ステディカムが欲しい・作りたい
■特殊映像もアマチュアの手に
「2006年はネット動画元年」と書いて早や2年半。今ではすっかり動画サービスが定着してます。時の経つのは速いですね。ウケるコンテンツは、もはやマスコミやクリエーターだけでなく一般の人たちの手に委ねられている時代にですね。
技術的な側面で見ると、ハイビジョンはTVだけのものでなく、ハイビジョンカメラが普通に家電屋さんに並ぶ時代。そして更に最近では、スーパースロー映像が撮影できるデジカメやビデオカメラが登場し始め、ニコニコ動画なんかにも普通に掲載されてます。
見た人は知らず知らずに心の底のほうで「凄いなぁ」と感じてると思いますし、「スーパースローで撮るともはや手ぶれすら無くなるように感じるんだ」などと映像の更なる可能性を感じてる人も多いのではないでしょうか。
こうしたハイスペックな映像、特殊映像といったものが、徐々にユーザーの手に委ねられるのが昨今のトレンドだと思っています。
私もそういったものにとても興味がある1人です。特に最近は沖縄でウミガメに出会ったこともあって、水中撮影をしてみたい、空撮映像を撮ってみたいなどと頭の中では妄想が広がるばかり。
■キメのシーンに使われる「ステディカム」
そんな中、私がいま一番ご執心なアイテムが「ステディカム」(Steadicam)です。
ステディカム(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AB%E3%83%A0
ステディカムと言われてピンと来る方は少ないかもしれませんが、今やっているオリンピックで言えば、陸上のトラック競技でゴールした後に優勝者などがウィニングランする際の映像を撮影するアレです。ベストを着けたカメラマンが、なにか縦に長いポールを付けた変なカメラを持って、せっせとアスリートの後を追っかけているアレです。
オリンピック以外では、サッカーのコーナーポスト付近なんかにも居て、コーナー近くでオフェンスとディフェンスがボールを奪い合う姿を迫力ある映像で撮影してたりします。
スポーツ以外で言うと、映画「ロッキー」。ロッキー・バルボアがトレーニングのためにジョギングをして、フィラデルフィア美術館の階段をトントントンと駆け上がり、階上でガッツポーズをする有名なシーン。あれも、ずっとステディカムが追いかけてましたね。
また、映画「タイタニック」の最終シーンも印象的です。ヒロイン・ローズの心が深海に沈むタイタニックのデッキを駆け抜けるかのような目線でカメラが進み、海の藻屑となった船がありし日の姿に戻っていく中、やがて大階段にたどり着くとローズがジャックとキスをする、というものでした。
あの一連のスムーズな映像は恐らく(自信はありませんが)、CGとコンピュータ制御のクレーンカメラ、そしてステディカムの合体作じゃないかと推察します。それ以外のタイタニック船内で走り回るシーンなんかも、かなりステディカムが多用されていたようです。
ブレが無く流れるような映像は、まるで人間の目で見ているかのような感覚を与えます。比較的長い動きのあるシーンには、このステディカムがとても効果的な役割を果たします。
なお、最近ではニコニコ動画にもステディカム映像が出始めています。まさに今後のトレンドですね。
■自分にも手に入る!?
で、そんなプロ用の機材は素人には手に入らないんじゃないか、と思ったのですが、調べてみると実はコンシューマ向けのステディカムが売られているんです。「ステディカム・マーリン」もその1つです。
Steadicam Merlin(米Tiffen社)
http://www.steadicam.com/handheldmerlin.html
YouTubeにも、これを使った映像が載っています。
Steadicam Merlin Demonstration(YouTube)
http://jp.youtube.com/watch?v=J6HDUDbeEJw
ただ、それでも10万円以上するらしく・・・ これはダメかなともう諦めたのですが、更に調べを進めると「ステディカムを自作する人たち」がそれなりにいるということが分かりました。
いくつかのサイトをリンクしようかなと思ったのですが、それよりは「ステディカム 自作」で検索してみるほうが良いかもしれません。
そもそもステディカムの原理は、どうやら「やじろべえのような振り子」や「バネなどによる振動吸収」などがキーになっているらしく、前者の振り子の原理だけを使った簡単な装置でもそこそこの効果が得られるらしいのです。
つまり、上にカメラ、下に錘(おもり)を置いてその間を棒状のものでつなげ、支点の部分に可動性のあるハンドル(グリップ)を取り付けることで、上にあるカメラが比較的ユーラユラと動き、ガクガクした振動を減らすといった感じです(間違ってたらスイマセン)。
自作派の方のサイトなどを見てるとバランスや重心の調整がとても微妙らしく、思ったような安定性を得るのはなかなか難しいようですが、市販価格10万円を考えると自作派へ多きく心が揺らぎつつあります。
■どこかで売り出したら面白いんですけどね
ビデオカメラはあくまで電子機器メーカーの商品なので、こういった力学的なオプション商品を作るとは考えにくいのですが、ユーザの立場からするとやはりこういったアイテムも興味深いもの。どこかの電機メーカーがステディカムを遊び心で作ったりしたら面白いと思うのですが、どうなんでしょうね(どちらかというと、三脚などのカメラ用品を作るメーカーのほうが親和性がありますが)。
で、更に調べてみると、最近こんな商品も売り出されている様子。
ボーゲンイメージング、テーブル三脚にもなるカメラスタビライザー(デジカメWatch)
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/accessories/2008/04/22/8346.html
Amazonでも17,000円ぐらいで売り出されている様子。うーん、思い切って買っちゃおうかなぁ。でも、今ひとつガタガタ感があるなあ・・・
そんなこんなで、あまり他人に期待せず、時間をかけても少しずつチャレンジして製作していきたいとも思う今日この頃です。
■追記 「HAGUE MMC」が良さそう
と、記事を書き終わった後もしつこくネットサーフィンしていると、良さそうな商品が・・・
HAGUE MINI MOTION-CAM(英・HAGUE社)
http://www.b-hague.co.uk/Camcorder%20Stabilizer%20HCS3.htm
税込59.95ポンド、日本円で13,000円程度。重量800gはやや重そうですが、一般的なコンシューマ向けステディカムの中では妥協できる値。ただ、日本では売ってなさそう。
但しこのサイトには、ステディカムがこんな構造で出来ていて、調整もこんな風にやればいいんだ、ということがよく分かるビデオが載ってます(Vimeoのやつ)。これを見ると、やっぱり自作しちゃったほうが早いんじゃないか、と思ったりもします。うーん、悩ましい!
追伸:自作に挑戦しました! →http://gaia.ameblo.jp/gaia/entry-10133471269.htm
「2006年はネット動画元年」と書いて早や2年半。今ではすっかり動画サービスが定着してます。時の経つのは速いですね。ウケるコンテンツは、もはやマスコミやクリエーターだけでなく一般の人たちの手に委ねられている時代にですね。
技術的な側面で見ると、ハイビジョンはTVだけのものでなく、ハイビジョンカメラが普通に家電屋さんに並ぶ時代。そして更に最近では、スーパースロー映像が撮影できるデジカメやビデオカメラが登場し始め、ニコニコ動画なんかにも普通に掲載されてます。
見た人は知らず知らずに心の底のほうで「凄いなぁ」と感じてると思いますし、「スーパースローで撮るともはや手ぶれすら無くなるように感じるんだ」などと映像の更なる可能性を感じてる人も多いのではないでしょうか。
こうしたハイスペックな映像、特殊映像といったものが、徐々にユーザーの手に委ねられるのが昨今のトレンドだと思っています。
私もそういったものにとても興味がある1人です。特に最近は沖縄でウミガメに出会ったこともあって、水中撮影をしてみたい、空撮映像を撮ってみたいなどと頭の中では妄想が広がるばかり。
■キメのシーンに使われる「ステディカム」
そんな中、私がいま一番ご執心なアイテムが「ステディカム」(Steadicam)です。
ステディカム(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AB%E3%83%A0
ステディカムと言われてピンと来る方は少ないかもしれませんが、今やっているオリンピックで言えば、陸上のトラック競技でゴールした後に優勝者などがウィニングランする際の映像を撮影するアレです。ベストを着けたカメラマンが、なにか縦に長いポールを付けた変なカメラを持って、せっせとアスリートの後を追っかけているアレです。
オリンピック以外では、サッカーのコーナーポスト付近なんかにも居て、コーナー近くでオフェンスとディフェンスがボールを奪い合う姿を迫力ある映像で撮影してたりします。
スポーツ以外で言うと、映画「ロッキー」。ロッキー・バルボアがトレーニングのためにジョギングをして、フィラデルフィア美術館の階段をトントントンと駆け上がり、階上でガッツポーズをする有名なシーン。あれも、ずっとステディカムが追いかけてましたね。
また、映画「タイタニック」の最終シーンも印象的です。ヒロイン・ローズの心が深海に沈むタイタニックのデッキを駆け抜けるかのような目線でカメラが進み、海の藻屑となった船がありし日の姿に戻っていく中、やがて大階段にたどり着くとローズがジャックとキスをする、というものでした。
あの一連のスムーズな映像は恐らく(自信はありませんが)、CGとコンピュータ制御のクレーンカメラ、そしてステディカムの合体作じゃないかと推察します。それ以外のタイタニック船内で走り回るシーンなんかも、かなりステディカムが多用されていたようです。
ブレが無く流れるような映像は、まるで人間の目で見ているかのような感覚を与えます。比較的長い動きのあるシーンには、このステディカムがとても効果的な役割を果たします。
なお、最近ではニコニコ動画にもステディカム映像が出始めています。まさに今後のトレンドですね。
■自分にも手に入る!?
で、そんなプロ用の機材は素人には手に入らないんじゃないか、と思ったのですが、調べてみると実はコンシューマ向けのステディカムが売られているんです。「ステディカム・マーリン」もその1つです。
Steadicam Merlin(米Tiffen社)
http://www.steadicam.com/handheldmerlin.html
YouTubeにも、これを使った映像が載っています。
Steadicam Merlin Demonstration(YouTube)
http://jp.youtube.com/watch?v=J6HDUDbeEJw
ただ、それでも10万円以上するらしく・・・ これはダメかなともう諦めたのですが、更に調べを進めると「ステディカムを自作する人たち」がそれなりにいるということが分かりました。
いくつかのサイトをリンクしようかなと思ったのですが、それよりは「ステディカム 自作」で検索してみるほうが良いかもしれません。
そもそもステディカムの原理は、どうやら「やじろべえのような振り子」や「バネなどによる振動吸収」などがキーになっているらしく、前者の振り子の原理だけを使った簡単な装置でもそこそこの効果が得られるらしいのです。
つまり、上にカメラ、下に錘(おもり)を置いてその間を棒状のものでつなげ、支点の部分に可動性のあるハンドル(グリップ)を取り付けることで、上にあるカメラが比較的ユーラユラと動き、ガクガクした振動を減らすといった感じです(間違ってたらスイマセン)。
自作派の方のサイトなどを見てるとバランスや重心の調整がとても微妙らしく、思ったような安定性を得るのはなかなか難しいようですが、市販価格10万円を考えると自作派へ多きく心が揺らぎつつあります。
■どこかで売り出したら面白いんですけどね
ビデオカメラはあくまで電子機器メーカーの商品なので、こういった力学的なオプション商品を作るとは考えにくいのですが、ユーザの立場からするとやはりこういったアイテムも興味深いもの。どこかの電機メーカーがステディカムを遊び心で作ったりしたら面白いと思うのですが、どうなんでしょうね(どちらかというと、三脚などのカメラ用品を作るメーカーのほうが親和性がありますが)。
で、更に調べてみると、最近こんな商品も売り出されている様子。
ボーゲンイメージング、テーブル三脚にもなるカメラスタビライザー(デジカメWatch)
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/accessories/2008/04/22/8346.html
Amazonでも17,000円ぐらいで売り出されている様子。うーん、思い切って買っちゃおうかなぁ。でも、今ひとつガタガタ感があるなあ・・・
そんなこんなで、あまり他人に期待せず、時間をかけても少しずつチャレンジして製作していきたいとも思う今日この頃です。
■追記 「HAGUE MMC」が良さそう
と、記事を書き終わった後もしつこくネットサーフィンしていると、良さそうな商品が・・・
HAGUE MINI MOTION-CAM(英・HAGUE社)
http://www.b-hague.co.uk/Camcorder%20Stabilizer%20HCS3.htm
税込59.95ポンド、日本円で13,000円程度。重量800gはやや重そうですが、一般的なコンシューマ向けステディカムの中では妥協できる値。ただ、日本では売ってなさそう。
但しこのサイトには、ステディカムがこんな構造で出来ていて、調整もこんな風にやればいいんだ、ということがよく分かるビデオが載ってます(Vimeoのやつ)。これを見ると、やっぱり自作しちゃったほうが早いんじゃないか、と思ったりもします。うーん、悩ましい!
追伸:自作に挑戦しました! →http://gaia.ameblo.jp/gaia/entry-10133471269.htm