・・・長かったCMも明けまして(?)
インクルージョンについてのお話の続きです。
細かい事になっちゃうんですが、「鉱物の中に鉱物が入る」っていう
条件だけで考えちゃうと、岩石もアリになっちゃうのですよねぇ。(笑)
実際、キャッツアイやスター等の効果が出る物は、インクルージョンに
よる光の反射が原因となるものが多く知られています。
・・・この辺の事は別でやりましょっか^^;
ひとまずは水晶からの続きで(汗
---------------------------------------------------------------
タイムリーなとこで甲武信w 角閃石の草入り水晶ですね。
左の水晶の頭付近には、黒緑色薄板状のものがいくつも見られます。
緑泥石でしょうか・・・。
柿野鉱山産の灰鉄輝石入り水晶。 色がちょっと綺麗に出ないかも@@
確かにインクルージョンにはなっていますが、母岩も灰鉄輝石なので(笑)
甲武信と同じくスカルンであり、灰鉄輝石に方解石が絡む物が見られます。
方解石を酸で処理すると、灰鉄の立体的な結晶や内包水晶などが出て
くる事があるです。
---------------------------------------------------------------
恵那・中津川方面より・・・
山入り水晶を2つほど。 山入りは、一旦形成された水晶がC軸方向に再成長
したものなのでインクルージョンとは言えないのですが、水入りと同じように
山の部分に気泡や別鉱物、色違いなどあって初めて山入りと認識できる訳です。
左は山が2つ、つまり再々成長した「3段水晶」で、最初の山には多くの気泡が
見えますが、内部に緑泥石っぽいインクルージョンが見えます。
右は煙水晶に透明な水晶が再成長した山入りで、再成長時に長石が内包された
物です。 ちんの峠などで良く見かけたタイプですが、暫く採集から離れていたら
「南洋美人」などと呼ばれるようになってたんですね。(汗
因みにですが・・・ 「世界中でここだけしか採れない」 的な事を言う方もいる
みたいですが、これはちんの峠産ではありませんのであしからず・・・。
(追記)
逆説的で申し訳ないのですが、万一「ちんの峠産ではないなら南洋美人
じゃない!!」と言われる方がいるならば、これは「南洋美人ではない」と
思って頂いて良いです。(-_-;)
---------------------------------------------------------------
ガサガサと汚い煙水晶。
柱面に細く直線的に入る鉱物が、内部にもインクルージョンと
なっています。 ちょっと判りにくいので、この時一緒に採集した
縦に薄く割れている画像を以下に。
確定した訳ではないですが、内包物は「鉄電気石」(トルマリン)と思われます。
現物をルーペなどで拡大すると、柱面や頭が綺麗に見える部分があります。
これも煙~透明の山入りです。 山に白い部分が見えますが長石では
ありません。 下の煙のあたりの柱面に淡褐色の鉱物が刺さるように
入っています。 これは緑柱石(ベリル)で、このような色になるのは
錆or水垢or粘土とかの要因ではないかと考えています。
---------------------------------------------------------------
透明な水晶に黒いマリモのような内包物が見えるサンプルです。
頭もなく、背面は縦に割れていて内包鉱物が半分露出している状態。
この「まっくろくろすけ」っぽいのをあえて紹介したのは、単純にこれが
インクルージョンとしての外観だというだけの理由ではありません。
岐阜県の蛭川~苗木地方の煙水晶は放射性物質の影響による発色と
言われており、実際にそうした鉱物種も確認されています。 一方では透明な
水晶や、前出の煙と透明のコラボなんてのもあるです。
つまりこのサンプル、放射性鉱物の内包でその周りだけ煙になったものでは
ないかと予想したものです。 因みに背面の見えている部分は橙褐色塊状で
モナズ石等なのか、ただ放射性元素を含んだ粘土なのか等は判りません。
---------------------------------------------------------------
う~ん、インクルージョン+水晶だけでも結構ありますね。
これ以上は私が飽きた&面倒なので、次回のこのコーナーでは
「水晶以外の鉱物のインクルージョン」をご紹介したいと思っております。
乞う、無期待!! (笑)