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未曾有の被害をもたらした東日本大震災から今年で3年になる。東北から全国各地へ避難した人々、またその避難者に関わった人々にもさまざまな思いがある。新しい環境のなかで不安を取り除くことや自分の居場所を見つけることは容易ではなく、周囲からの助けが必要だ。桃山学院大学(大阪府和泉市)のサークル団体『あさがお』は“遊び”を通して被災した子供たちの「心のケア」をする活動や、避難者間のネットワークづくりを行ってきた。これまでの2年間の活動は何を残したのか。サークルを立ち上げた代表で同大学院社会福祉研究科修士課程2年生の築地佑人(つきじ・ゆうと)さん(24)に活動への思いを聞いた。

-団体をつくったきっかけは
「大阪市が主催の『被災者家族の会』に、子供を預かるボランティアとして参加したことです。当初は何気ない気持ちで参加しましたが、ある小学生の子から、震災翌日に行われるはずだったピアノの発表会に出られなかったという話を聞き、そこで初めて、それぞれに抱えている思いがあるのだと実感しました。大阪で何ができるのか。大学の仲間に相談し、関西への避難者を支援するボランティア団体を組織して継続的に活動していくことになりました」

-どんな活動を
「初めて団体を組織してのボランティア活動で、どれだけできるかわかりませんでしたが、とにかく1年間やってみようという気持ちで2011年6月より活動を始めました。大阪市の西成区と平野区、西淀川区にある市営住宅に暮らす避難者を対象に“遊び”を通じた子供たちの心のケアや、避難してきた家族同士のネットワークづくりに取り組むというものです。月に1回、自分たちでレクリエーションを考えてデイキャンプなどの野外活動や、企業からの招待を受けてテーマパークで一緒に遊ぶ活動などを行いました。第1回目には、僕らの団体名である『あさがお』とともに成長してほしいという願いを込めて、子供たちとあさがおの種を植えました。そのうち次の企画を求める声が子供たちや保護者からだんだん上がり、2年目も活動を続けていきました」

-活動のなかで感じたことは
「最初は元気な子供だったのに、夜になると突然『津波が来た!逃げろ!』と叫びだし、泣きながら震える子がいました。他にも時々何かを破壊したくなる衝動のある子や親から離れることに対して極度に不安を感じる子もおり、今でも心に不安を抱えているのだと感じました。そんな時は強く抱きしめてあげて『大丈夫だよ』と声をかけたり、子供たちが落ち着いてから、自分から話し出すタイミングを待って話を聞いたりしました」

-保護者との関係は
「活動の中心は子供を対象にしていましたが、保護者にも子供たちが遊ぶ姿を見て元気になってもらいたいと考えました。またゲームや飯盒炊爨(はんごうすいさん)などにも参加していただき、互いに交流を深め合えるように働きかけました。具体的な解決案は提供していません。国の支援に対する不満や、新しい環境のなかでの苦労など、話を積極的に聞くように努めました。ただ、2年間活動していると、ボランティアが介入し続けることに対して、徐々に生活基盤が整い始めているにも関わらずまだ『支援されている』とどこか後ろめたさを覚える人が増えたと感じるようになりました。そして『あさがお』としての一定の使命を果たすことができたと考え、2013年の3月に活動を終えました」

-活動で苦労したことは
「『あさがお』が支援活動していることを避難者にどう伝えたらいいのか。そのための連絡体制作りが一番大変でした。西成区、平野区、西淀川区の社会福祉協議会を通じて避難者の情報などを得ようとしましたが、初めはなかなか教えてもらえませんでした。しかし何度も頼み込んだ結果、社協を通じて避難者に活動のお知らせを伝えることができた時は、活動へ一歩前進できたのだと安堵を覚えました」

-ボランティアの喜びは
「子供たちの『次いつやるの?』という声や、東北へ帰省する日をずらしてでも『キャンプだけは絶対行きたい』という声がうれしかったですね。また保護者が連絡先を交換し合っている姿を見て、目標は達成され、よい方向に進み始めていることを感じました。東北で子供たちと一緒に花植えのボランティア活動を計画したときは、普段は極力子供たちに被災地のニュースを見せないようにしているなかで、保護者に子供たちを被災地に連れていくことを許していただけるなど、大きな信頼を寄せていただいていることを感じました」

-今後の目標は
「ボランティア活動の企画など中間支援をする、ボランティアコーディネーターをしていきたい。子供たちと関わりながら、時折、隠れている辛い思いに触れたとき『この子たちは何をしてほしいのだろう』と思い、小さな言動をもっと拾いたいと考えるようになったからです。また代表として動いていたので、スタッフのモチベーションの向上や、学生自身のやりがいをどこに見出していくのかなど、ボランティアを通して学んだことはとても大きいです。この経験を活かして、今後は学生や地域でボランティアをしたい人に対する企画やマネジメントを手掛けていきたいです」

(学生通信社 武庫川女子大学 文学部 井上菜奈)



「今後もボランティア活動に携わっていきたい」と語る築地佑人さん(=大阪市北区)
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