中小企業のジョブローテーション | 真夜中と朝のはざまで想うこと SEASON2

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千葉県市川市の社会保険労務士事務所 ガイアFP社会保険労務士事務所の活動を綴ったBlogです。

ES(従業員満足)のこと・農業のこと・障害年金をはじめとする年金のこと等々から、プライベートまで心の赴くままに綴ってまいります。

千葉県市川市の社会保険労務士・CFP 大野広康です。

感想し切っていたところに久しぶりの雨。
乾燥肌のかゆみに悩まされていたのですが一息つけました。


本日もよろしくお願いいたします。

仕事始めの週も早くも後半戦に入りました。
あいさつ回りなども一息ついて、いよいよ本格的なお仕事モードになってきたというところではないでしょうか。
そんなお仕事に役立つちょっとした中小企業の採用や教育についてのことを、時折書いていきたいと思っております。


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人員の限られた中小企業では、様々な業務を兼任せざるを得ないことがほとんどではないでしょうか。
結果として、社内の様々な業務を経験する、という意味でいわゆるジョブローテションに近い人事異動などが行われているケースがあります。


ちなみに【ジョブローテーション】とは?
人材育成計画に基づいて、社内で定期的に異動させたり、業務内容、担当業務を変更させることを言います。


たとえば…
運送業において、配送業務だけでなく、仕分け業務や営業職や事務職も担当させる

とか

飲食業において、店舗での接客業務だけでなく、調理業務や販売促進等を担当させる
などです。




しかしながら、多くの場合、中小企業での担当業務変更は人材育成を目的としたものではなく、単なる人員配置の関係(現場の人員不足の解消など)が目的となってしまっていることが多く、本来の意味でのジョブローテーションにはなっていないことが大半であるように思えます。

人材豊富な大企業ならいざ知らず、人員の限られている中小企業においては、人材育成の目的でジョブローテションを行っていくのはなかなか難しいのは事実なのですが、そうした中でも戦略的にジョブローテーションを活用して人材育成を行っている事例も存在します。

【幹部候補生の育成】
将来の幹部候補生の育成のため、2-5年程度をかけて、営業・人事・財務・マネジメント等基幹業務を経験するローテーションを行う


この場合、行き当たりばったりで行うのではなく、自社の幹部として必要なスキルを分析したうえで、どのような順序や期間でローテーションをするかの計画を立案した上で実施すると効果が高まります。

【新人育成】
新入社員の育成のため、自社業務の全体像を理解させるも公的で本配属前に数か月-1年程度をかけてローテーションを行う


漫然と様々な仕事を経験させるのではなく、「この仕事は他の部署とどのように関係しているのか」「社内でどのような立場なのか」「顧客とどのような関係をもっているのか」を考えるように動機づけしていくと、妙なセクショナリズムをもって仕事をするようになることを防ぐ効果が期待できます。
また、自分のやりたい仕事でないからとモチベーションダウンしてしまいそうなときに、「社内でも欠かすことのできない仕事なのだ」と意義を感じさせることもでき、ES向上につながっていきます。


【不正防止など内部統制】
配置転換のない職場は、担当者の業務スキルが習熟する一方で、マンネリに陥り新しい視点で革新的な取り組みがなくなることがあります。、
同じ仕事を一人の社員が長期に担当することでブラックボックス化してしまって不正等の発見が遅れる危険性もあります。
定期的なローテーションで特定の社員に権限が集中しすぎないようにすることも経営リスクの管理上重要です。


これらのメリットがある一方でデメリットも存在します。
業務に習熟するまではどうしても生産効率、業務効率が悪くなったり、あまり短期間のローテーションだと専門知識が付与できない、などが考えられます。
これはある意味でコストと考えることもできますね。


こうしたコストに見合うだけの価値があるのかをよく検討した上でジョブローテーション制度の導入を考えていくことが大切です。


本日も最後までおつきあいいただきましてありがとうございました。

「人」それは唯一 感情を持つ経営資源です。
ガイアFP社会保険労務士事務所


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