神仏像と怪獣造型

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怪獣造型と神像(仏像)の共通点について、前に「絶対ゴジラ主義」(角川書店)という本で、ぼくはこんな風に書いています。

 利光の作るゴジラについて一言加えるならば、より自然な現実的な写実表現という点から、鎌倉時代を代表する彫刻家の運慶とその一門である運慶工房の作品を髣髴とさせる。
 さらにいえば慶派作品の特長である、内から外に向けて表出される力強いエネルギーにも通じている。というのもゴジラの顔の筋肉(マッスル)は、仏教彫刻でいうところの“肉どり”とおなじ解釈のものであり、躍動感に富んで量感を示す喜怒哀楽の情感が、あの頬に描かれているといえるからだ。
 ことにモスゴジは、快慶が師匠運慶になぞって作ったといわれる『広目天立像』(金剛峯寺蔵四天王)と同じ肉どりの頬、眉間、顎になっていることに驚かされる。
 猫科の肉食獣を想起させる粗暴と野性、しかし見ようによっては愛らしささえ伺えるモスゴジの顔は、油の乗り切ったころの美術陣が送った東宝黄金期の顔である。

95年の本だから、もう16年前の本ですよ。まだ30代だったんだ。
だから、いささか強引なんですが、ま、怪獣愛が溢れていたわけです。
で、16年経って、今度は仏師の仕事を準える事になるとは思ってもみませんでした。
写真、上から、広目天立像(和歌山 金剛峯寺)、それに、深沙大将(京都 金剛院)。ぼくにはこれが、モスゴジに見えたりバラゴンに見えたりしたんです。そっくりですよ。

そして、今度作ろうと思っているのは、新薬師寺の十二神将の1人、婆娑羅大将です。3番目の写真。これは、粘土です。
運慶や快慶は木彫りで荒々しいんですが、こっちの粘土の質感の方は柔らかいです。
やはり怪獣ファンにしたら、マルサンの怪獣を作った瀬戸物職人の粘土技術が浮かんでしかたないわけです。柔らかい線で厳しい顔が出来たらと思います。
どうして厳しい顔に惹かれたかと言うと、婆娑羅大将は切手で有名でしたけど、改めて見入ってしまったんです。
やはり今回の震災以降のさまざまな要因があります。被災者の無念はいうに及ばず、放射能問題、経済も悪くなりました。
実際、これから先、どうして食っていこうか?という自分の気持ちもあります。神仏にすがりたい気持ちに対して、神仏に挑みたい気持ちもどこかにあります。不遜ですよね。あいすいません。
そして、ウルトラマンが未来の姿なら、過去の神仏にもう1人の超人を見るわけです。憧れ、でしょうか。
 

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