討していることを強く批判、派遣が実現すれば同会の現地活動を停止し、日本に完全撤退することを表明した。
中村医師は「反日感情が高まり、日本人スタッフの安全を守れない」とした上で「現地が必要としているのはパンと水。軍事活動では何も解決しない」と訴えた。
同会によると、現地では米軍や国際治安支援部隊(ISAF)への反発が強まっており、自爆テロなどが頻発。自衛隊の派遣で日本人も攻撃対象となる可能性が高い。
さらに、干ばつの影響で小麦の価格が昨年から2倍以上に高騰するなど食料問題が深刻化。民衆の暴動も懸念され、同会では秋までに現地の日本人スタッフの大幅縮小を予定していたという。
北海道新聞
アフガン復興支援に陸自派遣 官房長官「調査実施含め検討」 (06/06 00:45)
町村信孝官房長官は五日の記者会見で、アフガニスタン本土での復興支援活動への陸上自衛隊参加について「現地調査を行うかを含めて検討の対象だ」と述べ、外務、防衛両省による合同調査団派遣の検討に入っていることを認めた。
町村氏は「(北海道洞爺湖)サミットでアフガンの治安回復、復興が国際社会の大きな関心事項であるのは間違いない」と強調。これに関連して防衛省幹部は、五月三十一日の日米防衛首脳会談で、ゲーツ米国防長官が石破茂防衛相に、アフガン本土での自衛隊活動に期待感を示したことを明らかにした。
政府は、「非戦闘地域」の要件を満たしているかどうかや、物資輸送の拠点候補地を調査する方針だ。
ただ、国連主導の復興支援活動は、タリバンの攻勢に対抗するため北大西洋条約機構(NATO)各国軍がアフガン東部に増派するなど、治安維持対応に追われており、防衛省内には安全確保は困難として、活動参加に慎重な意見が根強い。
折木良一陸上幕僚長は五日の記者会見で「タリバンの活動が継続している。特に東部と南部は厳しい状況と認識している」と、非戦闘地域の設定の難しさを指摘した。防衛省内には「サミットでのアピールありきならば本末転倒だ」との声もある。
しかし、それでも政府が対米アピールをするために調査隊は出発しています。
軍としての文民統制の機能が問われますが、まずそれ以前に、現与党策の対米対面を優先させ、自衛隊の海外派兵をさせることを示しているのではないでしょうか??
時事ドットコム 2008/06/07-13:46
アフガン調査団出発へ
政府は7日午後にも、アフガニスタン復興支援での陸上自衛隊派遣の可能性を探るため、内閣官房、外務、防衛両省の職員と自衛官で構成する約10人の調査団を現地に派遣する。
調査団は首都カブールなどで約1週間、現地の治安状況や、自衛隊がどういう支援活動をできるかなどを調査する。国際治安支援部隊(ISAF)などの活動も視察する予定。
ペシャワール会の公式サイトをお読みください。
http://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/
「誰もが行きたがらない所に行き、誰もがやりたがらないことをする」
ペシャワール会は中村哲医師のパキスタンでの医療活動を支援する目的で結成され
1984年より現地活動を開始しました
現在パキスタン北西辺境州・アフガニスタンに1病院と2診療所を運営して
年間約87000人(2006年度)の患者診療を行っています加えて2000年夏より戦乱についで今世紀最悪の干ばつに見舞われた
アフガニスタンの村々で約1600カ所以上の水源(井戸、カレーズ)確保作業を継続しています2001年10月からアフガニスタン空爆の中、緊急食糧援助を行ないました
この時に寄せられた「アフガンいのちの基金」をもとに医療事業、
水源確保事業、農業計画から成る「緑の大地計画」をスタートし
2003年3月より灌漑用水路建設に着工
2007年4月に第一期13キロが完成、現在第二期工事を進めています
この用水路によって6000ヘクタールの農地への灌漑が可能になりましたこれを日本では約12500人のペシャワール会会員が支えています
また、最近のペシャワール会中村さんの講演の記事がJANJANにあります。
なお、略したところが重要でないというわけではありません。リンク先を必ずお読みください(関連記事もあります)。
JANJAN
ペシャワール会中村医師「丸腰だから現地の人に伝わるものがある」
2008/06/05
パキスタンで医療や土木活動に取り組む「ペシャワール会」中村哲氏の講演が東京であった。「私たちの活動は丸腰だから現地の人に伝わる。平和とは武器によって作り出すものではなく、水と緑によって人々の生活を保障すること。ものがないアフガンだが、日本に比べ子どもたちの笑顔はすばらしい」と中村氏が信念を語った。
5月29日、東京・小平市の「ルネこだいら」で「九条の会・小平三周年のつどい」として、「ペシャワール会」中村哲氏の講演がありました。「1週間前まで土木作業現場におりました。医師がなぜ土木工事をやらなければならないのか、憲法9条とアフガンと土木工事の関係は? ということを24年間現地でやって、見てきたことを紹介します」と写真を見せながら、中村医師は語り始めました。(以下に「私」とあるのは、中村医師のことです。)
アフガンとはどんな国?
(略)
日本人は不撓不屈?!
私は1984年5月、ハンセン病コントロール5カ年計画で入りましたが、ハンセン病だけ診ているのでは成り立ちませんでした。というのは、ハンセン病のあるところにはあらゆる感染症があるからです。ハンセン病は貧しい山の中に多く、パキスタンから無数にある間道を抜けてアフガンに入り、アフガン山村部の医療確立をめざしました。
当時で1週間以上歩いていくような村が普通にあります。外国人が来たのは初めてで、村長が知っていた外国が唯一フランスだったので「フランス人か?」と聞かれたこともあります。日本人というとそれだけで、みんな協力的になりました。
現地の人が日本について連想するのは、日露戦争とヒロシマ・ナガサキです。あの廃墟から技術立国で繁栄し、一度も海外に出兵したことがないという美しい誤解を抱いているのです。100年前、アジアは日本、アフガン、タイ以外はヨーロッパに支配されており、ロシアを撃退したことがアジアの人にとって励ましになっています。不撓不屈だという誤解です。今は、強いアメリカにペコペコし、化けの皮がはがれつつありますね。
世紀の大干ばつで数か月の間に砂漠化
(略)
9・11後の無差別報復爆撃で数万人が死亡
2001年1月に国連による制裁がありました。理由は2000年10月に米軍の駆逐艦を自爆攻撃で大破させたアルカイダをアフガン政府がかばったからというのです。しかしタリバンといっても、その地域の価値観を代表する人たちにすぎず、餓死者が100万人以上出ているのに、その上経済制裁までされ、アフガンの人々は外国人不信となっています。ブッシュは世界には2つの立場しかないとして、報復爆撃を行いました。私がアフガンに必要なのはパンと水だと言ったら、中村はタリバンの味方だと脅迫されました。
あの時、世界中が何かに取りつかれていたと思います。戦争の実態が忘れ去られ、ゲーム感覚になっていました。攻撃する側の映像のみが流され、攻撃される側の映像はありませんでした。米軍の1撃で何百人死んだということを、日本人は想像もしなかったでしょう。
しかし、わずか数カ月で6億円の募金が集まりました。アフガン人20人の配給部隊に輸送してもらい、食糧1,800tをカブール市民15万人に届けました。20人を3つに分け、1つやられても残りを届けようとしました。アフガン人というのは同胞のためには命を顧みない勇敢な人々なのです。ピンポイント爆撃でテロリストだけをやっつけると言いますが、実際は無差別爆撃で数万人が死亡しました。
数が問題なのではありません。ニューヨークで亡くなった2千数百名には世界中から悼みの声があがったにもかかわらず、アフガンの犠牲者数万人には悼みの声がない。あまりに想像力に欠けていると思います。
「絶対の正義と自由の国」アメリカによってタリバンは打倒され、ブルカを脱ぎ棄てて喜ぶ女性の映像が繰り返し流されましたが、今は日本人の記憶の中から忘れ去られています。その後、どうなったか? ケシ畑が復活し、世界中の非合法の麻薬の93%をアフガンで作るようになりました。女性の売春の自由、乞食をする自由、餓死する自由が認められました。
丸腰だから現地の人に伝わるものがある
(略: 活動についてぜひこの記事と、ペシャワール会のサイトをお読みください)
ペシャワール会が灌漑用水を作っているすぐ脇で、トルコ軍が道路を作っていたら、何人も(トルコ兵)が誘拐されました。その後インドに変わったが、(インド兵の)誘拐は続いています。ペシャワール会は丸腰で現地のために本気でやっています。(被害を受けないのは)何か伝わるものがあるのです。銃剣に守られた復興支援はありえないのです。
平和とは武器によって作り出すものではなく、水と緑によって人々の生活を保障することです。3度3度ご飯が食べられること、家族が一緒に暮らせること、それ以上を望む人はいません。日本に帰ってくると人々の表情が暗いですね。人間、物を持てば持つほど顔が暗くなるんですね。アフガンの子どもたちは生きることさえ大変だが、笑顔はすばらしい。日本の子どもはどうですか?
私も初めのころ、思い上がった気持ちがなかったわけではありませんが、「情けは人のためならず」で、この仕事で助かってきたのは自分だと思います。人間にとって最後の最後まで必要なものはなんでしょうか? 日本のみなさんに考えていただきたいと思います。
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1 ■無題
記事を読ませていただいて、本当に驚きました。あの中村さんの活動が台無しにされるなど、とんでもない話です。中村さんの心中を思うと張り裂けそうな気持ちになります。
TBさせていただきました。