うがい薬は被曝を防げるか? | じろりんのもにょもにゃ

じろりんのもにょもにゃ

もにょもにゃしているわけである。

最近、多数「うがい薬を飲めば放射線の被ばくを予防できる」

というニュースが流れている。


たとえばこれだ。

「うがい薬飲めば大丈夫」ネット上のデマ
http://www.daily.co.jp/gossip/article/2011/03/16/0003869980.shtml



私が福島原発の爆発を受けてイソジンを買ったり
それをいざというとき飲むつもりだったりすることをこのブログにも書いた。

それを見て「デマだから信じちゃダメだ」と忠告してくれる人もいる。


だからちゃんと説明しないといけないなと思ってこれを書くことにした。


デマだという人も、信じてうがい薬を買う人も、

もうちょっと自分で考えようよ、と思う。


簡単に「これは効くらしい」とかで買って飲むのは間違ってるとおもうし、
簡単に「デマだから信じちゃいけない」と言うのもおかしいと思ってる。


私はけっこう調べて考えて、
これは意味があるなと判断したから購入したのだ。

同じように調べて判断して購入しないというのもありだと思う。


一番よくないのは流されることだ。



自分の体のことは自分で決める。
もし健康に害が出ても自分で判断したのだから仕方ない。
よくても悪くても結果は自分が受けるのだから。


そもそも、

なぜ「効く」のか?
なぜ「効かない」のか?

なぜヨウ素なのか?


「茨城県薬剤師会の薬事情報からの転載」http://www.geocities.co.jp/wallstreet/1795/datugenpatu/991226yousozai.html
をソースにして説明する。


まず、ヨウ素が放射能自体に「効く」わけではない。


原子力施設で爆発が起きた場合、ヨウ素・クリプトン・キセノンなどの放射性物質が放出される。

(あとセシウムも)


つまり放射能放射能といっても、それ自体は目に見えないけど、
放射線を出す能力のある放射性物質が飛んでくるのだ。


その中で放射性ヨウ素は拡散しやすく体内にも吸収されやすい。


このヨウ素が体内に吸収されると主に甲状腺に蓄積されそくざに甲状腺ホルモンに合成され甲状腺組織の中で放射線を放出し続けるので甲状腺障害がおこり、甲状腺腫や甲状腺機能低下症になりやすくなる。


なので、ヨウ素の取り込みを防ぎたい。


あらかじめ体内にヨウ素をとりこんで飽和させておけば
放射性ヨウ素が飛んできても排出されるから取り込んでおこうというのが
ヨウ素を取り込んでおく理由。


当然、セシウムやクリプトンやキセノン等のほかの放射性物質の取り込み阻止はできないし、

放射線から身を守ってもくれない。


(だからヨウ素を飲んでおくことより濡れたマスクをしたり外気を吸わないなどのことのほうが大事。)


なぜクリプトンやキセノンなどではないか?というと
ヨウ素はもともと体内にもあるということと上にも書いたように

飛散しやすく体内に取り込みやすいからだと思う。


それが被曝したさいや、被曝直前にヨウ素を飲む理由。



いつでも飲めばいいわけでもなく
多く飲めば飲むほどいいわけではない。


そもそもヨウ素は取りすぎると体に毒だ。

うがい薬につかわれたり殺菌剤につかわれているくらいだし。


もともとの成人1日のヨウ素所要量 0.15mg。 許容上限摂取量 3mg

でこれ以上の量を長い間摂取すると甲状腺機能低下症になる可能性がある。


ソースはここ
http://plaza.rakuten.co.jp/teruchansup/diary/200911060000/

たとえトロロ昆布であっても食べ過ぎては毒なのだ。


「放射能が怖いからうがい薬を飲んでおこう」
というのが悪いのは量や飲むタイミングがわかっていないことも大きいと思う。


さきほどの「茨城県薬剤師会の薬事情報」の表を引用すると


100mgのKIを投与したときの131I摂取防止率


投与時期      防止率

被曝24時間前投与  約70%
被曝12時間前投与  約90%
被曝直前投与    約97%
被曝3時間後    約50%
被曝6時間後    防止できない


大事なことは6時間後では間に合わないということだと思う。


どれくらいの量飲むか?は

成人でヨウ化カリウム130mg(ヨウ素として100mg)
一日一回服用。


どのタイミングで?

というのは同じページに

「被曝線量が5レム以下の場合は使用しないほうが良いとされ、

逆に50レム以上の場合は積極的に使用することが望まれている。」

と書いてある。



レムだからわかりづらいけど、
1レム=10ミリシーベルトなので
50ミリシーベルト以下ならのまない「ほうが」よく
500ミリシーベルト以上なら積極的に飲んだほうがいい。


100ミリシーベルト/時間 の単位になってきたらもう飲んだほうがいいと解釈した、私は。


今回、福島原発の正門で一番高く観測された被曝線量が400ミリシーベルト。

なので福島の人は安定カリウムヨウ素剤が配布されている。


今日神奈川で観測されたのは毎時0・182マイクロシーベルト
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110316/kng11031613430000-n1.htm


まだまったく飲むレベルではない。


今飲んでいる人がいたら、ハッキリ止めないといけない。



さて、そして安定カリウムヨウ素剤ではなく、
うがい薬を飲むことでも意味はあるのか?ということと
うがい薬は体にむしろ悪いのではないか?と言うことについて書きたい。


ここが一番問題になっているところだと思う。


安定カリウムヨウ素剤を飲むことに反対している人はいないしね。


イソジンの成分は

1mL中
ポピドンヨード70mg
(有効ヨウ素として7mg)
●添加物として、エタノール、Iメントール、サッカリンNa、香料を含有します


・・・と箱にかいてある。


エタノールはわりと有名だから説明しなくてわかりそう。アルコールの一種
Iメントールは、ハッカ油の主成分
サッカリンNaは甘味料
香料はいいとしよう



つまり添加物は関係ないし飲んでもまず問題ないものばかり。


つまりポピドンヨードが何か?という問題になる。


wikiによるとポピドンヨードとは
1-ビニル-2-ピロリドンの重合物(ポリビニルピロリドン)とヨウ素の複合体と書いてある。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%94%E3%83%89%E3%83%B3%E3%83%A8%E3%83%BC%E3%83%89


うーん これが人体にヨウ素としてちゃんと吸収されるかどうかと、
人体にどのような害があるかはこれではわからない。



ただ、明らかにヨウ素は含まれているから
ある程度の意味はあると私は思う。


ただ、下痢などして逃げないといけないのに
逃げれないという可能性もあるかもしれない。


そして非常時には100mgのヨウ素を飲まないといけないわけだけど、
1ml中7mg含まれているので15ml飲めば十分だ。


計量カップがついていてうがいするときは

4mlいれて薄めてうがいするので4mlの線がついている。

それを4回やって飲めばよい。


そんなに多くはない。


でも害は必ずあるので、私が飲むときは、
4mlを水で薄めたのを一杯ずつ、様子を見ながら飲むと思う。


ただ、ヨウ素自体として入っているわけじゃないことが不安。



ルゴールだと成分が

ヨウ素、ヨウ化カリウム、グリセリン、ハッカ水、液状フェノール、精製水


ヨウ素とヨウ化カリウムがそのまま入っていることが大きいと思う。


ヨウ化カリウムはイオン結合なので液体の中ですぐ遊離しやすく
イオンのヨウ素のほうが体内に吸収されやすい。


なのでルゴールのほうがよい。


処方される被曝を防ぐヨウ素も安定カリウムヨウ素剤で
ヨウ化カリウムなことはそのためだと思う。


ポピドンヨードだとちゃんとヨウ素が遊離するのかが心配だと思った。


それでも、それ(イソジン=ポピドンヨード)しかなければ

私は放射線被ばく量が100mシーベルトを超えたとき飲むと思う。


なぜか?


さきほども書いたけど、被曝して6時間すぎると飲んでも間に合わない。


安定カリウムヨウ素剤がその前に支給されていればいいが、間に合わないのが怖い。


ルゴールやうがい薬は薬局で手に入る。


どちらにしても消毒目的のものだし

そもそもヨウ素の取りすぎが体に悪いので体に悪いことは明らかだ。


それでも放射性物質を体に取り込むことの方が怖いと思うから私なら飲む。


もっとも、飲むような状況になれば、それよりも


●濡れたマスクをして放射能性微粒子が体内に入るのを防ぐ
●雨にぬれない
●鉄筋コンクリートの建物にとじこもり換気をふせぐ
●発生源からなるべく遠ざかる


ということのほうが、ずーーーっと大事だ。


最初のほうで書いたけど、

安定ヨウ素剤を飲んでいても、放射性ヨウ素の吸収しか防げないので他の放射性物質の吸収は防げないし、被曝はする。


まず、飲むような事態にはならない。
そう思いつつ、なおかつ購入していざというときのために備えるつもり。


ネット上で「デマだ」とか「信じるな!」とか言うことを
うがい薬を出している会社自体が言っているのは、
心配だからといってガブガブと今から飲む人が絶対あらわれるからだと思う。


それは本当に体に悪いし無意味だから「デマだ」と言う気持ちもわかる。


最初に貼った記事では


(1)うがい薬などの市販品は内服薬ではない
(2)ヨウ素以外の成分が多く含まれ
体に有害な作用を及ぼす可能性のある物質も含まれている。
(3)ヨウ素含有量が少なく、効果がないという。


というのがうがい薬が「効かない」どころか「飲むと危ない」理由。



1の内服液ではないのは、そもそもわかってる。
 でもうがいするのだから喉までは入れてるし、少しは体内に入っている。
 ルゴールも喉に塗るのだから体内にはいっている。
 それには何の問題もないのだから、ある程度は体に悪くないものだ。
 めちゃくちゃ毒ならそんなことはしない。
 放射性物質はめちゃくちゃ毒だ。


2のヨウ素以外の成分は上にもかいたがそんなに含まれてはいない。


3のヨウ素含有量は上にもどれだけ含まれているか書いたが、
けっこう含まれていることは明らかだ。


なのでこれはあまりいい説明とは言えない。


しかし上にも書いたけど、それ以外の理由で「意味がない」ことはありうると思う。

ポピドンヨードを私があまりわかってないことが大きい。


イソジンにしてもルゴールにしても、
「確実に放射性ヨウ素の取り込みを阻止できる」という臨床実験はないし
体には悪いので、個人個人の判断で、起こった結果は全部自分の責任として受け取るしかない。


「放射能にはイソジンを水に薄めて飲むと良いって聞いたのですが、本当なのでしょうか?」

というYahoo知恵袋にも賛否どちらもあった。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1457458499


結論はついてないと思う。
だから自分の判断で決めるしかない。


どちらともいえない。


ながなが書いたけど、
私の書いたことも信じないで
ちゃんと自分で納得して自分がとる行動を決めたほうがいい。


ただ、私はいざという場合には飲むと思う。


飲む状況にはならないと思っているけど。


拡散は絶対してほしくない。


私も確信はもっていないからだ。


ただ、自分の身の安全を考えたときに、
自分のために飲もうと思っている。